ツルバダによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/05

ツルバダとは

ツルバダ(Truvada)とは、エイズ(HIV)ウィルスの増殖を抑制するためのお薬です。

エイズ(後天性免疫不全症候群)の治療に利用されています。

本剤の主成分は、エムトリシタビン(Emtricitabine)と、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(Tenofovir Disoproxil Fumarate)で、2つの成分の配合錠になっています。

エイズウィルスのRNAをDNAへ逆転写する酵素の働きをブロックする作用があります。

この作用により、エイズウィルスは、遺伝子の複製が出来ず、ウィルスの増殖を抑制する作用が期待されます。

適応症は以下の通りです。

・HIV-1感染症

但し、本剤は、エイズウィルスの発症・進行を遅らせる効果はありますが、完全になくすことはできません。

そのため、生涯、エイズの治療を行う必要があります。

本剤は、日本たばこ産業株式会社、鳥居薬品株式会社により製造販売されています。

スポンサーリンク

主な副作用

ツルバダの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。

・悪心がある
・下痢する
・疲労する
・血中アミラーゼが増加する
・CK(CPK)値が増加する
・血中トリグリセリド値が増加する

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
腎不全又は重度の腎機能障害 腎機能不全がみられる、腎不全がみられる、急性腎不全がみられる、近位腎尿細管機能障害がみられる、ファンコニー症候群になる、急性腎尿細管壊死がみられる、腎性尿崩症又は腎炎等の重度の腎機能障害がみられる、臨床検査値の異常がみられる等。特に腎機能障害の既往のある方や腎毒性のある薬剤を利用中の方は注意が必要
腎不全 むくみがある、尿が出にくい、尿毒症になる、クレアチニン値が上昇する等
急性腎不全 尿量が減少する、尿が赤みがかる、眼がはれぼったい、疲れやすい、からだがだるい、腹痛がある、吐き気がある、下痢する、脱力感がある、関節が痛む、頭痛がする、顔や手足が浮腫む、息苦しい、意識が低下する等
近位腎尿細管機能障害 腎性糖尿がみられる、シスチン尿症がみられる、腎結石ができる、尿がアルカリ化する、Fanconi症候群がみられる、特発性尿細管性蛋白尿(先天性近位尿細管機能異常症)になる、軽度の腎石灰化をみる場合あり、腎性低尿酸血症がみられる、高Ca血症になる等
ファンコニー症候群 喉が渇く、尿が増加する、発熱する、吐き気がする、食欲不振になる、倦怠感がある、低リン酸血症性くる病になる、低カリウム血症になる、多飲になる等
急性腎尿細管壊死(ATN) 通常無症候性、乏尿がみられる、血清クレアチニン値が上昇する等
腎性尿崩症 全身がだるい、喉が渇く、多飲になる、頻尿(多尿)になる、電解質濃度の異常がみられる
腎炎 自覚症状なし、蛋白尿がでる、赤血球がでる、血尿がでる、手足がむくむ、目の瞼がむくむ、おしっこがでなくなく、一時的に高血圧になる等
膵炎 胃周辺が急に激しく痛む、吐き気がする、背中の痛みがある、嘔吐(おうと)する、血中アミラーゼ値が上昇する、リパーゼ値が上昇する、血中トリグリセリド値が上昇する等
乳酸アシドーシス 悪心がある、嘔吐する、腹痛がする、下痢する、倦怠感がある、筋肉痛がある、過呼吸になる等

上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
胃腸障害 悪心がある、下痢する、嘔吐する、鼓腸がでる、腹部膨満がみられる、口内乾燥がみられる、腹痛がある、上腹部痛がある、消化不良になる、便秘になる、胃炎になる、胃腸障害がみられる、口臭がする、アフタ性口内炎ができる、おくびがでる
全身障害及び投与局所様態 疲労する、発熱する、ほてる、無力症になる、疼痛がする、けん怠感がある、悪寒がする、胸痛がする、末梢性浮腫ができる
神経系障害 頭痛がする、浮動性眩暈(めまい)がする、不眠症になる、傾眠がみられる、錯感覚がみられる、異常な夢をみる、ニューロパチーがみられる、末梢性ニューロパチーがみられる、前庭障害がみられる、思考異常がみられる、味覚異常になる、振戦(しんせん)がみられる
精神障害 うつ病になる、神経過敏になる、不安になる、リビドー減退がみられる、睡眠障害がみられる、感情不安定になる
皮膚及び皮下組織障害 皮膚色素過剰になる、発疹ができる、そう痒症になる、皮膚変色がみられる、多汗症になる、皮膚乾燥がみられる、脱毛症になる、湿疹ができる、ざ瘡がみられる、脂漏がみられる、帯状疱疹ができる、単純ヘルペスがみられる、皮膚良性新生物ができる
代謝及び栄養障害 食欲不振になる、食欲亢進になる、食欲減退になる、高脂血症になる、後天性リポジストロフィーになる、体重減少がみられる、高コレステロール血症になる、高血糖になる、低リン酸血症になる、低カリウム血症になる
肝胆道系障害 脂肪肝になる、肝炎になる、肝機能異常がみられる
筋骨格系及び結合組織障害 筋痛がする、関節痛になる、骨障害がみられる、背部痛がある、側腹部痛がある、筋痙攣(けいれん)する、骨軟化症になる、ミオパチーがみられる
呼吸器,胸郭及び縦隔障害 気管支炎になる、鼻炎になる、呼吸困難になる、咽頭炎になる
臨床検査 血中アミラーゼ値が増加する、CK(CPK)値が増加する、血中トリグリセリド値が増加する、AST(GOT)値が増加する、好中球数が減少する、ALT(GPT)値が増加する、血尿がでる、Al-P値が増加する、血中ブドウ糖値が増加する、尿糖がでる、リパーゼ値が増加する、血中ビリルビン値が増加する、血中リン値が減少する、血小板数が減少する、蛋白尿がでる、血中クレアチニン値が増加する、γ-GTP値が増加する
その他 白血球減少症になる、血管拡張がみられる、感染する、頻尿になる、インフルエンザ症候群になる、視覚異常がみられる、多尿になる、アレルギー反応がみられる
過量投与 症状は認められていない

 

ツルバダについて

本剤は、その作用から、「逆転写酵素阻害薬」と呼ばれています。

持病やアレルギーのある方は事前に医師とご相談ください。

本剤は単剤で利用するだけではなく、作用機序の異なる他剤との併用でも利用されています。

小さくても身体の異常を感じた場合には、速やかに医師とご相談ください。

決められた用法・用量を守り、キチンと服用する様にしてください。

B型慢性肝炎の方は、本剤の利用を中止すると、再燃し重症化する場合がありますので注意が必要です。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・腎障害のある方
・高齢の方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・授乳婦の方
・小児等

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。

・ジダノシン
・アタザナビル硫酸塩
・ロピナビル
・リトナビル
・アシクロビル
・バラシクロビル
・ガンシクロビル
・バルガンシクロビル等

 

シェアありがとうございます

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
PAGE TOP ↑