アリセプトによる副作用

公開日:  最終更新日:2016/09/17

アリセプトとは

アリセプト(Aricept)とは、アルツハイマー型認知症の治療薬です。

本剤の主成分は、ドネペジル塩酸塩(Donepezil Hydrochloride)で、アセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)の働きをブロックする作用があります。

この作用により、脳内のアセチルコリンを増加させ、これによりアルツハイマー型認知症の進行を抑制する効果が期待されます。

適応症は以下の通りです。

・アルツハイマー型認知症及びレビー小体型認知症における認知症症状の進行抑制

但し、対症療法薬なので、病気を根本的に直すものでは、ありません。

薬の服用を中断すると、以前の認知症状態の症状へ、急速に悪化するとの報告があります。

本剤は、エーザイ株式会社により製造販売されています。

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主な副作用

アリセプトの主な副作用は、以下の通りです。

・食欲が減退する
・悪心がある
・嘔吐する
・下痢する

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
QT延長 意識を失った、脈が乱れる、立ち眩みがする等
心室頻拍(Torsades de pointesを含む) 心室期外収縮が引き金で突然、発作的な頻拍になる、不整脈がみられる等
心室細動 頻脈になる、胸の痛みがある、息切れする、動悸がする、発熱する、吐き気がする、嘔吐する、痙攣(けいれん)する、不整脈がみられる、脈拍喪失がみられる、意識消失がみられる、全身痙攣(ぜんしんけいれん)がおこる、無呼吸になる、あえぎ呼吸がみられる(死戦期呼吸、下顎呼吸)、心停止する等
洞不全症候群 息切れする、疲労感がある、心不全が悪化する、呼吸困難になる、眩暈(めまい)がする、眼の前が真っ暗になる、一瞬気が遠くなる、失神する、徐脈になる、痙攣(けいれん)する、心停止する等
洞停止 P波の長時間脱落がみられる、一時的な拍動の停止がある等
高度徐脈 眩暈(めまい)がする、ふらつく、失神する、倦怠感がある、息切れする等
心ブロック 心拍数が低下する、自覚症状がない、心房から心室への電気信号伝達が遅滞、心拍リズムが不正になる等
失神
意識消失(意識喪失)
顔面が蒼白になる、めまいがする、立ちくらみがある、胸の痛みがある、動悸が高くなる、胸部に不快感がある等
心筋梗塞 狭心痛がある、突然の左前胸部に圧迫感がある、嘔吐する、吐き気がある、ショック状態になる等
心不全 体力が低下する、息苦しくなる、むくみがある、頻尿になる、腹部に体液がたまり腫れる・むくみが出る、起座呼吸がある(起き上がって深く急な呼吸)、疲労感がある、足首、眠気がある、錯乱がある、見当識障害がある、足、脚、肝臓、息切れする、あえぐ、吐き気がある、食欲不振になる、喘鳴(ぜんめい)がある等
消化性潰瘍 空腹時にみぞおちの痛みがある、胃がもたれる、吐き気がする、痛みがある、便が黒い等
十二指腸潰瘍穿孔(じゅうにしちょうかいよう・せんこう) 無症状のまま、悪心がある、疼痛がある、胸やけする、げっぷがでる、その他膨満感がある、重圧感がある、食欲不振になる、嘔吐する、吐・下血をする等
