シングレアによる副作用
シングレアとは
シングレア(SINGULAIR)とは、抗アレルギー薬です。
主成分の、モンテルカストナトリウム(Montelukast Sodium)は、抗ロイコトリエン薬で、ロイコトリエンの受容体と拮抗することにより、ロイコトリエンの産生を抑制する作用があります。
結果として、気道の過敏性の亢進が抑制されるため、喘息発作が発現し辛くなります。
また、鼻粘膜で発現する鼻水や鼻づまりにも効果が期待されます。
適応症は、以下の通りです。
・気管支喘息
・アレルギー性鼻炎
さらに、医師の応用により、以下の様な症状にも利用されることがあります。
・子宮内膜症
又、系列が別の抗アレルギー薬との併用が可能なので、抗ヒスタミン薬を併用する場合もあります。
シングレアは、MSD株式会社により、製造販売されています。
尚、本剤は、一般市販薬としても、販売されております。
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主な副作用
シングレアの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。
(気管支喘息に利用した場合)
・下痢する
・肝機能異常がみられる
・LDHが増加する
・Al-P値が上昇する
・発疹ができる
・腹痛になる
・そう痒症になる
・嘔気がある
・胸やけがする
・頭痛がする
・ALT(GPT)値が上昇する
・γ-GTP値が上昇する等
(アレルギー性鼻炎に利用した場合)
・口が渇く
・傾眠がみられる
・胃不快感がある
・頭痛がする
・下痢する
・倦怠感がある
・ALT(GPT)値が上昇する
・白血球数が増加する
・尿潜血がみられる
・全身性そう痒症がみられる等
重大・重篤な副作用
重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。
副作用の名称 | 想定される症状等 |
---|---|
アナフィラキシー様症状 | 紅斑がみられる、悪寒がする、口腔咽頭浮腫ができる、口内の違和感がある、かゆみがある、くしゃみをする、顔面紅潮がみられる、熱感がある、吐き気がする、嘔吐する、尿意がある、便意がある、そう痒感がある、全身発赤がみられる、顔面や喉頭に浮腫ができる、呼吸困難になる、血圧が低下する、喘鳴(ぜんめい)がきこえる、血管浮腫ができる、不快感がある、眩暈(めまい)がする、耳鳴がする、発汗する等 |
血管浮腫 | 呼吸が苦しい、会話が不自由、顔面・口唇・咽頭・舌の腫脹がみられる等 |
劇症肝炎 | 白眼や皮膚が黄色くなる、発熱する、吐き気がする、全身がだるい、AST(GOT)値が著しく上昇する、ALT(GPT)値が著しく上昇する、γ-GTP値が著しく上昇する、Al-P値が著しく上昇する等 |
肝炎 | 白目や皮膚が黄色くなる、高熱がでる、倦怠感が増大する、黄色い尿がでる、淡黄色の便がでる等 |
肝機能障害 | 倦怠感が増大する、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い状態、黄疸がでる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する等 |
黄疸 | 嘔気がある、嘔吐する、食欲不振になる、倦怠感がある、そう痒等がみられる、皮膚や白目が黄色くなる、下痢する、全身の脱力感がある、38度から39度の発熱がある、ブツブツ状の発疹ができる等 |
中毒性表皮壊死融解症(Toxic EpidermalNecrolysis:TEN) | からだがだるい、関節の痛みがある、皮膚が焼けるように痛む、全身の赤い斑点と破れやすい水ぶくれ(水疱)ができる、発熱する、食欲不振になる、口内が荒れる等 |
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群) | 高熱がでる、陰部の痛みがある、関節の痛みがある、ひどい口内炎ができる、唇や口内にただれができる、発熱する、皮膚がまだら模様に赤くなる、皮膚に水脹れが出る(各種皮膚障害)、中央にむくみをともなった赤い斑点ができる、赤い発疹ができる、まぶたや眼の充血がある、結膜のただれがある、食欲不振になる、からだがだるい等 |
多形紅斑(たけいこうはん) | 手の甲・足の甲・肘・膝などの四肢伸側に左右対称に多発する円形の紅斑ができる、発熱する、痛みがある等 |
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。
重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。
その他の副作用
その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。
副作用の部位名称等 | 副作用の名称、症状 |
---|---|
過敏症 | そう痒がある、蕁麻疹(じんましん)がでる、肝臓の好酸球浸潤がみられる、皮疹ができる |
精神神経系 | 異夢がみられる、易刺激性がみられる、情緒不安になる、痙攣(けいれん)する、不眠になる、幻覚がみえる、眩暈(めまい)がする、感覚異常(しびれ等)がみられる、激越する、振戦がみられる、夢遊症になる、失見当識がみられる、頭痛がする、傾眠がみられる |
消化器系 | 消化不良になる、口内炎ができる、下痢する、腹痛になる、胃不快感がある、胸やけがする、嘔気がある、嘔吐する、便秘になる |
肝臓 | 肝機能異常がみられる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、Al-P値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する |
筋骨格系 | 筋痙攣を含む筋痛がみられる、関節痛がある |
その他 | 出血傾向(鼻出血、紫斑等)がある、挫傷ができる、動悸がする、頻尿になる、発熱する、脱力する、疲労がある、脱毛がみられる、口が渇く、尿潜血がみられる、血尿がでる、尿糖がでる、浮腫ができる、倦怠感がある、白血球数が増加する、尿蛋白がでる、トリグリセリド値が上昇する |
シングレアについて
持病やアレルギーのある方は、事前に医師とご相談下さい。
本剤は、既に発現している喘息発作等を止めるお薬ではありません。
そのため、喘息発作等を止める際には、別の気管支拡張剤等を利用してください。
本剤を利用された方で、因果関係は不明ですが、自殺念慮が1件報告されておりますので、念のため注意が必要です。
花粉症に利用する際には、花粉飛散開始前から利用すると効果が高まります。
長期間に渡り利用する場合には、肝機能等を確認するためにも、尿や血液の検査を定期的に受ける必要があります。
以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。
・本剤の成分に対して、過敏症の既往歴のある方
以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。
・高齢の方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・授乳婦の方
以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、医師とご相談ください。
・フェノバルビタール