サムスカによる副作用

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サムスカとは

サムスカ(Samsca)とは、体内の余分な水分を排出するための利尿剤です。

通常、浮腫の治療に利用されています。

本剤の主成分は、トルバプタン(Tolvaptan)で、腎臓のV2受容体をブロックすることにより、抗利尿ホルモンであるバソプレシンの働きを抑制する作用が期待されます。

この作用により、腎臓が尿中から血中へ水分を再吸収することを阻害し、結果として余分な水分のみを体外へ排出する効果が期待されます。

従来の利用剤と作用機序が異なるため、他の利用剤との併用が可能です。

また、常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)に対しても、バソプレシンをブロックすることで、腎のう胞が大きくなるのを抑制する作用が期待されます。

適応症は以下の通りです。

・ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留
・ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な肝硬変における体液貯留
・腎容積が既に増大しており、かつ、腎容積の増大速度が速い常染色体優性多発性のう胞腎の進行抑制

本剤は、大塚製薬株式会社により製造販売されています。

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主な副作用

サムスカの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。

(心不全における体液貯留の場合)
・口が渇く
・BUN値が上昇する
・血中尿酸値が上昇する

(肝硬変における体液貯留の場合)
・口が渇く
・頻尿になる

(常染色体優性多発性のう胞腎の場合)
・口が渇く
・頻尿になる
・多尿になる
・頭痛がする
・多飲症になる

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
腎不全 むくみがある、尿が出にくい、尿毒症になる、クレアチニン値が上昇する等
血栓塞栓症 手足がマヒする・痺れる(しびれる)、しゃべりにくい、胸の痛みがある、呼吸困難になる、片方の足の急激な痛みや腫れがみられる、肺塞栓症になる、脳梗塞になる、深部静脈血栓症になる、心筋梗塞になる、動悸がする、冷汗がでる、チアノーゼがみられる、静脈怒脹になる、血圧が低下する、意識が消失する、心肺停止になる、痺れる、皮膚が変色する、血栓より遠位の浮腫ができる、皮膚の炎症がおこる、血栓性静脈炎になる、慢性的な息切れがある、足首や脚のむくみがある、脱力感がある、意識が消失する等(俗名エコノミークラス症候群、ロングフライト血栓症)等
高ナトリウム血症 口が渇く、イライラする、痙攣(けいれん)する、頭痛がする、吐き気をもよおす、嘔吐する、興奮状態になる、過換気(過呼吸)がみられる、高熱が出る、倦怠感がある、だるい、傾眠が見られる、うつになる等。重症化すると、昏睡する、呼吸が浅く弱くなる
肝機能障害 倦怠感が増大する、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い状態、黄疸がでる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する等
アナフィラキシー 紅斑ができる、悪寒がする、口唇浮腫ができる、咽頭浮腫ができる、口内の違和感がある、かゆみがある、くしゃみする、顔面が紅潮する、熱感がある、吐き気がする、嘔吐する、尿意がある、便意がある、そう痒感がある、全身が発赤する、顔面や喉頭浮腫ができる、呼吸困難になる、痙攣(けいれん)する、血圧が低下する、喘鳴(ぜんめい)がきこえる、血管浮腫ができる、不快感がある、眩暈(めまい)がする、耳鳴がきこえる、発汗する等
ショック 血圧低下に伴い失神する、意識が消失する、チアノーゼがみられる、呼吸困難になる、胸内苦悶がある、冷感がある、嘔吐する、顔が赤くなる、痒みがある、蕁麻疹(じんましん)ができる、痺れる(しびれる)、動悸がする、息切れする等
過度の血圧低下 貧血になる、立ち眩みがする、眩暈(めまい)がする、頭痛がする、肩がこる、動悸がする、息切れする、不眠になる、朝起きられない、吐き気がする、食欲不振になる、胃もたれがする、胸やけがする、倦怠感がある、手足が冷える、集中力が低下する等
心室細動 頻脈になる、胸の痛みがある、息切れする、動悸がする、発熱する、吐き気がする、嘔吐する、痙攣(けいれん)する、不整脈がみられる、脈拍喪失がみられる、意識消失がみられる、全身痙攣(ぜんしんけいれん)がおこる、無呼吸になる、あえぎ呼吸がみられる(死戦期呼吸、下顎呼吸)、心停止する等
心室頻拍(Torsades de pointesを含む) 心室期外収縮が引き金で突然、発作的な頻拍になる、不整脈がみられる等
肝性脳症 脳機能低下の諸症状がみられる、覚醒レベルの低下や錯乱が生じる、発症初期では論理的思考や人格・行動に微妙な変化が現れる、気分が変化する、判断力が鈍る、正常な睡眠パターンが崩れる、息がカビ臭く甘ったるいにおいになる、疾患が進行すると腕を伸ばしたときに手を静止させていることができずバタバタと羽ばたくような動きをする(羽ばたき振戦)、眠気や錯乱がみられる、動作や発語が緩慢になる、見当識障害もよくみられる、まれに激昂したり興奮したりする、痙攣(けいれん)発作になる、意識を失い昏睡に陥る
汎血球減少 全身がだるい、階段等を上る際に息切れする、動悸がする、頭重がみられる、頭痛がする、眩暈(めまい)がする、鼻血がでる、耳鳴りがする、皮下出血がみられる、歯茎の出血がみられる等
血小板減少(血小板減少症) 手足に赤い点(点状出血)ができる、あざができる、鼻血がでる、歯茎の出血がみられる等、死亡例あり

