ナウゼリンによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/11

ナウゼリンとは

ナウゼリン(NAUZELIN)とは、胃腸の働きを活性化させ吐き気や嘔吐等の症状を改善するためのお薬です。

よく利用される吐き気止めのお薬です。

本剤の主成分は、ドンペリドン(Domperidone)で、胃や十二指腸にあるドパミン(D2)受容体を遮断する作用があります。

この作用により、アセチルコリンの遊離を促進させ胃腸の運動を活発にします。(抗ドパミン薬)

適応症は以下の通りです。

・以下の疾患や薬剤投与時の消化器症状(悪心、嘔吐、食欲不振、腹部膨満、上腹部不快感、腹痛、胸やけ、あい気)

 (成人)
  ・慢性胃炎
  ・胃下垂症
  ・胃切除後症候群

 (小児)
  ・周期性嘔吐症
  ・上気道感染症
  ・抗悪性腫瘍剤投与時

薬効分類的には、消化管運動促進薬、消化管運動賦活薬、胃腸機能調整薬、胃腸機能改善薬などにカテゴライズされます。

本剤は、協和発酵キリン株式会社により製造販売されています。

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主な副作用

ナウゼリンの主な副作用は、以下の通りです。

(成人)
・下痢する
・便秘になる
・胸やけがする
・嘔吐する
・乳汁分泌がみられる
・女性化乳房がみられる

(小児)
・下痢する
・錐体外路障害がみられる
・眠気がある
・発疹ができる

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
ショック 血圧低下に伴い失神する、意識消失がみられる、チアノーゼがみられる、呼吸困難になる、胸内苦悶がみられる、冷感がある、嘔吐する、顔が赤くなる、痒みがある、蕁麻疹(じんましん)がでる、痺れる(しびれる)、動悸がする、息切れする等
アナフィラキシー様症状 紅斑ができる、悪寒がする、口腔咽頭浮腫ができる、口内の違和感がある、かゆみがある、くしゃみする、顔面紅潮がみられる、熱感がある、吐き気がする、嘔吐する、尿意がある、便意がある、そう痒感がある、全身発赤がみられる、顔面や喉頭に浮腫ができる、呼吸困難になる、血圧が低下する、喘鳴(ぜんめい)がきこえる、血管浮腫ができる、不快感がある、眩暈(めまい)がする、耳鳴がする、発汗する等
錐体外路症状 アカシジア(静坐不能)、振戦(しんせん)がおきる、筋強剛になる、流涎(よだれを流す)、ジストニアがみられる、パーキンソン病の徴候がみられる、ジスキネジアがおきる、歩行異常になる、嚥下障害がおきる、眼球挙上がみられる、ブラジキネジア(動作緩慢)がみられる、下肢不安症になる、舌の運動障害がみられる、運動減少になる
意識障害 吐き気がする、食欲不振になる、腹痛になる、下痢する、強い倦怠感がある、意識レベルが低下する、意識が消失する等
痙攣(けいれん) 全身の筋肉がピクピクする、しびれ、チクチクと痛む、瞬間うとうとと眠くなる、失神、錯乱、脱力、膀胱の調節機能の消失、興奮状態が継続する、怒りっぽい、ぼんやりする、よろめく、吐き気、めまい、下肢コントロール不能、筋肉の付随現象等
肝機能障害 倦怠感が増大する、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い状態、黄疸がでる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する等
黄疸 嘔気がある、嘔吐する、食欲が不振になる、倦怠感がある、そう痒がある等、皮膚や白目が黄色くなる、下痢する、全身の脱力感がある、38度から39度の発熱がある、ブツブツ状の発疹ができる等

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
肝臓 肝機能異常がみられる(AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、ビリルビン値が上昇する、Al-P値が上昇する、LDH値が上昇する等)
内分泌 女性化乳房がみられる、プロラクチン値が上昇する、乳汁分泌がみられる、乳房膨満感がある、月経異常がみられる
消化器 下痢する、便秘になる、腹痛がある、腹部圧迫感がある、口が渇く、胸やけがする、悪心がある、嘔吐する、腹部膨満感がある、腹部不快感がある、腹鳴がある、腸痙攣がおこる
循環器 心悸亢進がみられる
皮膚 蕁麻疹(じんましん)がでる、発疹ができる、そう痒がある
その他 口内のあれがみられる、発汗する、眠気がある、動揺感がある、眩暈(めまい)やふらつきがみられる
過量投与 錐体外路症状、めまい、見当識障害が起こる場合がある。特に小児の場合には起きやすい

 

ナウゼリンについて

胃腸の働きを活発にする吐き気止めとして、広く利用されているお薬です。

持病やアレルギーのある方は事前に医師とご相談ください。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・消化管出血の方
・機械的イレウスの方
・消化管穿孔の方
・プロラクチン分泌性の下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)の方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・小児
・肝障害のある方
・腎障害のある方
・授乳婦の方
・高齢の方

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、医師とご相談ください。

・フェノチアジン系精神神経用剤
  ・プロクロルペラジン
  ・クロルプロマジン
  ・チエチルペラジン等
・ブチロフェノン系製剤
  ・ハロペリドール等
・ラウオルフィアアルカロイド製剤
  ・レセルピン等
・ジギタリス製剤
  ・ジゴキシン等
・抗コリン剤
  ・ブチルスコポラミン臭化物
  ・チキジウム臭化物
  ・チメピジウム臭化物水和物等
・制酸剤
・H2受容体拮抗剤
  ・シメチジン
  ・ラニチジン等
・プロトンポンプ阻害剤
  ・オメプラゾール等

 

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