フェマーラによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/11

フェマーラとは

フェマーラ(Femara)とは、乳癌(にゅうがん)の治療で利用するお薬です。

乳癌は、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)が刺激となり増大すると言われています。

本剤の主成分である、レトロゾール(Letrozole)は、エストロゲンへ転化するために必要な酵素(アロマターゼ)を阻害することにより、閉経後のエストロゲン生成を抑制します。(非ステロイド性アロマターゼ阻害薬)

閉経後に活発化する副腎からのエストロゲン産生を抑制し、ホルモン療法(内分泌療法)として利用されます。

適応症は、以下の通りです。

・閉経後乳癌

進行中の乳癌の治療に利用する以外にも、手術後の再発を予防するため、補助療法としても利用されます。

特に、ホルモン反応性の高い、女性ホルモン受容体陽性の乳癌には、有効率が高いとの報告があります。

本剤は、ノバルティス ファーマ株式会社により、製造販売されています。

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主な副作用

フェマーラの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。

・ほてりがある
・頭痛がする
・関節痛がある
・悪心がある
・発疹ができる
・そう痒症になる
・浮動性眩暈(めまい)がする

主な臨床検査値の異常は、以下の通りです。

・血中コレステロール値が増加する
・ALT(GPT)値が増加する
・ALP値が増加する
・γ-GTP値が増加する
・AST(GOT)値が増加する

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重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
血栓症 手足が麻痺(まひ)する、手足が痺れる(しびれる)、しゃべりにくい、胸の痛みがある、呼吸困難になる、片方の足の急激な痛みや腫れがみられる等
塞栓症 肺塞栓症がみられる、脳梗塞になる、心筋梗塞になる、呼吸困難になる、胸痛がする、動悸がする、冷汗がでる、チアノーゼがみられる、静脈怒脹がみられる、血圧が低下する、意識消失がみられる、心肺停止になる等
心不全 息苦しい、むくみがある、頻尿になる、起座呼吸(起き上がって深く急な呼吸)をする、疲労感がある、体力が低下する、眠気がある、錯乱する、見当識障害がみられる、足、足首、脚、肝臓、腹部に体液がたまり腫れたり浮腫み(むくみ)が出る、吐き気がする、食欲不振になる、息切れする、あえぐ、喘鳴(ぜんめい)がみられる等
狭心症 30分程度以内の胸の広い範囲の痛みがある、息が詰まる様な痛みがある、圧迫される様な痛みがある、運動・坂道・階段・重い荷物を持つ等、運動量の増加に伴う胸の痛みがある等
肝機能障害 倦怠感が増大する、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い状態、黄疸がみられる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する等
黄疸 嘔気がある、嘔吐する、食欲不振になる、倦怠感がある、そう痒等がみられる、皮膚や白目が黄色くなる、下痢する、全身の脱力感がある、38度から39度の発熱がある、ブツブツ状の発疹ができる等
中毒性表皮壊死症(Lyell症候群もしくはToxic Epidermal Necrolysis:TEN) 皮膚が赤くなる、皮膚が焼けるように痛む、皮膚に水脹れが出る(各種皮膚障害)、発熱する、口内が荒れる等
多形紅斑(たけいこうはん) 手の甲・足の甲・肘・膝などの四肢伸側に左右対称に多発する円形の紅斑ができる、発熱する、痛みがある等

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
血液系障害 白血球数が減少する、血小板が増加する、白血球分画異常がみられる、単球数が減少する、好塩基球数が増加する、リンパ球数が減少する
代謝及び栄養障害 食欲亢進がみられる、体重が減少する、血中コレステロール値が増加する、高カルシウム血症になる、食欲不振になる、体重が増加する、血中クロール値が増加する、血中コレステロール値が減少する、血中カリウム値が減少する、低蛋白血症になる、アルブミン・グロブリン比が減少する
精神障害 うつ病になる、不安になる、不眠症になる、易興奮性がみられる
神経系障害 記憶障害になる、異常感覚がある、頭痛がする、浮動性眩暈(めまい)がする、注意力障害がみられる、傾眠がみられる、しびれ感がある、味覚障害がある
眼障害 白内障になる、眼刺激がある、霧視になる
耳及び迷路障害 耳鳴がする
心臓障害 頻脈になる、動悸がする
血管障害 火照り(ほてり)がある、高血圧になる、低血圧になる、潮紅がみられる
呼吸器系障害 呼吸困難になる、喉頭痛がある
胃腸障害 下痢する、悪心がある、嘔吐する、消化不良になる、腹痛がする、便秘になる、腹部膨満がある、上腹部痛がある、軟便になる、歯痛がある、口内炎ができる
肝・胆道系障害 AST(GOT)値が増加する、ALT(GPT)値が増加する、ALP値が増加する、γ-GTP値が増加する、LDH値が増加する、血中ビリルビン値が増加する
皮膚障害 皮膚が乾燥する、蕁麻疹(じんましん)がでる、そう痒症になる、発疹ができる、多汗になる、冷汗がでる、局所性表皮剥脱がみられる、湿疹ができる、脱毛症になる
筋骨格系障害 骨痛がある、骨折する、骨粗鬆症になる、関節痛になる、筋痛がある、関節が硬直する、背部痛がある、関節炎になる
腎及び尿路障害 頻尿になる、尿路感染がみられる、尿蛋白が陽性である、BUN値が増加する
生殖系及び乳房障害 膣乾燥がみられる、乳房痛がある、膣出血がみられる、膣分泌物がみられる
全身障害 発熱する、粘膜が乾燥する、腫瘍疼痛がある、疲労する、けん怠感がある、口が渇く、熱感がある、脱力する、上肢に浮腫ができる、全身に浮腫ができる
過量投与 重篤な有害事象は特に報告ありません

 

フェマーラについて

持病やアレルギーのある方は、事前に医師とご相談ください。

本剤利用中には、疲労や眩暈(めまい)等が発現する場合があるため、車の運転や危険を伴う作業等は、控えてください。

本剤の利用に伴い、骨粗鬆症や骨折が発現しやすくなるため、定期的に骨密度等の検査を受ける必要があります。

フェマーラは、特に、ホルモン受容体陽性の閉経後早期乳癌に対し、術後補助療法の初期治療として使用した場合、タモキシフェンとの比較で、再発率(転移も含む)が低下しているとの報告があります。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・授乳婦の方
・本剤の成分に対して、過敏症の既往歴のある方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・重度の肝機能障害のある方
・重度の腎障害のある方

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、医師とご相談ください。

・CYP2A6を阻害する薬剤
  ・メトキサレン等
・CYP3A4を阻害する薬剤
  ・アゾール系抗真菌剤等
・CYP3A4を誘導する薬剤
  ・タモキシフェン
  ・リファンピシン等

 

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