セレスタミンによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/12

セレスタミンとは

セレスタミン(CELESTAMINE)とは、最も強力な抗炎症剤の1つです。

主成分として、炎症を抑制する副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)と、アレルギーを抑制する抗ヒスタミン剤の2つを配合しております。

具体的には、ステロイド剤として、ベタメタゾン(Betamethasone)、抗ヒスタミン剤として、d-クロルフェニラミン(Dexchlorpheniramine)を配合しております。

以下の症状に対して効果が期待されます。

・蕁麻疹(じんましん)(慢性例を除く)
・湿疹などの皮膚疾患(湿疹、皮膚炎群の急性期及び急性増悪期)
・薬疹
・アレルギー性鼻炎

本剤は、高田製薬株式会社により製造・販売されております。

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主な副作用

セレスタミンの主な副作用は、以下の通りです。

・消化不良になる
・眠気がする
・不眠になる
・イライラする
・吐き気がする
・下痢する
・口や喉(のど)が渇く
・生理不順になる
・むくみがでる
・ムーンフェイスになる
・目がかすむ
・身体がだるい
・尿がでにくい

本剤は、作用が強力であるため、副作用も強く出る場合があります。

一週間程度の利用ならば、重大な副作用は、ほぼ発生しないと言われていますが、それ以上の期間、多めに利用される場合には、副作用の発現に注意が必要です。

重大な副作用を避けるためにも、本剤の長期間にわたる使用や大量に使用することは控えてください。

また、眠気を引き起こす場合があるため、本剤利用中は、車の運転や危険を伴う様な作業は控えてください。

お酒(アルコール)は、本剤の作用や副作用の発現に影響しますので、控えてください。

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
続発性副腎皮質機能不全 37度から38度台の発熱がある、食欲がない、吐き気がする、嘔吐する、頭痛がする、全身がだるい、眠気がする、腹痛がある、関節痛がある、不機嫌になる(小児)等
糖尿病 頻尿になる、多尿になる、喉の渇きがある、口が渇く、食欲が亢進する、倦怠感がある、目が霞む、血管障害がある、神経障害がある、感染症等の重大な合併症がある等
膵炎 胃周辺が急に激しく痛む、吐き気がする、背中の痛みがある、嘔吐(おうと)する等
精神変調 イライラする、精神的に不安定になる、躁鬱になる、幻覚がある等
急性副腎不全(副腎クリーゼ) 全身の倦怠感(けんたいかん)がある、食欲不振になる、易(い)疲労感(疲れやすい)がある、脱力感がある、吐き気がする、嘔吐する、下痢する、腹痛になる、発熱する、脱水症状になる、血圧が低下する、意識障害がある、呼吸困難になる等
消化性潰瘍 胃がもたれる、吐き気がする、痛みがある、空腹時にみぞおちが痛む、便が黒い等
うつ状態 気力がない、イライラする、気分が沈む、何もしたくない等
痙攣(けいれん) 全身の筋肉がピクピクする、しびれる、チクチクと痛む、瞬間うとうとと眠くなる、失神する、錯乱する、脱力する、膀胱の調節機能が消失する、興奮状態が継続する、怒りっぽい、ぼんやりする、よろめく、吐き気がする、眩暈(めまい)がする、下肢のコントロールが不能になる、筋肉の付随現象がおこる等
ミオパシー 手足が痺れる(しびれる)、手足が痛む、足がだるい、低い椅子から立てない、転びやすい、腕が上げにくい等
大腿骨及び上腕骨等の骨頭無菌性壊死 歩行時や起立時に股関節付近が疼痛になる、腰痛がある、膝痛がある、臀部痛がある、大腿部の前面部痛がある、肩関節痛がある、大腿骨や上腕骨を骨折する等
血栓症 手足がマヒしたり痺れ(しびれ)がみられる、しゃべりにくい、胸の痛みがある、呼吸困難になる、片方の足の急激な痛みや腫れがみられる等
再生不良性貧血 発熱する、悪寒がある、手足に赤い点(点状出血)ができる、赤紫の痣(あざ)ができる、のどが痛む、鼻血がでる、歯茎から出血する、貧血症状がみられる等
緑内障 光が輪になって見える、かすむ、にじむ、眼が充血する、眼が乾く、眼が痛む等
錯乱 外部状況に対し適した対応が出来ない状態、話や動作にまとまりがない
骨粗鬆症 骨折しやすくなる、手足が痛む、腰・背中・胸・足の付け根等が痛む、腰が曲がる、背丈が縮む等
後嚢白内障 目が霞む、眩しい、視力が低下する、水晶体が白濁する等
無顆粒球症 発熱する、咽頭痛がある、倦怠感がある、口内炎ができる等
幼児・小児の発育抑制 発育の低下がみられる等
誘発感染症 風邪などにかかり易い、細菌による感染症を誘発する等
感染症の増悪 風邪などが酷くなる、B型肝炎ウイルスが増殖する、発熱する、喉が痛む、口内炎ができる、咳や痰が出る、水脹れになる、発疹ができる、頻尿になる等