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
精神神経系 頭痛がする、眩暈(めまい)がする、不眠症になる、失神する、意識消失がみられる、睡眠障害になる、嗜眠がみられる、傾眠がみられる、ナルコレプシーがみられる、注意力障害になる、感覚鈍麻がみられる、不随意性筋収縮になる、錯感覚がみられる、不安になる、うつ病になる、リビドー減退がみられる、神経過敏になる、パニック発作がみられる
消化器 口が渇く、便秘になる、食欲不振になる、悪心がある、嘔吐する、下痢する、味覚異常になる、消化不良になる、腹痛がする、腹部膨満がみられる、胃食道逆流性疾患になる、食道炎になる、裂孔ヘルニアになる、腹部不快感がある、心窩部不快感がある、口唇乾燥がみられる、鼓腸がでる、胃腸炎になる、胃炎になる、胃腸障害になる、憩室炎になる、結腸ポリープができる、嚥下障害になる、消化管運動障害が発現する、舌痛がある、舌苔がみられる、舌変色がみられる、口唇炎になる、口内炎ができる、口の感覚鈍麻がみられる、臍ヘルニアになる、食欲が亢進する、呼気臭がする、痔核がみられる、過敏性腸症候群になる
循環器 血圧が上昇する、血圧が低下する、動悸がする、頻脈になる、期外収縮がみられる、不整脈がみられる、起立性低血圧になる、不安定血圧になる
血液 貧血になる、ヘモグロビンが低下する、平均赤血球容積増加がみられる、血小板が減少する、白血球が増多する、好酸球が増多する
代謝 血中尿酸が上昇する、脱水がみられる、高カリウム血症になる、糖尿病になる、高血糖になる、脂質異常症になる、痛風になる、血液浸透圧が上昇する、血液量減少症になる、低カリウム血症になる、高カルシウム血症になる、低ナトリウム血症になる、低血糖になる、低リン酸血症になる、CK(CPK)値が上昇する、血中抗利尿ホルモン増加がみられる
腎臓・泌尿器 頻尿になる、多尿になる、血中クレアチニン値が上昇する、腎臓痛がする、BUN値が上昇する、腎機能障害になる、血尿がでる、尿浸透圧が低下する、尿失禁がみられる、尿意切迫がみられる、排尿困難がみられる、尿閉になる、乏尿になる、尿路感染がみられる、膀胱痛がする、腎結石ができる、シスタチンC値が上昇する
過敏症 発疹ができる、そう痒がみられる、蕁麻疹(じんましん)がでる
皮膚 皮膚乾燥がみられる、脱毛がみられる、ざ瘡がみられる、皮膚炎になる、色素沈着障害がみられる、爪の障害がみられる、多汗になる、乏汗になる、寝汗をかく
呼吸器 咳嗽(がいそう)がきこえる、呼吸困難になる、鼻咽頭炎になる、上気道感染がみられる、扁桃炎になる、副鼻腔炎になる、喘息になる、気管支炎になる、口腔咽頭痛がする、咽喉乾燥がみられる、鼻乾燥がみられる、鼻出血がみられる、発声障害がみられる
眼乾燥がみられる、緑内障になる、霧視がみられる、結膜出血がみられる
その他 疲労する、多飲症になる、体重が変動する(増加、減少)、無力症になる、倦怠感がある、浮腫ができる、筋骨格痛がする、筋痙縮がみられる、胸痛がする、背部痛がある、関節痛がある、四肢痛がある、疼痛がある、側腹部痛がある、冷感がある、発熱する、ほてる、熱感がある、粘膜乾燥がみられる、ウイルス感染する、カンジダ症になる、真菌感染がみられる、筋硬直がみられる、関節腫脹がみられる、勃起不全になる、月経過多になる、不規則月経になる、乳房嚢胞がみられる、易刺激性がみられる、LDH値が上昇する、耳鳴がする、不正子宮出血がみられる
過量投与 多尿になる、血清ナトリウム濃度が上昇する、脱水がみられる、口が渇く