消化管出血 黒いタール便がでる(メレナ)、血を吐く(吐血)、貧血になる、疲れやすくなる、、手足が汗ばむ、手足が冷たい、顔が青白い、脈が速くなる、低血圧になる、尿量の減少に伴う意識混濁がある、見当識障害がある、眠気がある等
肝炎 高熱がでる、黄色い尿がでる、白目や皮膚が黄色くなる、倦怠感が増大する、淡黄色の便がでる等
肝機能障害 黄疸がでる、倦怠感が増大する、吐き気がする、食欲が低下する、呼吸困難になる、常に眠い、AST(GOT)値、ALT(GPT)値、γ-GTP値、総ビリルビン値等の上昇等
黄疸 皮膚や白目が黄色くなる、下痢する、嘔気がある、嘔吐する、食欲不振になる、倦怠感がある、そう痒がある等、全身の脱力感がある、38度~39度の発熱がある、ブツブツ状の発疹がでる等
脳性発作 てんかんがおこる、痙攣(けいれん)する等
脳出血 意識障害がある、激しい頭痛がある、半身麻痺がある、吐き気がする、嘔吐する、しびれ等がある
脳血管障害 麻痺が残る、手足に力が入らない、手足がしびれる、半側空間無視がおこる、失語をする、重いめまいがある、激しい頭痛がある、言語障害がある、ろれつが回らない、言葉が一瞬出なくなる、ものが二重に見える、歩行困難になる、顔半分が麻痺する、片目が見えない、寝たきりになる、失認がある、失行がある、意識障害がある等
錐体外路障害(すいたいがいろしょうがい) 寡動になる、運動失調になる、ジスキネジア(口周辺や舌の異常な運動、舌がもつれる、手足が勝手に動く)、ジストニア(顔や首の強いこわばりがある、首がそり返る、ひきつけをおこす、けいれんをおこす、目が正面を向かない、目の玉がクルクル回る、眼球上転)、振戦(ふるえ)、不随意運動がある、言語障害がある
、歩行異常がある、姿勢異常がある、パーキンソン様症状がでる、アカシジアになる(ソワソワして落ち着かない、じっとできない、動き回りたくなる、少し動き回ると楽になる)等
悪性症候群 無動緘黙になる(むどうかんもく:無言症。無動無言状態のこと)、強度の筋強剛がおこる(きんきょうごう:筋肉のこわばり)、嚥下が困難になる、頻脈がおこる、血圧の変動がある、発汗等の症状が現れる、その後、発熱する場合がある。抗精神病剤と併用した場合に現れることが多い
横紋筋融解症 赤褐色の尿がでる、手足肩を中心とした筋肉痛になる、こわばりがある、手足がしびれる、脱力感がある、CK(CPK)値上昇、血中及び尿中ミオグロビン値が上昇等、急激な腎機能悪化を伴う可能性あり
呼吸困難 胸部に痛みがある、息切れする、心臓の脈拍が上がる、手足が冷たい、倦怠感がある等
急性膵炎 吐き気がする、上腹部痛がある(みぞおち、左上腹部、背部等)、嘔吐する、腹部の膨満感(ふくぶぼうまんかん)がある、発熱する、意識障害がおこる、ショック状態(蒼白になる、血圧が低下するなど)がつづく、食欲不振になる、押されると痛みが強い(圧痛)、押されると腹部が硬くなる(筋性防御(きんせいぼうぎょ))等
急性腎不全 からだがだるい、尿量が減少する、尿が赤みがかる、眼がはれぼったい、疲れやすい、腹痛がある、吐き気がある、下痢する、脱力感がある、関節の痛みがある、息苦しい、頭痛がする、顔や手足のむくみがある、意識が低下する等
原因不明の突然死 前駆症状なしに突然病気が発症し、24時間以内に死亡する等
血小板減少(血小板減少症) 手足に赤い点(点状出血)ができる、あざができる、鼻血がでる、歯茎の出血がみられる等、死亡例あり

