チャンピックスによる副作用
チャンピックスとは
チャンピックス(CHAMPIX)とは、禁煙を補助するためのお薬です。
禁煙の際に発生するイライラ、集中できない等のニコチンの離脱症状を抑制します。
また、喫煙時のニコチンが刺激となって放出されるドーパミンで得る満足感を抑制することにより喫煙願望を弱める作用もあります。
本剤の主成分である、バレニクリン酒石酸塩(Varenicline Tartrate)は、ニコチンが脳内の受容体へ結合するのをブロックし、ドーパミンの放出を抑制します。(α4β2ニコチン受容体部分作動薬)
ドーパミンを完全に抑制する訳ではないため、離脱症状を抑制すると共に喫煙による満足感も余り得られなくなることにより、禁煙をサポートします。
適応症は以下の通りです。
・ニコチン依存症の喫煙者に対する禁煙の補助
本剤は、ファイザー株式会社により製造販売されています。
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主な副作用
チャンピックスの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。
・嘔気がある
・不眠症になる
・異常な夢をみる
・頭痛がする
・鼓腸がでる
重大・重篤な副作用
重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。
副作用の名称 | 想定される症状等 |
---|---|
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群) | 高熱がでる、陰部の痛みがある、関節の痛みがある、ひどい口内炎ができる、唇や口内のただれがある、発熱する、皮膚がまだら模様に赤くなる、皮膚に水脹れが出る(各種皮膚障害)、中央にむくみをともなった赤い斑点ができる、赤い発疹ができる、まぶたや眼の充血がある、結膜のただれがみられる、食欲不振になる、からだがだるい等 |
多形紅斑(たけいこうはん) | 手の甲・足の甲・肘・膝などの四肢伸側に左右対称に多発する円形の紅斑がみられる、発熱する、痛みがある等 |
血管浮腫 | 呼吸が苦しい、会話が不自由になる、顔面・口唇・咽頭・舌の腫脹がみられる等 |
意識障害 | 吐き気がする、食欲不振になる、腹痛になる、下痢する、強い倦怠感がある、意識レベルが低下する、意識消失がみられる等 |
肝機能障害 | 倦怠感が増大する、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い状態、黄疸がでる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する等 |
黄疸 | 嘔気がする、嘔吐する、食欲不振になる、倦怠感がある、そう痒等がある、皮膚・白目が黄色くなる、下痢する、全身の脱力感がある、38度から39度の発熱がみられる、ブツブツ状の発疹ができる等 |
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。
重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。
その他の副作用
その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。
副作用の部位名称等 | 副作用の名称、症状 |
---|---|
感染症及び寄生虫症 | 上気道感染がみられる、気管支炎になる |
代謝及び栄養障害 | 食欲不振になる、食欲亢進になる、多飲症になる |
精神障害 | 異常な夢をみる、不眠症になる、リビドー減退がみられる、易刺激性がある、感情不安定になる、激越がみられる、睡眠障害がある、不安になる、抑うつになる、落ち着きのなさがある、精神緩慢になる、気分変動がある、思考異常がみられる、不快気分になる、精神障害がみられる、攻撃的行動がある、敵意がある |
神経系障害 | 頭痛がする、傾眠がみられる、振戦がみられる、注意力障害がみられる、味覚異常がある、嗜眠がみられる、協調運動異常がある、構語障害がある、感覚鈍麻がある、記憶障害がある、健忘がある、一過性健忘がある |
心臓障害 | 心房細動がみられる、動悸がする |
血管障害 | ほてりがある、高血圧になる |
眼障害 | 眼痛がある、羞明がある、暗点がある |
耳及び迷路障害 | 耳鳴がする |
呼吸器、胸郭及び縦隔障害 | 咽喉刺激感がある、咳嗽(がいそう)がある、呼吸困難になる、嗄声がある、鼻漏がある、気道うっ血がある、副鼻腔うっ血がある、いびきをかく |
胃腸障害 | 便秘になる、嘔気がある、鼓腸がでる、胃食道逆流性疾患がある、胃不快感がある、下痢する、口内乾燥がみられる、消化不良になる、軟便がでる、腹痛がある、腹部膨満がみられる、嘔吐する、おくびがみられる、胃炎になる、歯肉痛がある、吐血する、血便を排泄する、口内炎ができる、イレウスがみられる |
皮膚及び皮下組織障害 | ざ瘡がある、そう痒症になる、発疹ができる、紅斑ができる、多汗症になる |
筋骨格系及び結合組織障害 | 筋痛がある、筋痙攣がみられる、関節硬直がみられる |
腎及び尿路障害 | 頻尿になる、夜間頻尿になる、糖尿がでる、多尿になる |
生殖系及び乳房障害 | 月経過多になる、性機能不全になる |
全身障害及び投与局所様態 | 胸痛がある、倦怠感がある、口が渇く、無力症になる、眩暈(めまい)がする、胸部不快感がある、発熱する、浮腫ができる、末梢性浮腫がみられる |
臨床検査 | 肝機能検査値異常がみられる(AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、ALP値が上昇する、血中ビリルビン値が上昇する)、心電図ST部分下降がみられる、心電図T波振幅減少がみられる、心拍数増加がみられる、血小板数減少がみられる、体重が増加する |
過量投与 | 嘔吐する |
チャンピックスについて
本剤は禁煙補助薬と言う、新しいカテゴリのお薬です。禁煙をサポートするために利用されております。
持病やアレルギーのある方は、事前に医師とご相談ください。
本剤との因果関係は不明ですが、抑うつ気分、不安、焦燥、興奮、行動又は思考の変化、精神障害、気分変動、攻撃的行動、敵意、自殺念慮及び自殺が報告されています。周囲は十分注意しておく必要があります。
尚、本剤服用期間中に、眩暈(めまい)や傾眠、意識障害等が発現し自動車事故を起こしたとの報告があります。
そのため、本剤を利用している間は、車の運転や危険を伴う作用等は、控えてください。
以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方。
以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。
・統合失調症の方
・双極性障害の方
・うつ病の方
・上記以外の精神疾患のある方
・重度の腎機能障害のある方
・血液透析を受けている方
・高齢の方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・授乳婦の方
以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、医師とご相談ください。
・シメチジン