オノンによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/11

オノンとは

オノン(ONON)とは、アレルギーの諸症状を抑えるためのお薬です。

比較的新しいお薬で、当初は、喘息等、呼吸器官用のお薬として販売開始されました。

主成分の、プランルカスト水和物(Pranlukast Hydrate)は、ロイコトリエンの受容体をブロックすることにより、ロイコトリエンの産生を抑制します。(抗ロイコトリエン薬)

これにより、抗炎症作用や、気管支収縮抑制作用が発現します。

結果として、喘息発作の症状を緩和し、アレルギー性鼻炎の症状である、鼻づまり等に効果が期待されます。

又、系列が別の抗アレルギー薬との併用が可能なので、抗ヒスタミン薬を併用する場合もあります。

適応症は、以下の通りです。

・気管支喘息
・アレルギー性鼻炎

オノンは、小野薬品工業株式会社により製造販売されています。

尚、本剤は、一般市販薬としても、販売されております。

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主な副作用

オノンの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。

(気管支喘息に利用した場合)
・発疹ができる
・そう痒等がみられる
・腹痛になる
・胃部不快感がある
・下痢する
・嘔気がある
・肝機能異常(以下の症状等)
  ・AST(GOT)値が上昇する
  ・ALT(GPT)値が上昇する
・ビリルビン値が上昇する等

(アレルギー性鼻炎に利用した場合)
・下痢する
・腹痛になる
・胃部不快感がある
・発疹ができる
・そう痒等がみられる
・眠気がする
・嘔気がある
・肝機能異常(以下の症状等)
  ・AST(GOT)値が上昇する
  ・ALT(GPT)値が上昇する
・ビリルビン値が上昇する等

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
ショック 血圧低下に伴い失神する、意識が消失する、チアノーゼがみられる、呼吸困難になる、胸内苦悶がある、冷感がある、嘔吐する、顔が赤くなる、痒みがある、蕁麻疹(じんましん)がでる、痺れる(しびれる)、動悸がする、息切れする等
アナフィラキシー様症状 紅斑ができる、悪寒がする、口腔咽頭浮腫ができる、口内の違和感がある、かゆみがある、くしゃみする、顔面紅潮がみられる、熱感がある、吐き気がする、嘔吐する、尿意がある、便意がある、そう痒感がある、全身発赤がみられる、顔面や喉頭に浮腫ができる、呼吸困難になる、血圧が低下する、喘鳴(ぜんめい)がきこえる、血管浮腫ができる、不快感がある、眩暈(めまい)がする、耳鳴がする、発汗する等
白血球減少 風邪等の感染症にかかりやすい、風邪等が治りにくい
血小板減少(血小板減少症) 手足に赤い点(点状出血)ができる、あざができる、鼻血がでる、歯茎の出血がみられる等
肝機能障害 倦怠感が増大する、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い状態、黄疸がみられる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する等
黄疸 嘔気がある、嘔吐する、食欲不振になる、倦怠感がある、そう痒等がみられる、皮膚や白目が黄色くなる、下痢する、全身の脱力感がある、38度から39度の発熱がある、ブツブツ状の発疹ができる等
間質性肺炎 発熱する、咳嗽(がいそう)がきこえる、呼吸困難になる、胸部X線異常がみられる、好酸球が増多する、動悸がする、息切れする等
好酸球性肺炎 発熱する、咳嗽(がいそう)がきこえる、呼吸困難になる、胸部X線異常がみられる、好酸球が増多する、胸の痛みがある、から咳がでる、息切れする等
横紋筋融解症 手足肩を中心とした筋肉痛やこわばりがある、手足がしびれる、赤褐色の尿がでる、脱力感がある、CK(CPK)値が上昇する、血中及び尿中ミオグロビン値が上昇する等、急激な腎機能悪化を伴う

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
過敏症 発疹ができる、そう痒等がみられる、蕁麻疹(じんましん)がでる、多形滲出性紅斑がみられる
精神神経系 頭痛がする、眠気がする、眩暈(めまい)がする、不眠になる、痺れる(しびれる)、味覚異常になる、ふるえる、痙攣(けいれん)する、興奮する、不安になる
消化器 嘔気がある、腹痛になる、胃部不快感がある、下痢する、嘔吐する、胸やけがする、食欲不振になる、便秘する、腹部膨満感がある、口内炎ができる、舌炎になる、舌が痺れる(しびれる)等
循環器 不整脈(頻脈・心房細動・期外収縮等)がみられる、動悸がする、潮紅がみられる
肝臓 ビリルビン値が上昇する、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、アルカリホスファターゼ地が上昇する等
筋骨格系 関節痛になる、筋肉痛になる、四肢痛がみられる、こわばりがある、CK(CPK)値が上昇する等
泌尿器 蛋白尿がでる、尿潜血がみられる、頻尿になる、尿量が減少する、排尿障害がみられる、BUN値が上昇する
その他 胸部絞扼感がある、発熱する、浮腫ができる、けん怠感がある、トリグリセリド値が上昇する、出血する、好酸球が増多する、咽喉頭異常感がある、口が渇く、耳鳴がする、尿沈渣陽性になる、脱毛がみられる、生理不順になる、乳房腫脹や硬結がみられる、乳房痛がある、女性化乳房がみられる

 

オノンについて

花粉症に利用する際には、花粉飛散開始前から利用すると効果が高まります。

持病やアレルギーのある方は、事前に医師とご相談下さい。

本剤は、既に発現している喘息発作等を止めるお薬ではありません。

そのため、喘息発作等を止める際には、別の気管支拡張剤等を利用してください。

他のロイコトリエン拮抗剤を利用された方で、因果関係は不明ですが、鬱病、自殺念慮、自殺や攻撃的行動を含む精神症状の報告がありますので、念のため注意が必要です。

長期間に渡り利用する場合には、肝機能等を確認するためにも、尿や血液の検査を定期的に受ける必要があります。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・本剤の成分に対して、過敏症の既往歴のある方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・高齢の方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・授乳婦の方
・小児等

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、医師とご相談ください。

・主にCYP3A4によって代謝される薬剤
・CYP3A4を阻害する薬剤
  ・イトラコナゾール
  ・エリスロマイシン等

 

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