ミグシスによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/09

ミグシスとは

ミグシス(Migsis)とは、片頭痛を予防するためのお薬です。

慢性的な頻度の多い重症の片頭痛に利用されます。

本剤の主成分は、塩酸ロメリジン(lomerizine hydrochloride)で、血管壁の細胞へカルシウムが入るのをブロックする作用があります。

この作用により、血管の収縮を抑制するため、結果として片頭痛の発現を予防する効果が期待されます。

尚、この作用は、脳血管に選択的に作用するため、通常は血圧が低下することもありません。

適応症は以下の通りです。

・片頭痛

また、以下の症状にも利用される場合があります。

・筋収縮性頭痛

本剤は、日本で初めて片頭痛の適応症のお薬です。

予防効果により、発作の発現回数が減少し、目がチカチカする等の前駆症状が軽減され、発作に伴う治療薬を減らすことができます。

本剤は、ファイザー株式会社により、製造販売されています。

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主な副作用

ミグシスの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。

・ALT(GPT)値が上昇する
・眠気がする
・眩暈(めまい)がする
・AST(GOT)値が上昇する
・悪心がみられる

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
抑うつ 倦怠感がある、頭痛がする、腰痛がある、肩こりがみられる、体の節々の痛みがある、食欲不振になる、胃の痛みがある、下痢する、便秘になる、発汗する、息苦しさがある等

 

類薬での重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

類薬での重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
錐体外路症状 パーキンソン症候群がみられる(振戦がみられる、筋強剛がみられる、流涎がみられる、寡動がみられる、歩行障害がみられる、仮面様顔貌がみられる、嚥下障害がみられる等)、アカシジアがみられる(静坐不能)、ジスキネジアがみられる(口周部、四肢等の不随意運動等)、ジストニアがみられる(痙れん性斜頸、顔面・喉頭・頸部のれん縮、後弓反張、眼球上転発作等)

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
精神神経系 眠気がする、眩暈(めまい)がする、ふらつく、頭痛がする、頭がボーッとする、頭重がみられる
消化器 悪心がある、下痢する、食欲不振になる、心窩部痛がある、軟便がでる、腹痛になる、腹部不快感がある、便秘になる、嘔吐する、口腔粘膜浮腫ができる、胃腸障害がみられる、口唇粘膜浮腫ができる、口内炎ができる
肝臓 ALT(GPT)値が上昇する、AST(GOT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、Al-P値が上昇する、LDH値が上昇する
過敏症 発疹ができる
循環器 動悸がする、血圧が低下する
泌尿器 排尿障害がみられる、頻尿になる
その他 けん怠感がある、気分不良になる、ほてり感がある、悪寒がする、浮腫ができる、胸痛がある、乳頭腫大がみられる、背部つっぱり感がある、発汗する、発熱する

 

ミグシスについて

本剤は、上記でも記載した通り、発作初期の脳の血管が収縮するのを抑制することにより、片頭痛の発現を防止します。

しかし、既に発生した片頭痛を改善する作用はありません。あくまでも予防薬です。

持病やアレルギーのある方は事前に医師とご相談ください。

尚、本剤は、脳血管に選択的に作用する「カルシウム拮抗薬」ですが、高血圧用のお薬と同時に服用した場合、降圧作用が増強される場合がありますので、注意が必要です。

眠気や眩暈(めまい)が発現する場合がありますので、車の運転や危険を伴う作用等は控えてください。

片頭痛のある方は、普段の生活でも過労を避け、十分な睡眠が必要です。

また、個人差もありますが、チーズや赤ワイン、ビール、チョコ等チラミンを含有している食品は、片頭痛のきっかけになる場合がありますので、控えた方が賢明です。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
・頭蓋内出血、又は、その疑いのある方
・脳梗塞急性期の方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・重篤な肝機能障害のある方
・QT延長の疑われる方
・パーキンソニズムの方
・うつ状態、又は、その既往のある方
・高齢の方
・授乳婦の方
・小児等

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。

・降圧剤

 

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