テルネリンによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/12

テルネリンとは

テルネリン(Ternelin)とは、神経に作用して筋肉をほぐし、痛みを緩和する筋緊張緩和剤です。筋肉の血行を良くする作用も期待されます。

本剤の主成分は、チザニジン塩酸塩(Tizanidine Hydrochloride)で、主に脊髄に作用し、脳からの筋肉を緊張させる信号を抑制します。

この作用により、筋弛緩作用や疼痛緩和作用が期待されます。

通常、痙性麻痺の様な筋肉が強張る症状や、激しい肩こり、五十肩、腰痛、手や足の強張り、緊張型の頭痛等の症状を緩和するために利用されます。

適応症は以下の通りです。

・下記疾患に伴う筋緊張状態の改善
  ・頸肩腕症候群
  ・腰痛症
・下記疾患に伴う痙性麻痺
  ・脳血管障害
  ・痙性脊髄麻痺
  ・頸部脊椎症
  ・脳性(小児)麻痺
  ・外傷後遺症(脊髄損傷、頭部外傷)
  ・脊髄小脳変性症
  ・多発性硬化症
  ・筋萎縮性側索硬化症

本剤は、ノバルティス ファーマ株式会社により製造販売されています。

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主な副作用

テルネリンの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。

・眠気がする
・口が渇く
・脱力感がする
・けん怠感がある
・めまいがしたり、ふらつきがある
・胃部に不快感がある
・悪心がある
・食欲不振になる
・腹痛がある
・発疹が出る
・ALT(GPT)値が上昇する
・AST(GOT)値が上昇する

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
心不全 疲労感がある、体力が低下する、むくみがでる、息苦しくなる、頻尿になる、起座呼吸(起き上がって深く急な呼吸)をする、見当識障害がある、眠気がある、錯乱する、あえぐ、喘鳴(ぜんめい)が聴こえる、足・足首・肝臓・腹部等に体液がたまって腫れたり浮腫み(むくみ)が出たりする、吐き気がする、食欲不振になる、息切れする等
呼吸障害 喘息発作が出る、喘鳴(ぜんめい)が聞こえる、呼吸困難になる等
急激な血圧低下 フラフラする感じがする、眩暈(めまい)がする、目が霞む(かすむ)、顔面が蒼白になる、冷感がある、ムカムカする、不安がある、動悸がする、さらに血圧低下が進行した場合には失神する、血圧低下がゆっくり進行した場合には目の前が真っ暗になる様な感じがする等
ショック 意識が消失する、チアノーゼが見られる、動悸がする、呼吸困難になる、血圧低下に伴う失神を引き起こす、冷感がある、嘔吐する、顔が赤くなる、胸内苦悶がある、蕁麻疹(じんましん)が出る、痒みがある、しびれが起こる、息切れがする等
黄疸 食欲不振になる、倦怠感がある、嘔気がある、嘔吐する、そう痒がある、ブツブツ状の発疹が出る、皮膚や白目が黄色くなる、38度~39度の発熱が見られる、下痢をする、全身の脱力感がある等
肝機能障害 黄疸がでる、食欲が低下する、常に眠い状態である、倦怠感が増大する、呼吸が困難になる、吐き気がする、総ビリルビン値の上昇、AST(GOT)値の上昇、ALT(GPT)値の上昇、γ-GTP値の上昇等
肝炎 倦怠感が増大する、黄色い尿が出る、白目や皮膚が黄色くなる、高熱が出る、淡黄色の便が出る等

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
精神神経系 眩暈(回転性のめまい、浮動性のめまい)がする、フラつく、錯乱する、幻覚がある、眠気がする、頭重感がある、頭痛がする、構音障害(ろれつがまわらない等)が起こる、知覚異常(シビレを感じる等)がある、不眠になる等
循環器 血圧が低下する、徐脈になる、動悸がする、失神する等
肝臓 AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、ALP値が上昇する等
消化器 口内炎が出来る、舌が荒れる、口中に苦味感がある、口が渇く、流涎(りゅうぜん:よだれ)が出る、胃がもたれる、悪心がある、食欲が不振になる、胃部に不快感がある、腹痛になる、下痢する、便秘になる等
過敏症 発疹が出る、皮膚にそう痒感がある等
その他 脱力感がある、倦怠感(けんたいかん)がある、霧視(むし)がみられる、眼瞼下垂(がんけんかすい)がみられる、浮腫ができる、尿閉になる等
過量投与 めまいがする、縮瞳(しゅくどう:瞳孔が縮む)が起こる、悪心がある、嘔吐する、血圧が低下する、徐脈が起こる、QT延長が起こる、呼吸が窮迫する、不穏になる、傾眠(けいみん:うとうとする)が見られる、昏睡(こんすい:外部からの刺激に反応がない)になる等

 

テルネリンについて

持病やアレルギーのある方は事前に医師とご相談ください。

特に肝臓や腎臓の良くない方は医師との相談が必要です。

アルコール(飲酒)やタバコ(喫煙)は、控えて下さい。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
・フルボキサミン又はシプロフロキサシンを投与中の方
・重篤な肝障害のある方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・肝障害のある方
・腎障害のある方
・高齢の方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・授乳婦の方
・小児等

以下の薬剤等との併用は、基本的に禁忌です。ご利用されている方は、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。

・フルボキサミン
  ・ルボックス
  ・デプロメール
シプロフロキサシン
  ・シプロキサン等

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。

・降圧剤
  ・降圧利尿剤等
・中枢神経抑制剤
・アルコール
・抗不整脈剤
  ・アミオダロン
  ・メキシレチン
  ・プロパフェノン
・シメチジン
・ニューキノロン系抗菌剤
  ・エノキサシン
  ・ノルフロキサシン
・黄体・卵胞ホルモン剤
  ・経口避妊薬
・チクロピジン
・CYP1A2を誘導する薬剤
  ・リファンピシン
  ・喫煙等

 

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