パキシルによる副作用

公開日:  最終更新日:2016/09/01

パキシルとは

パキシル(Paxil)とは、うつ病やパニック障害のお薬です。

本剤の主成分は、パロキセチン塩酸塩水和物(Paroxetine Hydrochloride Hydrate)で、セロトニンの再取込を阻害する作用があります。

この作用により、脳内のセロトニン濃度が高まり、うつ状態の気分を緩和させ、気分を高揚させる効果が期待されます。

適応症は以下の通りです。

・うつ病・うつ状態
・パニック障害
・強迫性障害
・社会不安障害
・外傷後ストレス障害

但し、24歳未満の若い方が服用する際には、近年、効果が疑問視されております。

かえって、自殺などのリスクを高めるとの報告があるため、医師や薬剤師と相談し、服用に際しては、慎重に対応する必要があります。

本剤は、グラクソ・スミスクライン株式会社により製造販売されています。

スポンサーリンク

主な副作用

パキシルの副作用として、最も多いのは、傾眠となっています。これは承認時のデータです。

実際に利用され始めてからのデータでは、嘔気が多く報告されており、実際に吐き気に悩まされた方も多い様です。

副作用の症状からすると、吐き気は辛い症状です。通常、2週間程度で収まると言われていますが、個人差があり、いつまでも吐き気が継続される方もいらっしゃいます。

個々人とパキシルの相性もありますので、遠慮せず、医師に報告し、相談してください。

めまいも多く報告されている症状です。傾眠やめまい等の症状が現れると、車の運転中や、危険を伴う作業中、高所での作業中には、リスクが高くなりますので、極力この様な作業を控えるか、十分な注意が必要です。

頭痛や便秘なども、比較的多く報告されております。これも症状がひどい場合には、速やかに医師とご相談ください。

パキシルは、飲み始めに、上記の様な副作用が発生する可能性が高いのですが、止める際にも、突然中止すると、吐き気やふらつき、めまい、不眠などの離脱症状が現れます。

服用量は、自分の判断で突然減らすのではなく、医師と相談の上、段階的に少しづつ減少させる様にしてください。

若い方や子供の場合には、症状が悪化したり、自殺願望が高くなる可能性もあるため、服用に際して十分注意する必要があります。

高齢者の場合には、副作用が出やすい傾向がありますので、服用量は、医師と相談し、少量から始めましょう。これは、腎臓や肝臓に疾患のある方も同様に少量から開始しましょう。

妊婦の方、又は、その可能性のある方は、新生児の先天異常リスクが大きくなると言う報告がありますので、服用に際しては、医師と十分相談してください。

パキシルの服用に伴い、緑内障の方、てんかんの方、躁病の方、出血性疾患のある方は、その症状が悪化する可能性もありますので、これらの症状に十分注意し、悪化や副作用が認められた場合には、速やかに医師と相談してください。

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群) 皮膚が斑(まだら)模様に赤くなる、皮膚に水脹れが発生する(各種皮膚障害)、発熱する、関節が痛む、目が充血する等
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN) 皮膚が赤くなる、皮膚に水脹れが発生する(各種皮膚障害)、皮膚が焼けるように痛む、発熱する、口内が荒れる等
セロトニン症候群 悪寒がする、発熱する、手が震える、不安になる、焦燥感がある、興奮する、錯乱する、幻覚が見える、反射亢進する、ミオクロヌスが現れる、発汗する、戦慄を覚える、頻脈になる、振戦が現れる等。セロトニン作用薬を併用した場合に発生する可能性が高くなる
重篤な肝機能障害 発熱する、腹痛がある、肝腫大になる、肝不全になる、肝壊死になる、肝炎になる、黄疸になる等
悪性症候群 無動緘黙になる(むどうかんもく:無言症。無動無言状態のこと)、強度の筋強剛になる(きんきょうごう:筋肉のこわばり)、嚥下困難になる、頻脈になる、血圧が変動する、発汗する等の症状が発現し、その後、発熱する場合もある。抗精神病薬を併用した場合、現れる可能性が高い
幻覚 実在していないものが聴こえる(幻聴)、視える(幻視)、感じる(体感幻覚)等
錯乱 外部の状況に対し適した対応が出来ない、話や動作に一貫性がない
痙攣(けいれん) 興奮状態が継続する、怒りっぽくなる、ぼんやりする、よろめく、吐き気がする、めまいがする、下肢のコントロールができない、筋肉の付随現象がおこる等
譫妄(せんもう) イライラする、疲れが取れない、不眠になる、強い倦怠感がある、下痢する、動悸がする等
多形紅斑(たけいこうはん) 手の甲・足の甲・肘・膝などの四肢伸側に左右対称に円形の紅斑が多発する、発熱する、痛みがある等
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH) 短期間に浮腫(むく)まないで体重が増加した、頭痛がする、吐き気がする、主に高齢の方で低ナトリウム血症が発生した、痙攣になる等

