レンドルミンによる副作用
レンドルミンとは
レンドルミン(Lendormin)とは、不眠症のお薬です。
主な成分は、ブロチゾラム(Brotizolam)で、脳内の神経の興奮を抑制し、リラックスさせる作用があります。
持続時間は短時間型の睡眠導入剤で比較的、自然に近い眠りに導きますので、広く利用されています。
適応症は以下の通りです。
・不眠症
・麻酔前投薬
一時的な不眠や寝つきが悪い時に、よく利用されています。
本剤は、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社により製造販売されています。
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主な副作用
レンドルミンの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。
・残眠感や眠気がある
・ふらつく
・頭重感がある
・だるさがある
・眩暈(めまい)がする
・頭痛がする
・倦怠感がある
重大・重篤な副作用
重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。
副作用の名称 | 想定される症状等 |
---|---|
肝機能障害 | 倦怠感が増大する、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い、黄疸がでる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する等 |
黄疸 | 嘔気がある、嘔吐する、食欲不振である、倦怠感がある、そう痒がある、皮膚や白目が黄色くなる、下痢する、全身の脱力感がある、38度~39度の発熱、ブツブツ状の発疹がでる等 |
一過性前向性健忘(もうろう状態) | 服薬後入眠までの出来事を覚えていない、途中覚醒時の出来事を覚えていない、翌朝起床後の一定時間の行動を覚えていない |
類薬での重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。
副作用の名称 | 想定される症状等 |
---|---|
呼吸抑制 | 頭痛がする、眩暈(めまい)がする、動悸がする、息切れする、不安感がある、判断力が鈍化する |
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。
重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。
その他の副作用
その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。
副作用の部位名称等 | 副作用の名称、症状 |
---|---|
依存性 | 不眠になる、不安等の離脱症状がみられる |
精神神経系 | 残眠感や眠気がある、ふらつく、頭重感がある、眩暈(めまい)がする、頭痛がする、不穏になる、興奮する、気分不快になる、立ちくらみがする、いらいら感がある、せん妄がみられる、振戦がみられる、幻覚がある、悪夢がある |
肝臓 | AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、Al-P値が上昇する、LDHが上昇する |
循環器 | 軽度の脈拍数の増加がみられる |
消化器 | 嘔気がある、悪心がある、口が渇く、食欲不振になる、下痢する |
過敏症 | 発疹ができる、紅斑ができる |
骨格筋 | だるさがある、倦怠感がある、下肢痙攣がおこる |
その他 | 発熱する、貧血になる、尿失禁がみられる、味覚異常がある |
レンドルミンについて
レンドルミンは1988年に発売された比較的古くからあるお薬ですが、短時間型で、ほど良く効き、副作用も比較的少ないため、現在でもよく利用されています。
持病やアレルギーのある方は、事前に医師とご相談下さい。
日中まで眠気が残る場合(Hang Over)には、医師とご相談ください。
尚、長期に渡って利用した場合、耐性や依存性が発現する場合がありますので、睡眠薬の利用は必要な場合に限定する様にしてください。
以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。
・急性狭隅角緑内障のある方
・重症筋無力症の方
以下の方は、原則禁忌です。
・肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期等で呼吸機能が高度に低下している場合
以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。
・衰弱している方
・高齢の方
・心障害のある方
・肝障害のある方
・腎障害のある方
・脳に器質的障害のある方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・授乳婦の方
・小児等
以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、医師とご相談ください。
・アルコール(飲酒)
・中枢神経抑制剤
・フェノチアジン誘導体
・バルビツール酸誘導体
・CYP3A4阻害剤
・イトラコナゾール
・ミコナゾール
・シメチジン
・モノアミン酸化酵素阻害剤
・CYP3A4誘導剤
・リファンピシン等