ミノマイシンによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/12

ミノマイシンとは

ミノマイシン(MINOMYCIN)とは、抗生物質です。細菌を殺菌するお薬です。

細菌を原因とする、様々な感染症の治療に利用されます。

主成分は、テトラサイクリン系抗生物質のミノサイクリン塩酸塩(Minocycline Hydrochloride)で、細菌が蛋白質を合成するのを阻害することにより、原因菌の増殖を抑制します。

本剤は、様々な細菌に効果があるため、各科各部位に広く利用されています。

本剤は、ペニシリン系やセフェム系の抗生剤で効果が得られない、クラミジア、マイコプラズマ、リケッチア等にも利用されます。

また、マラリア原虫やニキビ菌にも効果があります。

さらに感染症とは別に、応用例として、リウマチやパーキンソン病等の治療にも利用される場合があります。

適用菌種は、以下の通り。

・ミノサイクリンに感性のブドウ球菌属
・レンサ球菌属
・肺炎球菌
・腸球菌属
・淋菌
・炭疽菌
・大腸菌
・赤痢菌
・シトロバクター属
・クレブシエラ属
・エンテロバクター属
・プロテウス属
・モルガネラ・モルガニー
・プロビデンシア属
・緑膿菌
・梅毒トレポネーマ
・リケッチア属(オリエンチア・ツツガムシ)
・クラミジア属
・肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)

適応症は、以下の通りです。

・表在性皮膚感染症
・深在性皮膚感染症
・リンパ管・リンパ節炎
・慢性膿皮症
・外傷・熱傷及び手術創等の二次感染
・乳腺炎
・骨髄炎
・咽頭・喉頭炎
・扁桃炎(扁桃周囲炎を含む)
・急性気管支炎
・肺炎
・肺膿瘍
・慢性呼吸器病変の二次感染
・膀胱炎
・腎盂腎炎
・前立腺炎(急性症・慢性症)
・精巣上体炎(副睾丸炎)
・尿道炎
・淋菌感染症
・梅毒
・腹膜炎
・感染性腸炎
・外陰炎
・細菌性腟炎
・子宮内感染
・涙嚢炎
・麦粒腫
・外耳炎
・中耳炎
・副鼻腔炎
・化膿性唾液腺炎
・歯周組織炎
・歯冠周囲炎
・上顎洞炎
・顎炎
・炭疽
・つつが虫病
・オウム病

