リュープリンによる副作用

公開日: 

リュープリンとは

リュープリン(LEUPLIN)とは、抗がん剤です。

主に、子宮筋腫、子宮内膜症、前立腺がん等の治療に利用されます。

主成分のリュープロレリン酢酸塩(Leuprorelin Acetate)は、性腺刺激ホルモンの分泌を抑制する作用があります。

この作用により、ホルモン依存性の癌を抑制する働きがあると言われています。

尚、本剤は、癌の根本的な治療を行う薬ではなく、症状の緩和や進行を鈍化させる対症療法薬です。

本剤の成分は、消化器官で分解される割合が高いため、通常注射で投与します。

適応症は以下の通りです。

・子宮内膜症
・過多月経、下腹痛、腰痛及び貧血等を伴う子宮筋腫における筋腫核の縮小及び症状の改善
・閉経前乳癌
・前立腺癌
・中枢性思春期早発症

リュープリンは、武田薬品工業株式会社により製造販売されています。

スポンサーリンク

主な副作用

リュープリンの主な副作用は、以下の通りです。

・火照る(ホットフラッシュ)
・熱感がある
・のぼせる
・肩がこる
・頭痛がする
・不眠になる
・眩暈(めまい)がする
・発汗する
・関節痛がある
・骨疼痛がある
・LDH値が上昇する

重大・重篤な副作用

全効能疾患共通の重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

全効能疾患共通の重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
間質性肺炎 発熱する、咳嗽(がいそう)が聞こえる、呼吸困難になる、胸部X線異常がみられる、好酸球が増多する、動悸がする、息切れする等
アナフィラキシー様症状 紅斑ができる、悪寒がする、口腔咽頭浮腫ができる、口内の違和感がある、かゆみがある、くしゃみをする、顔面紅潮がみられる、熱感がある、吐き気がする、嘔吐する、尿意がある、便意がある、そう痒感がある、全身発赤がみられる、顔面や喉頭に浮腫ができる、呼吸困難になる、血圧が低下する、喘鳴(ぜんめい)がきこえる、血管浮腫ができる、不快感がある、眩暈(めまい)がする、耳鳴がする、発汗する等
肝機能障害 倦怠感の増大がみられる、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い状態、黄疸がみられる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する等
黄疸 嘔気がある、嘔吐する、食欲不振になる、倦怠感がある、そう痒等がある、皮膚や白目が黄色くなる、下痢する、全身の脱力感がある、38度から39度の発熱がある、ブツブツ状の発疹ができる等
糖尿病の発症又は増悪 頻尿になる、多尿になる、喉の渇きがある、口の渇きがある、食欲亢進がみられる、倦怠感がある、目が霞む、血管障害がみられる、神経障害がみられる、感染症等の重大な合併症がみられる等
下垂体卒中 突然の頭痛がある、髄膜刺激症状がある、嘔気がある、嘔吐する、発熱する、意識障害がみられる、視野欠損がみられる、眼筋麻痺がみられる、複視がみられる、眼瞼下垂がみられる、瞳孔散大がみられる、てんかんをおこす、片麻痺がある、鼻出血がある、脳脊髄液の鼻漏がみられる、頸部硬直(動脈瘤の破裂や脳出血と似た症状)がみられる等
心筋梗塞 突然の左前胸部圧迫感がある、狭心痛がある、嘔吐する、吐き気がする、ショック状態になる等
脳梗塞 急な片側手足や顔の麻痺がみられる、痺れる(しびれる)、意識障害がみられる、言語障害がみられる、頭痛がする、視力障害がみられる等
静脈血栓症(肺塞栓症等の血栓塞栓症) 痺れる、皮膚が変色する、血栓より遠位の浮腫ができる、皮膚の炎症がある、血栓性静脈炎になる、呼吸困難になる、胸痛がある、動悸がする、冷汗がでる、チアノーゼがみられる、静脈怒脹がみられる、血圧が低下する、慢性的な息切れがある、足首や脚のむくみがある、脱力感がある、意識が消失する等

 

子宮内膜症、子宮筋腫、閉経前乳癌の場合の重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

子宮内膜症、子宮筋腫、閉経前乳癌の場合の重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
更年期障害様のうつ状態 やる気が出ない、気持ちが沈む、疲れやすい、イライラする、不眠になる、頭重感がある、不安感がある、抑うつになる、苛立ちがある等

 

前立腺癌の場合の重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

前立腺癌の場合の重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
うつ状態 気力がない、イライラする、気分が沈む、何もしたくない等
骨疼痛の一過性増悪 前腕、手、下腿、足等の痛みがある
尿路閉塞 尿が出にくい、尿が細く弱々しい、残尿感がある、急に下腹部が膨れる、下腹部が激しく痛む等
脊髄圧迫 背中の局所的な不快感がある、軽い脱力がある、チクチク刺すような感覚の変化がある、勃起機能不全(インポテンス)になる、重症の筋力低下がみられる、痺れる(しびれる)、尿失禁や尿閉がみられる、腸管コントロールの消失がみられる、麻痺する、帯状の不快感がある
心不全 息苦しい、むくみがでる、頻尿になる、起座呼吸(起き上がって深く急な呼吸をする)がみられる、疲労感がある、体力が低下する、眠気がある、錯乱する、見当識障害がみられる、足、足首、脚、肝臓、腹部に体液がたまり腫れる・むくみが出る、吐き気がする、食欲不振になる、息切れする、あえぐ、喘鳴(ぜんめい)がきこえる等

 

