クラリチンによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/12

クラリチンとは

クラリチン(CLARITIN)とは、花粉症等のアレルギー症状を抑えるお薬です。

主成分のロラタジン(Loratadine)は、抗ヒスタミン薬の部類に属し、ヒスタミン受容体(H1受容体)をブロックする作用により、様々なアレルギー症状を改善させる働きがあります。

クラリチンの適応症は、以下の通りです。

・アレルギー性鼻炎
・蕁麻疹(じんましん)
・皮膚疾患(湿疹、皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒

1回の服用で長時間効果が継続するため、1日1回の服用で済み、眠気等の副作用が少ないと言われているお薬です。

比較的速く効果が出るお薬で、飲んでから30分から1時間程度で効果があると言われています。

鼻水やくしゃみに対する効果が高く、アトピー性皮膚炎に関しては、痒み(かゆみ)を軽減する効果もあると言われています。

但し、本剤は、対症療法薬です。アレルギーを根本から治すお薬ではありません。

クラリチンは、MSD株式会社により製造され、同社と塩野義製薬株式会社により発売されています。

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主な副作用

クラリチンの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。

・眠気がする
・倦怠感がある
・腹痛がする
・口が渇く
・嘔気がする
・嘔吐する
・ALT(GPT)値が上昇する
・AST(GOT)値が上昇する

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
ショック 血圧低下に伴い失神する、意識が消失する、チアノーゼがみられる、呼吸困難になる、胸内苦悶がある、冷感がある、嘔吐する、顔が赤くなる、痒みがある、蕁麻疹(じんましん)がでる、痺れ(しびれ)がある、動悸がする、息切れする等
てんかん発作 筋肉が突っ張る、痙攣(けいれん)する、唾液が泡の様に出る、筋肉がぴくぴくする、上半身がクッと折れる(1日何回も繰り返す)、頭痛がする、吐き気がする、腹痛になる等
肝機能障害 倦怠感が増大する、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い状態、黄疸がでる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、総ビリルビン値等が上昇する等
黄疸 嘔気がある、嘔吐する、食欲不振になる、倦怠感がある、そう痒がある等、皮膚や白目が黄色くなる、下痢する、全身の脱力感がある、38度から39度の発熱がある、ブツブツ状の発疹がでる等

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
精神神経系 眠気がする、倦怠感がある、眩暈(めまい)がする、頭痛がする
呼吸器 咽頭痛になる、鼻の乾燥感がある
消化器 腹痛がする、口が渇く、嘔気がある、嘔吐する、下痢する、便秘する、口唇が乾燥する、胃炎になる
過敏症 発疹がでる等
皮膚 脱毛になる
肝臓 AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、ビリルビン値が上昇する、Al-P値が上昇する、γ-GTP値が上昇する
腎臓 蛋白尿がでる、BUN値が上昇する
循環器 動悸がする、頻脈になる
血液 好酸球が増多する、白血球が減少する、好中球が減少する、単球が増多する、リンパ球が減少する、白血球が増多する、リンパ球が増多する、ヘマトクリット値が減少する、ヘモグロビンが減少する、好塩基球が増多する、血小板が減少する
その他 尿糖がでる、眼球が乾燥する、耳鳴がする、ほてりがある、浮腫(顔面・四肢)ができる、味覚障害になる
過量投与 眠気がする、頻脈になる、頭痛がする

 

クラリチンについて

本剤は、副作用が少なく、特に眠気が少ないのが特徴です。

海外からの報告では、本剤とプラセボにより、空軍や民間航空会社のパイロットに対して、フライトシミュレーションによるパイロットの航空機操作能力を比較した所、有意な差が見られなかったと言われています。

本剤は、世界中で利用されており、妊婦に対しても安全といわれています。

本剤を、花粉症に利用する場合には、飛散前から予防的に利用を開始し、飛散終了するまで継続するのが理想です。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・本剤の成分に対して、過敏症の既往歴のある方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・肝障害のある方
・腎障害のある方
・高齢の方
・薬物過敏症の方
・てんかん等の痙攣性(けいれんせい)疾患の方
・妊娠中または妊娠している可能性のある方
・授乳中の方

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり注意が必要なので、医師とご相談ください。

・エリスロマイシン
・シメチジン

 

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