ペンタサによる副作用
ペンタサとは
ペンタサ(PENTASA)とは、腸の炎症を抑制するお薬です。
主に潰瘍性大腸炎や、クローン病の治療に利用されています。
主成分の、メサラジン(Mesalazine)は、腸内で炎症性の細胞から産生される活性酸素を除去することで、炎症と細胞組織の障害を抑制すると言われています。
また、ロイコトリエンの合成を抑制する作用もあると推測されており、この作用によって、炎症性の細胞が細胞組織へ浸潤するのを抑制すると言われています。
本剤は、小腸と大腸の両方に作用するため、クローン病の小腸大腸型にも有効です。
適応症は、以下の通りです。
・潰瘍性大腸炎(重症を除く)
・クローン病
本剤は、杏林製薬株式会社により製造販売されております。
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主な副作用
ペンタサの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。
・下痢する
・下血する
・血便がでる
・腹痛になる
・発疹ができる
・発熱する
・肝機能異常がみられる
・CRP値が上昇する
・ALT(GPT)値が上昇する
・白血球値が上昇する
重大・重篤な副作用
重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。
副作用の名称 | 想定される症状等 |
---|---|
間質性肺疾患 | 好酸球性肺炎になる、肺胞炎になる、肺臓炎になる、間質性肺炎になる、発熱する、咳がでる、呼吸困難になる、胸部X線異常がみられる等 |
間質性肺炎 | 発熱する、咳嗽(がいそう)がみられる、呼吸困難になる、胸部X線異常がみられる、好酸球が増多する、動悸がする、息切れする等 |
好酸球性肺炎 | 発熱する、咳嗽(がいそう)がみられる、呼吸困難になる、胸部X線異常がみられる、好酸球が増多する、胸の痛みがみられる、から咳がでる、息切れする等 |
肺線維症(肺胞炎) | 息切れする、呼吸困難になる、空咳がでる、発熱する、倦怠感がある、食欲不振になる、疲れやすい、チアノーゼがみられる等 |
心筋炎 | 頻脈になる、息切れする、動悸がする、胸の痛みがある、吐き気がする、嘔吐する、発熱する、痙攣(けいれん)する等 |
心膜炎 | 咳や呼吸で胸痛が増強する、呼吸困難になる、発熱する等 |
胸膜炎・胸膜線維症 | 呼吸困難になる、咳がでる、胸が痛い、疲れやすい、体重が減少する等 |
間質性腎炎 | 発熱する、間接の痛みがある、吐き気がする、下痢する、尿が濁る等 |
ネフローゼ症候群 | 大量のたんぱく尿がでる、尿の泡立ちがある、高度の浮腫ができる、まぶたや下肢のむくみがある、胸水がみられる、腹水がみられる、心嚢水がみられる、息切れする、呼吸困難になる、吐き気がする、嘔吐する、体重が増加する、免疫力が低下する |
腎機能低下 | 頻尿になる、脱水になる、機嫌が悪い等 |
急性腎不全 | 尿量が減少する、尿が赤みがかる、眼がはれぼったい、疲れやすい、からだがだるい、腹痛がする、吐き気がする、下痢する、脱力感がある、関節の痛みがある、頭痛がする、顔や手足のむくみがみられる、息苦しい、意識が低下する等 |
再生不良性貧血 | 発熱する、悪寒がある、手足に赤い点(点状出血)ができる、赤紫のあざができる、のどの痛みがある、鼻血がでる、歯茎出血がみられる、貧血症状がみられる等 |
汎血球減少 | 全身がだるい、階段等を上る際に息切れする、動悸がする、頭重がある、頭痛がする、眩暈(めまい)がする、鼻血がでる、耳鳴りがする、皮下出血がみられる、歯茎の出血がある等 |
無顆粒球症 | 発熱する、咽頭痛がある、倦怠感がある、口内炎ができる等 |
血小板減少(血小板減少症) | 手足に赤い点(点状出血)ができる、あざができる、鼻血がでる、歯茎の出血がみられる等 |
肝炎 | 白目や皮膚が黄色くなる、高熱がでる、倦怠感が増大する、黄色い尿がでる、淡黄色の便がでる等 |
肝機能障害 | 倦怠感が増大する、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い状態、黄疸がでる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する等 |
黄疸 | 嘔気がある、嘔吐する、食欲不振になる、倦怠感がある、そう痒がある等、皮膚や白目が黄色くなる、下痢する、全身の脱力感がある、38度から39度の発熱がある、ブツブツ状の発疹ができる等 |
膵炎 | 胃周辺の急な激しい痛みがある、吐き気がする、背中の痛みがある、嘔吐(おうと)する等 |
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。
重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。
その他の副作用
その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。
副作用の部位名称等 | 副作用の名称、症状 |
---|---|
皮膚 | 発疹ができる、そう痒感がある、丘疹がみられる、紅斑がでる、蕁麻疹(じんましん)がでる、脱毛がみられる |
消化器 | 下痢する、腹痛がする、血便がでる、下血する、アミラーゼ値が上昇する、嘔気がある、腹部膨満感がある、食欲不振になる、便秘する、口内炎ができる、粘液便がでる、嘔吐する |
肝臓 | AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、Al-P値が上昇する、ビリルビン値が上昇する等 |
腎臓 | クレアチニン値が上昇する、尿中NAG値が上昇する、尿中ミクログロブリン値が上昇する、尿蛋白がでる、尿着色がみられる |
血液 | 白血球が減少する、好酸球が増多する、貧血になる |
その他 | 発熱する、頭痛がする、関節痛がする、浮腫ができる、全身けん怠感がある、筋肉痛がある、CK値が上昇する、ループス様症候群になる、むくみがある、末梢神経障害になる、眩暈(めまい)がする |
ペンタサについて
持病やアレルギーのある方は、医師とご相談ください。
以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。
・重篤な腎障害のある方
・重篤な肝障害のある方
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
・サリチル酸エステル類又はサリチル酸塩類に対する過敏症の既往歴のある方
以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。
・腎機能の低下している方
・肝機能の低下している方
・サラゾスルファピリジンに対する過敏症のある方
以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、医師とご相談ください。
・利尿剤
・ステロイド剤
・アザチオプリン
・メルカプトプリン