 

サムスカについて

持病やアレルギーのある方は事前に医師とご相談ください。

本剤は、体内のナトリウム等は排出せず、水のみを排出する利尿剤です。

この作用機序により、他の利尿剤との併用が可能になっております。

但し、ナトリウム等を排出しないため、高ナトリウム血症のある方は、ご利用できません。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

(心不全及び肝硬変における体液貯留の場合)
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
・類似化合物(モザバプタン塩酸塩等)に対して過敏症の既往歴のある方
・無尿の方
・口が渇くのを感じない方
・水分摂取が困難な方
・高ナトリウム血症の方
・適切な水分補給が困難な肝性脳症の方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方

(常染色体優性多発性のう胞腎の場合)
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
・類似化合物(モザバプタン塩酸塩等)に対して過敏症の既往歴のある方
・口が渇くのを感じない方
・水分摂取が困難な方
・高ナトリウム血症の方
・重篤な腎機能障害(eGFR 15mL/min/1.73m2未満)のある方
・慢性肝炎のある方
・慢性肝炎の既往歴のある方
・薬剤性肝機能障害等の肝機能障害(常染色体優性多発性のう胞腎に合併する肝のう胞を除く)のある方
・薬剤性肝機能障害等の肝機能障害(常染色体優性多発性のう胞腎に合併する肝のう胞を除く)の既往歴のある方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

(心不全及び肝硬変における体液貯留の場合)
・血清ナトリウム濃度が、125mEq/L未満の方
・重篤な冠動脈疾患のある方
・脳血管疾患のある方
・高齢の方
・高カリウム血症の方
・肝性脳症を現有するかその既往のある方

(常染色体優性多発性のう胞腎の場合)
・重篤な冠動脈疾患のある方
・脳血管疾患のある方
・高齢の方
・高カリウム血症の方
・腎機能が低下している方
・授乳婦の方
・小児等

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。

・CYP3A4阻害作用を有する薬剤
  ・ケトコナゾール(経口剤:国内未発売)
  ・イトラコナゾール
  ・クラリスロマイシン等
・グレープフルーツジュース
・CYP3A4誘導作用を有する薬剤
  ・リファンピシン等
・セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、 セントジョーンズワート)含有食品
・ジゴキシン
・P糖蛋白阻害作用を有する薬剤
  ・シクロスポリン等
・カリウム製剤
・カリウム保持性利尿薬
  ・スピロノラクトン
  ・トリアムテレン等
・抗アルドステロン薬
  ・エプレレノン 等
・アンジオテンシン変換酵素阻害薬
  ・エナラプリルマレイン酸塩等
・アンジオテンシンII受容体拮抗薬
  ・ロサルタンカリウム等
・レニン阻害薬
  ・アリスキレンフマル酸塩等
・バソプレシン誘導体
  ・デスモプレシン酢酸塩水和物等

 

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