ミノマイシンは、ファイザー株式会社から製造・販売されています。

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主な副作用

ミノマイシンの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。

・腹痛がする
・悪心がある
・食欲不振になる
・胃腸障害等の消化器症状がある
・めまい感がある

めまい感が発現する場合があるので、本剤を利用している間は、車の運転や危険を伴う作業等は控えてください。

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
ショック 血圧低下に伴い失神する、意識が消失する、チアノーゼがみられる、呼吸困難になる、胸内苦悶がある、冷感がある、嘔吐する、顔が赤くなる、痒みがある、蕁麻疹(じんましん)ができる、痺れる(しびれる)、動悸がする、息切れする等
アナフィラキシー様症状 紅斑ができる、悪寒がする、口腔咽頭浮腫ができる、口内の違和感がある、かゆみがある、くしゃみする、顔面が紅潮する、熱感がある、吐き気がする、嘔吐する、尿意がある、便意がある、そう痒感がある、全身が発赤する、顔面や喉頭浮腫ができる、呼吸困難になる、血圧が低下する、喘鳴(ぜんめい)がきこえる、血管浮腫ができる、不快感がある、眩暈(めまい)がする、耳鳴がきこえる、発汗する等
SLE様症状(全身性エリテマトーデス様症状、全身性紅斑性狼瘡様症状、ループス様症候群)が増悪する 筋肉や関節が痛む、体や顔が赤くなる、赤い斑点ができる、発熱する、手足や首の付け根のリンパ節が腫れる等の症状が悪化する
中毒性表皮壊死融解症(Toxic EpidermalNecrolysis:TEN) からだがだるい、関節が痛む、皮膚が焼けるように痛む、全身の赤い斑点と破れやすい水ぶくれ(水疱)ができる、発熱する、食欲不振になる、口内が荒れる等
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群) 高熱がでる、陰部が痛む、関節が痛む、ひどい口内炎ができる、唇や口内がただれる、発熱する、皮膚がまだら模様に赤くなる、皮膚に水脹れが出る(各種皮膚障害)、中央にむくみをともなった赤い斑点ができる、赤い発疹ができる、まぶたや眼が充血する、結膜がただれる、食欲不振になる、からだがだるい等
紅皮症(剥脱性皮膚炎) 39度から40度の高熱がでる、顔に発疹ができる、全身の皮膚が赤くなる、皮膚のカスがよく落ちる等
薬剤性過敏症症候群(DIHS) 広範囲の皮膚が赤くなる、発疹ができる、高熱がでる(38℃以上)、喉(のど)が痛む、全身がだるい、食欲不振になる、リンパ節が腫れる、肝機能障害等の臓器障害になる、白血球が増加する、好酸球が増多する、異型リンパ球の出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状がある、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化がおこる等
血液障害 貧血をおこす、出血傾向になる(皮下、粘膜、臓器)、赤芽球癆(せきがきゅうろう)がみられる、汎血球が減少する、無顆粒球症になる、顆粒球が減少する、白血球が減少する、血小板が減少する、赤血球が減少する等
重篤な肝機能障害 発熱する、腹痛がする、肝腫大になる、肝不全になる、肝壊死になる、肝炎になる、黄疸がみられる等
急性腎不全 尿量が減少する、尿が赤みがかる、眼がはれぼったい、疲れやすい、からだがだるい、腹痛がする、吐き気がする、下痢する、脱力感がある、関節が痛む、頭痛がする、顔や手足がむくむ、息苦しい、意識が低下する等
間質性腎炎 発熱する、間接が痛む、吐き気がする、下痢する、尿が濁る等
呼吸困難 息切れする、心臓の脈拍が上がる、胸部が痛む、手足が冷たい、倦怠感がある等
間質性肺炎 発熱する、咳嗽(がいそう)がきこえる、呼吸困難になる、胸部X線異常がある、好酸球が増多する、動悸する、息切れする等
PIE症候群 動悸する、息切れする、発熱する、咳がでる等
膵炎 胃周辺の急な激しい痛みがある、吐き気がする、背中が痛む、嘔吐(おうと)する等
痙攣(けいれん) 全身の筋肉がピクピクする、痺れる(しびれる)、チクチクと痛む、瞬間うとうとと眠くなる、失神する、錯乱する、脱力する、膀胱の調節機能が消失する、興奮状態が継続する、怒りっぽくなる、ぼんやりする、よろめく、吐き気がする、眩暈(めまい)がする、下肢のコントロールが不能になる、筋肉の付随現象がみられる等
意識障害 吐き気がする、食欲不振になる、腹痛になる、下痢する、強い倦怠感がある、意識レベルが低下する、意識が消失する等
精神神経障害 間代性痙攣(けいれん)がおこる、昏迷する、錯乱する、運動障害がある、物忘れする、集中力が低下する、頭痛がする、便秘する、排尿障害になる等
出血性腸炎 激しい腹痛がおこる、血が混ざった便がでる、吐き気がする、嘔吐(おうと)する、発熱する等
偽膜性大腸炎(クロストリジウム性大腸炎) 発熱する、頻回の下痢がある、激しい腹痛がある、血液便がでる、下血する等

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
過敏症 発疹がでる、発熱する、浮腫ができる(四肢、顔面)、蕁麻疹(じんましん)がでる
皮膚 色素沈着がみられる(皮膚・爪・粘膜)、光線過敏症になる
精神神経系 めまい感がある、頭痛がする、しびれ感がある
肝臓 AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する等の肝機能検査値の異常がみられる、黄疸がみられる
消化器 腹痛がある、悪心がある、食欲不振になる、胃腸障害がある、嘔吐する、下痢する、舌炎ができる、便秘する、口内炎ができる、味覚異常がある、肛門周囲炎になる、歯牙着色がある
血液 好酸球が増多する
腎臓 BUN値が上昇する
菌交代症 菌交代症に基づく新しい感染症になる
ビタミン欠乏症 ビタミンK欠乏症状になる(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状になる(舌炎、口内炎ができる、食欲不振になる、神経炎になる等)
頭蓋内圧上昇 頭蓋内圧上昇に伴う症状が発現する(嘔吐する、頭痛がする、複視になる、うっ血乳頭がみられる、大泉門膨隆等)
感覚器 耳鳴がする
その他 けん怠感がある、関節痛になる
過量投与 肝障害がある(黄疸になる、脂肪肝になる等)

 

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ミノマイシンについて

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・テトラサイクリン系薬剤に対し過敏症の既往歴のある方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・肝障害のある方
・腎障害のある方
・食道通過障害のある方
・経口摂取の不良な方、又は、非経口栄養の方
・全身状態の悪い方
・高齢の方
・妊婦の方
・授乳中の方
・小児

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり注意が必要なので、医師とご相談ください。

・カルシウム剤
・マグネシウム剤
・アルミニウム剤
・ランタン又は鉄剤
・抗凝血剤(ワルファリンカリウム等)
・スルホニル尿素系血糖降下薬
・メトトレキサート
・ポルフィマーナトリウム
・ジゴキシン
・黄体・卵胞ホルモン配合剤(経口避妊剤)
・外用剤を除くビタミンA製剤、レチノイド製剤
 (ビタミンA、レチノールパルミチン酸エステル、エトレチナート、トレチノイン)

 

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