桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)による副作用
桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)とは
桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)とは、血液の循環を良くし、冷え、のぼせ、炎症を改善するためのお薬です。
ツムラ25番とも言われ、ホルモンのバランス調整効果も報告されており、古くから主に女性に利用されている漢方薬です。
主成分としては、次の5種類の生薬エキスが配合されています。
・桂皮(ケイヒ)
身体を温めて発汗する作用により代謝を高め、解熱作用も期待されます。頭痛やのぼせに良いと言われています。
健胃作用も報告されています。
・芍薬(シャクヤク)
血管拡張作用により血流を良くする効果が期待されます。
また、筋肉を弛緩させる作用もあり、冷えや肩こり等の改善が期待されます。
・茯苓(ブクリョウ)
利尿作用があり、桂皮の発汗作用との相乗効果により、余分な水分を排出し、浮腫みを解消する効果が期待されます。
鎮静作用もあるため、イライラを鎮め、ストレス性の皮膚トラブルの改善が期待されます。
・桃仁(トウニン)
駆血作用があり、芍薬の血管拡張作用との相乗効果により、血行を良くして血液をキレイにし、皮膚の炎症を抑制する作用が期待されます。 血液凝集作用があり、便秘の改善作用も期待されます。
・牡丹皮(ボタンピ)
駆血作用があり、芍薬の血管拡張作用との相乗効果により、血行を良くして血液をキレイにし、皮膚の炎症を抑制する作用が期待されます。
適応症は以下の通りです。
・体格はしっかりしていて赤ら顔が多く、腹部は大体充実、下腹部に抵抗のある方の次の諸症
・子宮並びにその付属器の炎症
・子宮内膜炎
・月経不順
・月経困難
・帯下
・更年期障害(頭痛、めまい、のぼせ、肩こり等)
・冷え症
・腹膜炎
・打撲症
・痔疾患
・睾丸炎
本剤は、株式会社ツムラをはじめ、帝國漢方製薬株式会社、本草製薬株式会社、小太郎漢方製薬株式会社、クラシエ製薬株式会社、三和生薬株式会社、康和薬通有限会社、東洋薬行、大杉製薬株式会社、ジェ−ピ−エス製薬株式会社、太虎精堂製薬株式会社、大木製薬株式会社、帝國漢方製薬株式会社、日医工株式会社等により製造販売されています。
スポンサーリンク
主な副作用
桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)の主な副作用は、以下の通りです。
・だるい
・吐き気がする
・下痢する
・発疹がみられる
重大・重篤な副作用
重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。
副作用の名称 | 想定される症状等 |
---|---|
肝機能障害 | 倦怠感が増大する、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い、黄疸がでる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、Al-P値が上昇する、γ-GTP値が上昇する等 |
黄疸 | 嘔気がある、嘔吐する、食欲不振である、倦怠感がある、そう痒がある、皮膚や白目が黄色くなる、下痢する、全身の脱力感がある、38度~39度の発熱、ブツブツ状の発疹がでる等 |
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。
重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。
その他の副作用
その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。
副作用の部位名称等 | 副作用の名称、症状 |
---|---|
過敏症 | 発疹がみられる、発赤する、そう痒がみられる等 |
消化器 | 食欲不振になる、胃部不快感がある、悪心がある、下痢する等 |
桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)について
桂枝茯苓丸は、昔から女性や長期療養者に利用されている漢方薬です。
漢方医学の考え方では、慢性化した疾患に伴い、微小循環障害(瘀血:おけつ)が発生すると言われています。
これは、長期に渡り病に罹ると、局所的に血行が阻害され、痛みや腫れの原因になると言う考えです。
本剤は、この漢方で言う所の微小循環の改善を促すお薬として、利用されております。
以下の様な方には特に有効と言われています。
・体力が普通の方
・赤ら顔の方
・月経困難や月経不順がある方
・のぼせやすいが足が冷える方
・下腹部が張る感じの方
尚、適応症以外にも、神経痛、乳腺症、体の痛み、にきび、クマ、シミ、湿疹、皮膚炎、霜焼け等の皮膚のトラブルにも利用されています。
通常、主成分は以下の素材から精製されています。
・桂皮(ケイヒ):クスノキ科のニッケイの根を乾燥させたもの。
・芍薬(シャクヤク):ボタン科のシャクヤクの根を乾燥させたもの。
・茯苓(ブクリョウ):サルノコシカケ科のマツホドの菌核を乾燥させたもの。
・桃仁(トウニン):バラ科のモモを成熟した種子を乾燥させたもの。
・牡丹皮(ボタンピ):ボタン科のボタンの根皮を乾燥させたもの。
基本的に禁忌の方の指定はありません。
以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。
・著しく体力の衰えている方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・高齢の方
・小児等
併用禁忌や併用注意の薬剤は、指定されておりません。