ダクチルによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/10

ダクチルとは

ダクチル(DACTIL)とは、胃腸等の内臓に発現する痙攣性(けいれんせい)の痛みを緩和するためのお薬です。

胃腸や子宮は、神経伝達物質であるアセチルコリンの刺激によって運動が活発になります。

本剤の主成分は、ピペリドレート塩酸塩(Piperidolate Hydrochloride)で、アセチルコリンの刺激を抑制し、結果として胃腸や子宮の痙攣等を抑制する効果が期待されます。

この作用のことを、抗コリン作用と呼びます。

適応症は以下の通りです。

・下記疾患時の痙攣性疼痛
  ・胃潰瘍
  ・十二指腸潰瘍
  ・胃炎
  ・腸炎
  ・胆石症
  ・胆のう炎
  ・胆道ジスキネジー
・切迫流産や早産時の諸症状の改善

本剤は、キッセイ薬品工業株式会社により製造販売されています。

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主な副作用

ダクチルの主な副作用は、以下の通りです。

・口が渇く
・尿が出辛い
・便秘になる
・目が霞む

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
肝機能障害 倦怠感の増大がみられる、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い状態、黄疸がみられる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、Al-P値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する、劇症肝炎になる等
黄疸 嘔気がある、嘔吐する、食欲不振である、倦怠感がある、そう痒がある、皮膚や白目が黄色くなる、下痢する、全身の脱力感がある、38度~39度の発熱、ブツブツ状の発疹がでる等

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
散瞳がみられる
消化器 口が渇く、悪心がある、嘔吐する、食欲不振になる、腹部膨満感がある、便秘する
肝臓 AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する
泌尿器 排尿障害がみられる
精神神経系 眩暈(めまい)がする
循環器 動悸がする
過敏症 発疹ができる
その他 けん怠感がある、脱力感がある

 

ダクチルについて

本剤は、平滑筋収縮緩和剤です。

モノがボンヤリ見えたり、眩しく見えたりする場合がありますので、車の運転や危険を伴う作業等は控えてください。

また、汗が出辛くなる場合があるので、熱射病や熱中症に注意してください。

特に高温の場所での激しい運動や作業、夏の暑さには十分注意してください。

持病やアレルギーのある方は事前に医師とご相談ください。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・緑内障の方
・前立腺肥大による排尿障害のある方
・重篤な心疾患のある方
・麻痺性イレウスの方
・本剤に対して過敏症の既往歴のある方
・高齢の方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・前立腺肥大のある方
・うっ血性心不全のある方
・不整脈のある方
・潰瘍性大腸炎の方
・甲状腺機能亢進症の方
・高温環境にある方

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。

・三環系抗うつ剤
  ・イミプラミン塩酸塩等
・フェノチアジン系薬剤
  ・クロルプロマジン等
・モノアミン酸化酵素阻害剤
・抗ヒスタミン剤
  ・ジフェンヒドラミン等

 

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