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
消化器 口が渇く、胸やけがする、腹部膨満感がある、食欲不振になる、便秘する、腹痛がする、悪心がある、嘔吐する、食欲が亢進する、下痢する等
泌尿器 頻尿になる、排尿困難になる、尿閉になる、ステロイド腎症になる等
過敏症 発疹ができる、光線過敏症になる等
精神神経系 鎮静する、神経過敏になる、焦燥感がある、多幸症になる、複視になる、頭痛がする、眩暈(めまい)がする、耳鳴がする、前庭障害がある、情緒不安になる、振戦がある、感覚異常になる、ヒステリーになる、神経炎になる、協調異常がある、不眠になる、眠気がある、頭重感がある
循環器 低血圧になる、心悸亢進がある、頻脈になる、期外収縮がある
呼吸器 鼻及び気道が乾燥する、気管分泌液が粘性化する、喘鳴(ぜんめい)が聞こえる、鼻閉になる
内分泌 月経異常がみられる、糖尿になる等
中心性漿液性網脈絡膜症等による網膜障害がある、眼球突出する等
皮膚 多毛になる、脱毛がみられる、ざ瘡がある、色素沈着する、皮下溢血がみられる、紫斑ができる、線条がある、そう痒感がある、発汗異常になる、顔面紅斑ができる、創傷治癒障害になる、皮膚菲薄化や脆弱化する、脂肪織炎になる
筋・骨格 筋肉痛になる、関節痛になる等
血液 溶血性貧血になる、白血球が増多する、血小板が減少する
肝臓 肝機能障害がみられる(AST(GOT)値、ALT(GPT)値、Al-P値が上昇する等)
脂質・蛋白質代謝 満月様顔貌になる、野牛肩になる、窒素負平衡になる、脂肪肝になる等
体液・電解質 浮腫ができる、低カリウム性アルカローシスになる、血圧が上昇する等
その他 発熱する、疲労感がある、精子数及びその運動性が増減する、胸痛がする、倦怠感がある、体重が増加する

 

セレスタミンについて

本剤は、現時点で最強の抗炎症剤の1つです。

但し、強力であるが故に、他の薬では効果がない場合に利用する様なケースも多くあります。

そのため、以下の様な様々な分野の治療にも利用される場合があります。

(内科、小児科)
・リウマチ疾患
・全身性エリテマトーデス(膠原病)
・気管支喘息
・花粉症
・アレルギー性鼻炎(アレルギー性疾患)
・紫斑病(しはんびょう)
・潰瘍性大腸炎
・劇症肝炎
・ネフローゼ症候群
・重症の感染症
・重症の低血圧症
・薬物中毒
・血清病

(整形外科)
・関節リウマチ
・骨や関節炎
・五十肩
・坐骨神経痛

(産婦人科)
・つわり
・妊娠中毒症
・外陰瘙痒症(がいいんそうようしょう)

(泌尿器科)
・前立腺ガン
・膀胱炎

(皮膚科)
・湿疹(皮膚炎)
・蕁麻疹(じんましん)
・皮膚瘙痒症
・小児ストロフルス
・乾癬(かんせん)
・紅皮症(こうひしょう)
・角化症(かくかしょう)
・皮膚筋炎
・強皮症
・脱毛症
・火傷(やけど)
・虫刺され

(眼科)
・結膜炎
・角膜炎
・眼瞼炎(がんけんえん)

(歯科)
・歯周病
・歯槽膿漏(しそうのうろう)

副作用には、十分注意し、副作用と思われる症状が発現した場合には、利用を止め、速やかに医師と相談してください。

妊娠中の方や妊娠している可能性のある方は、医師とご相談下さい。
又、本剤を利用されている期間は、授乳を避けてください。

小児の方は、本剤の利用により発育抑制が発現する場合がありますので、注意して利用する必要があります。
又、小児が、本剤を長期間利用することに伴い、頭蓋内圧亢進症状が発現したとの報告があります。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方
・前立腺肥大等下部尿路に閉塞性疾患のある方
・緑内障の方
・適応、症状を考慮し、他の治療法によって十分に
 治療効果が期待できる場合には、本剤を投与しないこと。
 また、局所的投与で十分な場合には局所療法を行うこと。

以下の方は、原則禁忌です。

・電解質異常のある方
・血栓症の方
・精神病の方
・単純疱疹性角膜炎の方
・後嚢白内障の方
・高血圧症の方
・最近行った内臓の手術創のある方
・急性心筋梗塞を起こした方
・有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の真菌症の方
・結核性疾患の方
・消化性潰瘍の方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・感染症の方
・糖尿病の方
・骨粗鬆症の方
・腎不全の方
・甲状腺機能低下のある方
・肝硬変の方
・脂肪肝の方
・脂肪塞栓症の方
・重症筋無力症の方
・高齢の方

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり注意が必要なので、医師とご相談ください。

・中枢神経抑制剤
・アルコール
・MAO阻害剤
・抗コリン作用を有する薬剤
・ドロキシドパ
・ノルアドレナリン
・バルビツール酸誘導体(フェノバルビタール)
・フェニトイン
・リファンピシン
・エフェドリン
・サリチル酸誘導体(アスピリン、アスピリンダイアルミネート、サザピリン)
・抗凝血剤(ワルファリンカリウム)
・経口糖尿病用剤(アセトヘキサミド)
・インスリン製剤
・カリウム保持性利尿剤以外の利尿剤(トリクロルメチアジド、アセタゾラミド、フロセミド)
・ソマトロピン
・シクロスポリン
・非脱分極性筋弛緩剤(パンクロニウム臭化物、ベクロニウム臭化物)
・リトドリン塩酸塩

 

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