釣藤散(チョウトウサン)による副作用
釣藤散(チョウトウサン)とは
釣藤散(チョウトウサン)とは、慢性的な頭痛を緩和するお薬です。
特に中年以降の、冷えが余りない方に適応され、高血圧や動脈硬化等に関連する症状(眩暈、頭痛、肩こり、耳鳴り等)にも利用される漢方薬です。
ツムラ47番とも言われ、効能が実証されている安全・安心な漢方薬です。
主成分としては、次の様な生薬エキスが配合されています。
・釣藤鈎(チョウトウコウ)
鎮静作用、抗痙攣作用、解熱作用が期待されます。
他の成分との相乗効果で、脳血管を広げて脳の血液の循環を促進し、頭痛、眩暈(めまい)、耳鳴り等を抑制する効果が期待されます。
・石膏(セッコウ)
止瀉作用があり、「熱」を冷ます効果が期待されます。
他の成分との相乗効果で、脳血管を広げて脳の血液の循環を促進し、頭痛、眩暈(めまい)、耳鳴り等を抑制する効果が期待されます。
・茯苓(ブクリョウ)
利尿作用があり、余分な水分を排出し、浮腫みを解消する効果が期待されます。
鎮静作用もあるため、イライラを鎮め、ストレス性の皮膚トラブルの改善が期待されます。
健胃作用や抗めまい作用も報告されています。
他の成分との相乗効果で、体液を補う作用も報告されています。
・半夏(ハンゲ)
制吐作用や去痰作用が期待されます。
代謝障害を改善させ、他の成分との相乗効果で痰を取り去り、気をめぐらせる作用があると報告されています。
・防風(ボウフウ)
発汗作用や発散作用、鎮痛作用が期待されます。
かゆみを抑える作用が報告されています。
他の成分との相乗効果で、脳血管を広げて脳の血液の循環を促進し、頭痛、眩暈(めまい)、耳鳴り等を抑制する効果が期待されます。
・菊花(キッカ)
解熱作用や消炎作用、発散作用が期待されます。
頭痛、目の疲れ、高血圧に効果があると報告されています。
他の成分との相乗効果で、脳血管を広げて脳の血液の循環を促進し、頭痛、眩暈(めまい)、耳鳴り等を抑制する効果が期待されます。
・人参(ニンジン)
強壮作用や抗ストレス作用、賦活作用、補気作用等が期待されます。
消化機能を高め、「気」の生成を増す作用があると報告されています。
他の成分との相乗効果で、体液を補う作用も報告されています。
・麦門冬(バクモンドウ)
鎮咳作用や去痰作用、解熱作用、血糖降下作用等が期待されます。
他の成分との相乗効果で、体液を補う作用も報告されています。
・陳皮(チンピ)
健胃作用や鎮咳作用、理気作用が期待されます。
他の成分との相乗効果で痰を取り去り、気をめぐらせる作用があると報告されています。
・生姜(ショウキョウ)
発汗作用や制吐作用、健胃作用、鎮咳作用が期待されます。
他の成分との相乗作用で、胃腸を補う効果が報告されています。
・甘草(カンゾウ)
鎮痛作用や抗痙攣作用、鎮咳作用が期待されます。
他の成分との相乗作用で、胃腸を補う効果が報告されています。
適応症は以下の通りです。
・慢性に続く頭痛で中年以降、または高血圧の傾向のある方
主に朝起きてから午前中の症状に効果があるとの報告があります。
以下の症状に利用されています。
・高血圧、動脈硬化、脳血管障害(脳梗塞等の後遺症)に関連した以下の症状
・頭痛
・頭重感
・耳鳴り
・肩こり
・抑鬱
・不眠
・眩暈(めまい)
・のぼせ
・頭痛
・眩暈(めまい)
本剤は、株式会社ツムラ、松浦薬業株式会社により、製造販売されています。
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主な副作用
釣藤散(チョウトウサン)の主な副作用は、以下の通りです。
・食欲不振になる
・発疹ができる
・大量服用(甘草)に伴い浮腫んだり血圧が上がったりする
重大・重篤な副作用
重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。
副作用の名称 | 想定される症状等 |
---|---|
偽アルドステロン症 | 低カリウム血症になる、血圧上昇がみられる、ナトリウムや体液の貯留がみられる、浮腫(むくみ)ができる、体重増加がみられる、手足が痺れ痛む、筋肉が震える・ピクつく、力が入らない等 |
ミオパチー | 手足のしびれ感や痛みがある、足がだるい、低い椅子から立てない、転びやすい、腕が上げ辛い等 |
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。
重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。
その他の副作用
その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。
副作用の部位名称等 | 副作用の名称、症状 |
---|---|
過敏症 | 発疹ができる、蕁麻疹(じんましん)がでる等 |
消化器 | 食欲不振になる、胃部不快感がある、軟便になる、下痢する、便秘になる等 |
釣藤散(チョウトウサン)について
釣藤散は、その名前の由来にもなっている、釣藤鈎を中心として、様々な生薬が配合された漢方薬です。
通常、主成分は以下の素材から精製されています。
・釣藤鈎(チョウトウコウ):アカネ科カギカズラの鈎刺のある茎枝
・石膏(セッコウ):天然の含水硫酸カルシウム
・茯苓(ブクリョウ):サルノコシカケ科マツホドの菌核
・半夏(ハンゲ):サトイモ科のカラスビシャクの塊茎を乾燥させたもの
・防風(ボウフウ):セリ科ボウフウの根を乾燥させたもの。
・菊花(キッカ):キク科キクの花の部分を乾燥させたもの
・人参(ニンジン):ウコギ科のオタネニンジンの根をそのまま、または湯通しして乾燥させたもの
・麦門冬(バクモンドウ):ユリ科のジャノヒゲの根の肥大部を乾燥させたもの
・陳皮(チンピ):ミカン科のウンシュウミカンなどの成熟果皮を乾燥させたもの
・生姜(ショウキョウ):ショウガ科のショウガの根茎をそのまま乾燥させたもの
・甘草(カンゾウ):マメ科ウラルカンゾウまたはネンキンカンゾウまたは近縁植物の根
持病やアレルギーのある方は、事前に医師とご相談下さい。
基本的に禁忌の方の指定はありません。
以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。
・他の漢方薬を服用している方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・高齢の方
・小児等
併用禁忌のお薬は指定されていません。
以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。
・カンゾウ含有製剤
・グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