ロルカムによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/10

ロルカムとは

ロルカム(Lorcam)とは、炎症を抑え痛みや腫れを緩和するためのお薬です。

本剤の主成分は、ロルノキシカム(lornoxicam)で、炎症を引き起こすと言われている、プロスタグランジン(PG)の合成酵素シクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害する作用があります。

この作用により、プロスタグランジンの合成が抑制され、結果として、炎症、腫れ、痛み等の症状を緩和する効果が期待されます。

適応症は以下の通りです。

・下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛
  ・関節リウマチ
  ・変形性関節症
  ・腰痛症
  ・頸肩腕症候群
  ・肩関節周囲炎
・手術後、外傷後及び抜歯後の消炎・鎮痛

また、以下の疾患にも利用されております。

・坐骨神経痛
・頚椎症
・変形性膝関節症
・変形性脊椎症
・痛風
・高尿酸血症
・帯状疱疹
・筋収縮性頭痛
・腰椎椎間板ヘルニア
・変形性腰椎症
・腰椎椎間板症
・腰部脊柱管狭窄症

本剤は、非ステロイド抗炎症薬(NSAID)と言うカテゴリのお薬で、症状等を抑えるための対症療法薬です。

そのため、炎症や痛みの原因そのものを根本的に治療するお薬ではありません。

本剤は、大正製薬株式会社、大正富山医薬品株式会社により製造販売されています。

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主な副作用

ロルカムの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。

・腹痛がする
・腹部不快感がある
・嘔気がする
・発疹ができる
・胃炎になる
・浮腫ができる
・肝機能異常がみられる
・肝機能検査異常がみられる

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
消化性潰瘍 胃がもたれる、吐き気がする、痛みがある、空腹時のみぞおちの痛みがある、便が黒い等
小腸潰瘍 食後の腹痛が長い(1~3時間)、腹部が張る、吐き気がする、嘔吐する、下痢する等
大腸潰瘍(潰瘍性大腸炎) 血便がでる、頻繁な下痢がみられる、水便がみられる、下腹部の痛みがある、発熱する、体重が減少する等
ショック 血圧低下に伴い失神する、意識が消失する、チアノーゼがみられる、呼吸困難になる、胸内苦悶がある、冷感がある、嘔吐する、顔が赤くなる、痒みがある、蕁麻疹(じんましん)ができる、痺れる(しびれる)、動悸がする、息切れする等
アナフィラキシー様症状 紅斑ができる、悪寒がする、口唇浮腫ができる、咽頭浮腫ができる、口内の違和感がある、かゆみがある、くしゃみする、顔面が紅潮する、熱感がある、吐き気がする、嘔吐する、尿意がある、便意がある、そう痒感がある、全身が発赤する、顔面や喉頭浮腫ができる、呼吸困難になる、血圧が低下する、喘鳴(ぜんめい)がきこえる、血管浮腫ができる、不快感がある、眩暈(めまい)がする、耳鳴がきこえる、発汗する等
血小板減少(血小板減少症) 手足に赤い点(点状出血)ができる、あざができる、鼻血がでる、歯茎の出血がみられる等、死亡例あり
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群) 高熱がでる、陰部が痛む、関節が痛む、ひどい口内炎ができる、唇や口内がただれる、発熱する、皮膚がまだら模様に赤くなる、皮膚に水脹れが出る(各種皮膚障害)、中央にむくみをともなった赤い斑点ができる、赤い発疹ができる、まぶたや眼が充血する、結膜がただれる、食欲不振になる、からだがだるい等
急性腎不全 尿量が減少する、尿が赤みがかる、眼がはれぼったい、疲れやすい、からだがだるい、腹痛がある、吐き気がある、下痢する、脱力感がある、関節が痛む、頭痛がする、顔や手足が浮腫む、息苦しい、意識が低下する等
劇症肝炎 白眼や皮膚が黄色くなる、発熱する、吐き気がする、全身がだるい、AST(GOT)値の著しく上昇する、ALT(GPT)値が著しく上昇する、γ-GTP値が著しく上昇する、Al-P値が著しく上昇する等
肝機能障害 倦怠感の増大がみられる、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い状態、黄疸がみられる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する、劇症肝炎になる等
黄疸 嘔気がある、嘔吐する、食欲不振である、倦怠感がある、そう痒がある、皮膚や白目が黄色くなる、下痢する、全身の脱力感がある、38度~39度の発熱、ブツブツ状の発疹がでる等