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
循環器 血圧が上昇する、血圧が低下する、動悸がする、心房細動がおこる
精神神経系 興奮する、易怒性がおこる、妄想する、眠気がある、不穏になる、不眠になる、幻覚がおこる、無感情になる、攻撃性がでる、多弁になる、せん妄がある、多動になる、リビドー亢進する、躁状態になる、抑うつになる、錯乱する、悪夢がある
過敏症 発疹ができる、そう痒感がある
消化器 嘔吐する、下痢する、食欲不振になる、嚥下障害がおこる、嘔気がある、腹痛がする、便秘になる、流涎がみられる、便失禁する
精神神経系 興奮する、不穏になる、不眠になる、眠気がする、易怒性がみられる、幻覚がみえる、攻撃性がみられる、せん妄がみられる、妄想する、多動になる、抑うつになる、無感情になる、リビドー亢進がみられる、多弁になる、躁状態になる、錯乱する、悪夢を見る
中枢・末梢神経系 頭痛がおこる、めまいがする、徘徊する、振戦(ふるえ)がでる、昏迷がみられる
血液 貧血になる、白血球値が減少する、ヘマトクリット値が減少する
肝臓 ALT(GPT)値が上昇する、LDH値が上昇する、AST(GOT)値が上昇する、γ‐GTP値が上昇する、Al‐P値が上昇する
泌尿器 尿失禁する、頻尿になる、尿閉になる、BUN値が上昇する
その他 けん怠感がある、CK(CPK)値が上昇する、総コレステロール値が上昇する、トリグリセライド値が上昇する、アミラーゼ値が上昇する、尿アミラーゼ値が上昇する、むくみがある、転倒する、胸痛がある、筋痛がある、顔面が紅潮する、脱力感がある、発汗する、顔面浮腫ができる、発熱する、縮瞳がみられる
過量投与 嘔吐する、高度な嘔気がある、流涎になる、呼吸抑制する、発汗する、徐脈になる、低血圧になる、虚脱がある、縮瞳がみられる及び痙攣(けいれん)がおこる等のコリン系の副作用、筋脱力がおこる、呼吸筋の弛緩等、死亡に至る場合あり

 

アリセプトについて

アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症は、記憶や思考に関与するアセチルコリン系の神経の働きが低下するために発現すると言われています。

本剤は、上記にも記載している様に、アセチルコリン分解酵素の働きを阻害することにより、アセチルコリン濃度を一定以上に保持することで認知症の進行を抑制します。

持病やアレルギーのある方は事前に医師とご相談ください。

特に、心臓病、消化性潰瘍、気管支喘息、錐体外路障害(パーキンソン病、パーキンソン症候群)等のある方は、注意が必要なので、事前に医師とご相談ください。

鎮痛薬を利用されている方も、注意が必要です。

本剤の服用に伴い、眠気や眩暈等を引き起こす場合がありますので、車の運転や危険を伴う作業等は控えてください。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方。
・ピペリジン誘導体に対して過敏症の既往歴のある方。

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・洞不全症候群、心房内及び房室接合部伝導障害等の心疾患のある方
・消化性潰瘍の既往歴のある方
・非ステロイド性消炎鎮痛剤投与中の方
・気管支喘息又は閉塞性肺疾患の既往歴のある方
・錐体外路障害(パーキンソン病、パーキンソン症候群等)のある方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・授乳婦の方

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。

・スキサメトニウム塩化物水和物
・コリン賦活剤
  ・アセチルコリン塩化物
  ・カルプロニウム塩化物
  ・ベタネコール塩化物
  ・アクラトニウムナパジシル酸塩
・コリンエステラーゼ阻害剤
  ・アンベノニウム塩化物
  ・ジスチグミン臭化物
  ・ピリドスチグミン臭化物
  ・ネオスチグミン等
・CYP3A阻害剤
  ・イトラコナゾール
  ・エリスロマイシン等
・ブロモクリプチンメシル酸塩
・イストラデフィリン
・キニジン硫酸塩水和物等
・カルバマゼピン
・デキサメタゾン
・フェニトイン
・フェノバルビタール
・リファンピシン
・中枢性抗コリン剤
  ・トリヘキシフェニジル塩酸塩
  ・ピロヘプチン塩酸塩
  ・マザチコール塩酸塩水和物
  ・メチキセン塩酸塩
  ・ビペリデン塩酸塩等
・アトロピン系抗コリン剤
  ・ブチルスコポラミン臭化物
  ・アトロピン硫酸塩水和物等
・非ステロイド性消炎鎮痛剤

 

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