上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
過敏症 発疹がある、そう痒がある、蕁麻疹(じんましん)が発現する、血管浮腫がおこる、紅斑性発疹がある、光線過敏症になる
精神神経系 傾眠になる、めまいがする、頭痛がある、不眠になる、振戦が現れる、神経過敏になる、知覚減退が起こる、感情鈍麻になる、躁病反応をする、錐体外路障害がおこる、緊張亢進する、あくびをする、アカシジアが発現する、激越する、離人症になる、失神する、異常な夢を見る(悪夢を含む)、レストレスレッグス症候群になる
肝臓 肝機能検査値が異常になる(ALT(GPT)、AST(GOT)、γ-GTP、LDH、Al-P、総ビリルビンの上昇、ウロビリノーゲン陽性等)
消化器 嘔気がある、便秘になる、食欲不振になる、腹痛になる、口渇がおこる、嘔吐する、下痢する、消化不良になる
循環器 心悸亢進する、一過性の血圧上昇や低下がおこる、起立性低血圧になる、頻脈がある
血液 白血球増多又は減少がおこる、ヘモグロビンが減少する、ヘマトクリット値が増加又は減少する、異常出血(皮下溢血、紫斑、胃腸出血等)がある、赤血球が減少する、血小板が減少する
腎臓 尿沈渣(赤血球、白血球)がおこる、BUN上昇がおこる、尿蛋白がでる
全身症状 けん怠感がある、ほてりがある、無力症になる、疲労がある
その他 性機能異常(射精遅延、勃起障害等)がおこる、発汗する、総コレステロールが上昇する、排尿困難になる、体重が増加する、尿閉がおこる、血清カリウムが上昇する、総蛋白が減少する、霧視になる、尿失禁をおこす、視力異常になる、乳汁が漏出する、末梢性浮腫がおこる、散瞳になる、急性緑内障になる、高プロラクチン血症になる
過量投与 上記副作用の他、発熱する、不随意筋の収縮がおこる、不安になる等

 

パキシルについて

海外での、パキシルの試験で、7歳から18歳までの方に対しては、プラセボとの比較で、有効性を確認できないとの報告があります。

つまり、本剤の効果が確認できなかったということです。さらに、自殺リスクが高くなるという報告もあります。

そのため、18歳未満の方が本剤を利用する際には、慎重に検討することが警告されております。

さらに、18歳から24歳の、うつ病の方への利用に際しても、良い結果が確認できていないとの報告があります。

特に、躁うつ病の方の場合、まったく逆効果になる場合もあるため、うつ病などとの判断を慎重に行う必要があります。

他の薬剤との併用により、セロトニン作用など、その薬剤の効果を増強する可能性がありますので、併用に際しては、注意が必要です。

他に持病があり、服用しているお薬のある方は、医師や薬剤師と相談してください。

妊娠されている方、妊娠する可能性のある方は、基本的に、本剤はなるべく利用しない方が良いでしょう。海外では、様々な先天異常や副作用の発生が報告されているためです。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
・MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止後2週間以内の方
・ピモジドを投与中の方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・躁うつ病の方
・自殺念慮又は自殺企図の既往のある方
・自殺念慮のある方
・脳の器質的障害の素因のある方
・統合失調症の素因のある方
・衝動性が高い併存障害を有する方
・てんかんの既往歴のある方
・緑内障のある方
・抗精神病剤を投与中の方
・高齢の方
・出血の危険性を高める薬剤を併用している方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・授乳婦の方
・小児等

以下の薬剤等との併用は、基本的に禁忌です。ご利用されている方は、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。

・MAO阻害剤
  ・セレギリン塩酸塩
  ・エフピー
・ピモジド
  ・オーラップ

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。

・セロトニン作用を有する薬剤
  ・炭酸リチウム
  ・選択的セロトニン再取り込み阻害剤
  ・トリプタン系薬剤(スマトリプタン等)
  ・セロトニン前駆物質(L-トリプトファン、5-ヒドロキシトリプトファン等)含有製剤又は食品等
  ・トラマドール
  ・フェンタニル
  ・リネゾリド
  ・セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等
・フェノチアジン系抗精神病剤
  ・ペルフェナジン
・リスペリドン
・三環系抗うつ剤
  ・アミトリプチリン塩酸塩
  ・ノルトリプチリン塩酸塩
  ・イミプラミン塩酸塩
・抗不整脈剤
  ・プロパフェノン塩酸塩
  ・フレカイニド酢酸塩
・β-遮断剤
  ・チモロールマレイン酸塩
  ・メトプロロール酒石酸塩
・アトモキセチン
・タモキシフェン
・キニジン
・シメチジン
・フェニトイン
・フェノバルビタール
・カルバマゼピン
・リファンピシン
・ホスアンプレナビルとリトナビルの併用時
・ワルファリン
・ジゴキシン
・止血・血液凝固を阻害する薬剤
  ・非ステロイド性抗炎症剤
  ・アスピリン
  ・ワルファリン等
・出血症状の報告のある薬剤
  ・フェノチアジン系抗精神病剤
  ・非定型抗精神病剤
  ・三環系抗うつ剤等
・アルコール(飲酒)

 

シェアありがとうございます

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
PAGE TOP ↑