 
類薬での重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト(類薬)
副作用の名称 想定される症状等
再生不良性貧血 発熱する、悪寒がする、手足に赤い点(点状出血)ができる、赤紫のあざができる、のどが痛む、鼻血がでる、歯茎から出血する、貧血症状になる等
無顆粒球症 発熱する、咽頭痛になる、倦怠感がある、口内炎ができる等
骨髄機能抑制 特に症状がない場合もあり。汎血球が減少する、白血球が減少する、好中球が減少する、血小板が減少する、貧血になる、重症感染症(敗血症、肺炎等)になる、播種性血管内凝固症候群(DIC)になる
播種性血管内凝固症候群(DIC)(はしゅせい けっかんない ぎょうこ しょうこうぐん) 微小血栓による循環不全(腎不全、肺塞栓による呼吸困難・チアノーゼ、ショックなど)がみられる、凝固因子や血小板の減少や線溶活性化による出血症状(粘膜出血、止血不良、脳出血、皮膚出血性、血尿、消化管出血など)がみられる、中枢神経症状(意識障害がおこる、痙攣(けいれん)する、昏睡する)がみられる、臓器虚血(多臓器不全)がみられる等
ネフローゼ症候群 高度の浮腫が発生する、大量のたんぱく尿が出る、尿が泡立っている、まぶたや下肢がむくむ、胸水がある、腹水がある、心嚢水がある、息切れがする、呼吸が困難になる、吐き気がする、嘔吐する、体重が増加する、免疫力が低下する
中毒性表皮壊死症(Lyell症候群もしくはToxic Epidermal Necrolysis:TEN) 皮膚が赤くなる、皮膚が焼けるように痛む、皮膚に水脹れが出る(各種皮膚障害)、発熱する、口内が荒れる等

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
過敏症 発疹ができる、そう痒感がある、蕁麻疹(じんましん)がでる、口唇腫脹がみられる、アレルギー性紫斑病になる
精神神経系 頭痛がする、眩暈(めまい)がする、眠気がある、しびれ(感)がある、傾眠がみられる
感覚器 視力異常がみられる、耳鳴りがする
消化器 腹痛がする、腹部不快感がある、嘔気がする、嘔吐する、消化不良になる、胃炎になる、下痢する、食欲不振になる、口内炎ができる、腹部膨満がみられる、便秘になる、口が渇く、便潜血陽性がみられる、血便がでる、おくびがでる、苦味がある、口角炎になる、食道炎になる、舌炎になる、しゃっくりがでる
血液 ヘモグロビンが減少する、赤血球が減少する。ヘマトクリット値が減少する、血小板が減少する、好酸球が増多する、好中球が増多する、白血球が減少する
肝臓 ALT(GPT)値が上昇する、AST(GOT)値が上昇する、Al-P値が上昇する、ウロビリノーゲンが陽性になる
腎臓 尿中NAG値が上昇する、BUN値が上昇する、尿蛋白が陽性になる、高尿素窒素血症になる、蛋白尿が増加する、クレアチニン値が上昇する
その他 浮腫ができる、けん怠感がある、季肋部疼痛がある、悪寒がする、浮遊感がある、血尿がでる、高尿酸血症になる、咽頭炎になる、関節痛になる、眼球充血がみられる、胸痛がする、高血圧になる、体重が減少する、動悸がする、尿閉がみられる、熱感がある、鼻炎になる、頻尿になる、夜間頻尿がみられる、発熱する

 

ロルカムについて

本剤は、作用の発現も早く、急性症状や手術後の疼痛等にも適していると言われています。

持病やアレルギーのある方は事前に医師とご相談ください。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・消化性潰瘍のある方
・重篤な血液の異常がある方
・重篤な肝障害のある方
・重篤な腎障害のある方
・重篤な心機能不全のある方
・重篤な高血圧症のある方
・本剤の成分に対して過敏症のある方
・アスピリン喘息のある方
・妊娠末期の方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・消化性潰瘍の既往歴のある方
・非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある方で、
 かつ、本剤の長期投与が必要で、かつ、ミソプロストールによる治療が行われている方
・血液の異常、又は、その既往歴のある方
・肝障害、又は、その既往歴のある方
・腎障害、又は、その既往歴のある方
・心機能障害のある方
・高血圧症のある方
・過敏症の既往歴のある方
・気管支喘息の方
・潰瘍性大腸炎の方
・クローン病の方
・高齢の方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・小児等

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。

・ジゴキシン
・クマリン系抗凝血剤
  ・ワルファリンカリウム等
・抗血小板剤
  ・アスピリン
  ・チクロピジン塩酸塩等
・スルホニル尿素系血糖降下剤
  ・トルブタミド等
・リチウム製剤
  ・炭酸リチウム
・メトトレキサート製剤
  ・メトトレキサート
・ループ利尿剤
  ・フロセミド等
・チアジド系利尿剤
  ・ヒドロクロロチアジド等
・アンジオテンシン変換酵素阻害剤
  ・エナラプリルマレイン酸塩等

 

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