ムーベンによる副作用
ムーベンとは
ムーベン(MUBEN)とは、腸内の便を排泄するためのお薬です。
通常、大腸検査等のために利用されています。
本剤の主な成分は、以下の通りです。
・塩化ナトリウム
・塩化カリウム
・炭酸水素ナトリウム
・無水硫酸ナトリウム
これらの成分は、水分を腸内へ引き寄せる作用があります。この作用により、便を軟化させ増大させることにより、腸を刺激し、運動が活発になり、便通が良くなる効果が期待されます。
適応症は以下の通りです。
・大腸内視鏡検査及び大腸手術時の前処置における腸管内容物の排除
便通を良くする効果から、塩類下剤とも呼ばれます。
本剤は、日本製薬株式会社、武田薬品工業株式会社により製造販売されています。
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主な副作用
ムーベンの主な副作用は、以下の通りです。
・吐き気がする
・腹痛がする
・眩暈(めまい)がする
・脱力感がある
・寒気がする
重大・重篤な副作用
重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。
副作用の名称 | 想定される症状等 |
---|---|
アナフィラキシー | 紅斑ができる、悪寒がする、口唇浮腫ができる、咽頭浮腫ができる、口内の違和感がある、かゆみがある、くしゃみする、顔面が紅潮する、熱感がある、吐き気がする、嘔吐する、尿意がある、便意がある、そう痒感がある、全身が発赤する、顔面や喉頭浮腫ができる、呼吸困難になる、痙攣(けいれん)する、血圧が低下する、喘鳴(ぜんめい)がきこえる、血管浮腫ができる、不快感がある、眩暈(めまい)がする、耳鳴がきこえる、発汗する等 |
ショック | 血圧低下に伴い失神する、意識が消失する、チアノーゼがみられる、呼吸困難になる、胸内苦悶がある、冷感がある、嘔吐する、顔が赤くなる、痒みがある、蕁麻疹(じんましん)ができる、痺れる(しびれる)、動悸がする、息切れする等 |
腸管穿孔 | 重度の広汎な腹痛がみられる、圧痛がある、腹膜炎の徴候を伴う急性腹症になる、疼痛がある、肩の疼痛に放散がみられる、悪心がある、嘔吐する、食欲不振になる、腸雑音の減弱や消失がみられる等 |
腸閉塞(イレウス) | 便秘になる、腹痛がある、増強する腹部膨満感がある、吐き気がする、悪心がある、嘔吐する、排便や排ガスの途絶がある、間欠的または持続的な痛みがある等 |
鼡径ヘルニア嵌頓(そけいへるにあかんとん) | 脱腸がみられる、横になっても押しても腸(ヘルニア)が元に戻らない、腸が浮腫む、我慢できない痛みを伴う等 |
低ナトリウム血症 | 顔面蒼白になる、食欲が低下する、吐き気がする、筋力が低下する、活動力が低下する、倦怠感がある、喉が渇く等 |
虚血性大腸炎 | 急な腹痛がある、下血する、発熱する、悪心がある、嘔吐する、腹膜刺激症状がみられる等 |
マロリー・ワイス症候群 | 嘔吐を繰り返した後に吐血、下血、心窩部痛(しんかぶつう)(みぞおちあたりの痛み)、立ちくらみ等がみられる、痛みを伴う場合には突発性食道破裂を起こしている場合もある |
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。
重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。
その他の副作用
その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。
副作用の部位名称等 | 副作用の名称、症状 |
---|---|
過敏症 | 蕁麻疹(じんましん)がでる、発疹ができる |
中枢・末梢神経系 | ふらつき感がある、冷感がある、意識障害がみられる |
精神神経系 | 不眠になる |
消化器 | 腹部膨満感がある、嘔気がある、嘔吐する、腹痛がする、腹鳴がみられる、肛門部痛がある |
循環器 | 胸痛がある |
内分泌 | 尿ケトン体陽性になる、低血糖発作がみられる、血糖値が上昇する、尿酸値が上昇する |
肝臓 | AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、LDH値が上昇する、ビリルビン値が上昇する、蛋白が上昇する、蛋白が低下する、アルカリフォスファターゼが上昇する |
腎臓 | 尿蛋白陽性になる、尿潜血陽性になる |
血液 | 白血球が減少する、白血球が増多する、血清カリウムが上昇する、血清カリウムが低下する |
その他 | けん怠感がある、頭痛がする、口が渇く、頻尿になる、胸やけがする、発熱する、寒気がする、頭重感がある、ほてりがみられる、発赤がみられる、顔面紅潮がみられる |
ムーベンについて
本剤は、治療を目的としたお薬ではなく、経口腸管洗浄剤として利用するお薬です。
持病やアレルギーのある方は事前に医師とご相談ください。
本剤の利用に伴い、腸管洗浄を行うため、他のお薬の吸収を妨げる場合がありますので、利用しているお薬のある方は、事前に医師とご相談ください。
特に糖尿病や胃腸の病気のある方、妊婦の方、妊娠している可能性のある方は、医師とご相談ください。
以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。
・胃腸管閉塞症の疑いのある方
・腸閉塞の疑いのある方
・腸管穿孔のある方
・中毒性巨大結腸症のある方
以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。
・狭心症のある方
・陳旧性心筋梗塞の方
・腎機能障害を有する方
・腸管狭窄の方
・高度な便秘の方
・腸管憩室のある方
・高齢の方
・腹部手術歴のある方
・誤嚥を起こすおそれのある方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・小児等