上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

子宮内膜症・子宮筋腫・閉経前乳癌・中枢性思春期早発症の場合のその他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

子宮内膜症・子宮筋腫・閉経前乳癌・中枢性思春期早発症の場合のその他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
低エストロゲン症状 火照る(ホットフラッシュ)、熱感がある、のぼせる、肩がこる、頭痛がする、不眠になる、眩暈(めまい)がする、発汗する、性欲が減退する、冷感がある、視覚障害がある、情緒不安定になる
女性生殖器 不正出血がみられる、腟乾燥がみられる、性交痛がある、腟炎になる、帯下増加がみられる、卵巣過剰刺激症状がある、乳房の疼痛・緊満感・萎縮がみられる
筋・骨格系 関節痛がある、骨疼痛等の疼痛がある、手指等のこわばりがある、腰痛になる、筋肉痛がある、筋痙攣する、骨塩量の低下がみられる、血清リン値が上昇する、高カルシウム血症になる
皮膚 ざ瘡がみられる、皮膚が乾燥する、脱毛がみられる、多毛になる、爪の異常がある
精神神経系 眠気がある、いらいら感がある、記憶力が低下する、注意力が低下する、知覚異常がみられる
過敏症 発疹ができる、そう痒がある
肝臓 AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、AL-P値が上昇する、LDH値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、ビリルビン値が上昇する、黄疸がみられる
消化器 悪心がある、嘔吐する、食欲不振になる、腹痛がある、腹部膨満感がある、下痢する、便秘になる、口内炎ができる、口が渇く
循環器 心悸亢進がみられる、血圧が上昇する
血液 赤血球が増多する、貧血になる、白血球が減少する、血小板が減少する、部分トロンボプラスチン時間延長がみられる
泌尿器系 頻尿になる、排尿困難になる、BUN値が上昇する
投与部位 疼痛になる、硬結がみられる、発赤等の注射部位反応がみられる、膿瘍がみられる
その他 疲労がある、倦怠感がある、脱力感がある、口唇・四肢の痺れ(しびれ)がある、手根管症候群になる、耳鳴がする、難聴になる、胸部不快感がある、浮腫ができる、体重が増加する、下肢痛になる、息苦しさがある、発熱する、総コレステロール値が上昇する、LDLコレステロール値が上昇する、トリグリセライド値が上昇する、高カリウム血症になる、体重が減少する、味覚異常になる、甲状腺機能異常がみられる

 

前立腺癌の場合のその他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

前立腺癌の場合のその他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
肝臓 LDH値が上昇する、黄疸がみられる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、AL-P値が上昇する等
内分泌系 火照る(ホットフラッシュ)、熱感がある、頭痛がする、不眠になる、顔面潮紅がみられる、眩暈(めまい)がする、発汗する、性欲が減退する、勃起障害になる、女性化乳房がみられる、睾丸萎縮がみられ、会陰部不快感がある
筋・骨格系 関節痛がある、骨疼痛がある、肩・腰・四肢等の疼痛がある、歩行困難になる、手指等のこわばりがある、筋肉痛になる、骨塩量の低下がみられる
皮膚 皮膚炎になる、頭部発毛がみられる
泌尿器系 頻尿になる、血尿がでる、BUN値が上昇する
循環器 心電図異常がみられる、心胸比増大がみられる
血液 貧血になる、血小板減少がみられる
消化器 悪心がある、嘔吐する、食欲不振になる、便秘する、下痢する
過敏症 発疹ができる、そう痒がある
投与部位 疼痛になる、硬結がみられる、発赤等の注射部位反応がある、膿瘍がみられる
その他 浮腫ができる、胸部圧迫感がある、悪寒がする、倦怠感がある、口唇や四肢の痺れ(しびれ)がある、体重が増加する、知覚異常になる、難聴になる、耳鳴がする、発熱する、総コレステロール値が上昇する、トリグリセライド値が上昇する、尿酸値が上昇する、高カリウム血症になる、血糖値が上昇する、脱力感がある

 

リュープリンについて

リュープリンは、LH-RH(黄体形成ホルモン放出ホルモン)誘導体です。

リュープリンは、元々避妊薬や不妊治療薬として開発される予定でしたが、前述のホルモンの分泌を抑制する効果が判明し、抗がん剤としての治療薬の開発に切り替えた経緯のあるお薬です。

一度注射すれば通常1ヶ月間、持続的に作用します。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

(子宮内膜症、子宮筋腫、中枢性思春期早発症の場合)
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
・合成LH-RH、LH-RH誘導体に対して過敏症の既往歴のある方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・授乳中の方
・診断のつかない異常性器出血のある方

(閉経前乳癌の場合)
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
・合成LH-RH、LH-RH誘導体に対して過敏症の既往歴のある方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・授乳中の方

(前立腺癌の場合)
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
・合成LH-RH、LH-RH誘導体に対して過敏症の既往歴のある方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

(子宮内膜症、子宮筋腫、閉経前乳癌の場合)
・粘膜下筋腫のある方

(前立腺癌の場合)
・脊髄圧迫のある方、又は、新たに発生する可能性のある方
・尿路閉塞による腎障害を既に呈している方、又は、新たに発生する可能性のある方

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。

(子宮内膜症・子宮筋腫の場合)
・性ホルモン剤
  ・エストラジオール誘導体
  ・エストリオール誘導体
  ・結合型エストロゲン製剤
  ・卵胞ホルモンと黄体ホルモンの合剤
  ・両性混合ホルモン剤等

 

シェアありがとうございます

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
PAGE TOP ↑