ノイロトロピンによる副作用
ノイロトロピンとは
ノイロトロピン(Neurotropin)とは、神経痛等の痛みを緩和するためのお薬です。
炎症を抑える作用もありますが、帯状疱疹(たいじょうほうしん)等の慢性的な痛みを抑える目的で利用されることが多いお薬です。
本剤の主成分は、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液(vaccinia virus)で、痛みを感知する神経の感受性を抑制することにより鎮痛作用が期待されます。
また、炎症を起こすブラジキニンを抑制する作用により一部の炎症を抑制する作用もあります。
このため、一般的な鎮痛薬や抗炎症薬とは作用が異なり、神経痛の様な慢性的な痛みに利用されます。
適応症は以下の通りです。
・帯状疱疹後神経痛
・腰痛症
・頸肩腕症候群
・肩関節周囲炎
・変形性関節症
本剤は、日本臓器製薬株式会社により製造販売されています。
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主な副作用
ノイロトロピンの主な副作用は、以下の通りです。
・発疹ができる
・胃部不快感がある
・悪心がある
・嘔気がある
・食欲不振になる
重大・重篤な副作用
重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。
副作用の名称 | 想定される症状等 |
---|---|
肝機能障害 | 倦怠感の増大がみられる、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い状態、黄疸がみられる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する、劇症肝炎になる等 |
黄疸 | 嘔気がある、嘔吐する、食欲不振である、倦怠感がある、そう痒がある、皮膚や白目が黄色くなる、下痢する、全身の脱力感がある、38度~39度の発熱、ブツブツ状の発疹がでる等 |
ショック | 本剤の注射剤で、血圧低下に伴い失神する、意識が消失する、チアノーゼがみられる、呼吸困難になる、胸内苦悶がある、冷感がある、嘔吐する、顔が赤くなる、痒みがある、蕁麻疹(じんましん)ができる、痺れる(しびれる)、動悸がする、息切れする等 |
アナフィラキシー様症状 | 本剤の注射剤で、紅斑ができる、悪寒がする、口唇浮腫ができる、咽頭浮腫ができる、口内の違和感がある、かゆみがある、くしゃみする、顔面が紅潮する、熱感がある、吐き気がする、嘔吐する、尿意がある、便意がある、そう痒感がある、全身が発赤する、顔面や喉頭浮腫ができる、呼吸困難になる、血圧が低下する、喘鳴(ぜんめい)がきこえる、血管浮腫ができる、不快感がある、眩暈(めまい)がする、耳鳴がきこえる、発汗する等 |
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。
重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。
その他の副作用
その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。
副作用の部位名称等 | 副作用の名称、症状 |
---|---|
過敏症 | 発疹ができる、蕁麻疹(じんましん)がでる、そう痒がある |
消化器 | 胃部不快感がある、悪心がある、嘔気がある、食欲不振になる、下痢する、軟便がでる、胃痛がある、口が渇く、腹部膨満感がある、便秘になる、口内炎ができる、胃重感がある、胃部膨満感がある、腹痛がある、放屁過多がみられる、消化不良になる、胸やけがする、胃のもたれ感がある、胃腸障害がある、嘔吐する |
精神神経系 | 眠気がする、眩暈(めまい)がする、ふらつく、頭痛がする、頭重感がある |
その他 | 全身倦怠感がある、浮腫ができる、熱感がある、動悸がする、皮膚感覚の異常がみられる |
ノイロトロピンについて
本剤は、1988年7月に販売開始された、下行性疼痛抑制系賦活型疼痛治療薬です。
ワクシニアウイルスを接種したイエウサギの皮膚組織より抽出したものです。
以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。
・本剤に対して過敏症の既往歴のある方
以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。
・高齢の方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・小児等