ヘルベッサーによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/06

ヘルベッサーとは

ヘルベッサー(HERBESSER)とは、血圧を下げるためのお薬です。

本剤の主成分は、ジルチアゼム塩酸塩(Diltiazem Hydrochloride)で、血管壁の細胞内にカルシウムが入るのを抑制する作用があります。

この作用により、血管が弛緩し血流がよくなることで血圧が下がる効果が期待されます。

また、心臓の収縮を抑制し、心臓の負担を軽減する作用も期待されます。

適応症は以下の通りです。

・狭心症
・異型狭心症
・本態性高血圧症(軽症~中等症)

副作用も重大なものは少なく、安全性の高いお薬と言われていますので、高血圧の際、最初に利用されるお薬の1つになっています。

本剤は、田辺三菱製薬株式会社により製造販売されています。

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主な副作用

ヘルベッサーの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。

・胃部不快感がある
・便秘になる
・腹痛がする
・眩暈(めまい)がする
・徐脈になる
・顔面潮紅がみられる
・房室ブロックがみられる
・過敏症になる
・頭痛がする

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
完全房室ブロック 徐脈になる、脈が遅く不規則になる、失神発作が起こる、心不全になる等
高度徐脈 眩暈(めまい)がする、ふらつく、失神する、倦怠感がある、息切れする等
うっ血性心不全 心臓の収縮力が低下する、血液送出量が低下する、心臓や肺等の静脈がうっ血する、動悸がする、息切れする、就寝中に咳がでる、呼吸困難になる等
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群) 高熱、陰部の痛み、関節の痛み、ひどい口内炎、唇や口内のただれ、発熱、皮膚がまだら模様に赤くなる、皮膚に水脹れが出る(各種皮膚障害)、中央にむくみをともなった赤い斑点、赤い発疹、まぶたや眼の充血、結膜のただれ、食欲不振、からだがだるい等
中毒性表皮壊死症(Lyell症候群もしくはToxic Epidermal Necrolysis:TEN) 皮膚が赤くなる、皮膚が焼けるように痛む、皮膚に水脹れが出る(各種皮膚障害)、発熱する、口内が荒れる等
紅皮症(剥脱性皮膚炎) 39度から40度の高熱がでる、顔に発疹ができる、全身の皮膚が赤くなる、皮膚のカスがよく落ちる等
急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP) 高熱がでる(38℃以上)、皮膚の広い範囲が赤くなる、赤くなった皮ふ上に小さな白いブツブツ(小膿疱)が出る、全身がだるい、食欲がない等
肝機能障害 倦怠感の増大がみられる、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い状態、黄疸がみられる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する、劇症肝炎になる等

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
循環器 徐脈になる、房室ブロックがみられる、顔面潮紅がみられる、眩暈(めまい)がする、洞停止がみられる、血圧低下がみられる、動悸がする、胸痛がする、浮腫ができる、洞房ブロックがみられる
精神神経系 倦怠感がある、頭痛がする、頭重感がある、こむらがえりがみられる、脱力感がある、眠気がする、不眠になる、パーキンソン様症状がみられる
肝臓 AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、黄疸がでる、Al-P値が上昇する、LDH値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、肝腫大がみられる
過敏症 発疹ができる、そう痒がみられる、多形性紅斑様皮疹がみられる、蕁麻疹(じんましん)がでる、光線過敏症になる、膿疱がみられる
消化器 胃部不快感がある、便秘になる、腹痛がする、胸やけがする、食欲不振になる、嘔気がある、軟便がでる、下痢する、口が渇く
血液 血小板が減少する、白血球が減少する
その他 歯肉肥厚がみられる、女性化乳房がみられる、痺れる(しびれる)
過量投与 徐脈がみられる、完全房室ブロックがみられる、心不全になる、低血圧等があらわれる場合がある

 

ヘルベッサーについて

本剤は通常、「カルシウム拮抗薬」と呼ばれているカテゴリーに入るお薬です。

持病やアレルギーのある方は事前に医師とご相談ください。

妊婦の方や妊娠していると思われる方、及び、授乳婦の方も医師とご相談ください。

アルコール(飲酒)は控えてください。

血圧が低下し、眩暈を引き起こす場合があるため、車の運転や危険を伴う作用等は控えてください。

尚、本剤は対症療法薬です。症状の原因を根本的に治療するお薬ではありません。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・重篤なうっ血性心不全の方
・2度以上の房室ブロックのある方
・洞不全症候群(持続性の洞性徐脈(50拍/分未満)、洞停止、洞房ブロック等)のある方
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・うっ血性心不全の方
・高度の徐脈(50拍/分未満)のある方
・1度の房室ブロックのある方
・過度に血圧の低い方
・重篤な肝機能障害のある方
・重篤な腎機能障害のある方
・高齢の方
・授乳婦の方
・小児等

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。

・降圧作用を有する薬剤
  ・降圧剤
  ・硝酸剤等
・β遮断剤
  ・ビソプロロールフマル酸塩
  ・プロプラノロール塩酸塩
  ・アテノロール等
・ラウオルフィア製剤
  ・レセルピン等
・ジギタリス製剤
  ・ジゴキシン
  ・メチルジゴキシン
・抗不整脈薬
  ・アミオダロン塩酸塩
  ・メキシレチン塩酸塩等
・フィンゴリモド塩酸塩
・アプリンジン塩酸塩
・ジヒドロピリジン系Ca拮抗剤
  ・ニフェジピン
  ・アムロジピンベシル酸塩等
・シンバスタチン
・トリアゾラム
・ミダゾラム
・カルバマゼピン
・セレギリン塩酸塩
・シロスタゾール
・アピキサバン
・ビノレルビン酒石酸塩
・シクロスポリン
・タクロリムス水和物
・フェニトイン
・シメチジン
・HIVプロテアーゼ阻害剤
  ・リトナビル
  ・サキナビルメシル酸塩等
・リファンピシン
・麻酔剤
  ・ソフルラン
  ・エンフルラン
  ・ハロタン等
・筋弛緩剤
  ・パンクロニウム臭化物
  ・ベクロニウム臭化物等

 

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