フルタイドによる副作用
フルタイドとは
フルタイド(Flutide)とは、気道の炎症を抑制する喘息のお薬です。
本剤の主成分は、フルチカゾンプロピオン酸エステル(Fluticasone Propionate)で、ステロイド剤です。
炎症を抑える抗炎症作用により、炎症起因物質であるサイトカイン、好酸球、マスト細胞を減少させることにより気道部分の組織の反応を抑制します。
また、血管透過性抑制作用や粘液の分泌抑制作用もあり、これらの作用により喘息が起きにくくする効果が期待されます。
通常、本剤を吸入して利用します。
毎日規則正しく吸入することにより喘息の予防効果が期待されます。
但し、効果がでるまでに数週間かかる場合があります。また、起きている発作を止める効果は期待できません。
適応症は以下の通りです。
・気管支喘息
応用として花粉症にも利用される場合があります。
本剤は、グラクソ・スミスクライン株式会社により製造販売されています。
正式名称は、「フルタイド100ディスカス」等です。
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主な副作用
フルタイドの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。
(成人)
・口腔及び咽喉頭症状(不快感、むせる、疼痛、刺激感、異和感)
・嗄声がきこえる
・悪心がある
・口腔内カンジダ症になる
・口内が乾燥する
(小児)
・血中コルチゾールが減少する
・口腔カンジダ症になる
・副鼻腔炎になる
・むせる
・嗄声がきこえる
重大・重篤な副作用
重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。
副作用の名称 | 想定される症状等 |
---|---|
アナフィラキシー様症状 | 紅斑ができる、悪寒がする、口唇浮腫ができる、咽頭浮腫ができる、口内の違和感がある、かゆみがある、くしゃみする、顔面が紅潮する、熱感がある、吐き気がする、嘔吐する、尿意がある、便意がある、そう痒感がある、全身が発赤する、顔面や喉頭浮腫ができる、呼吸困難になる、血圧が低下する、喘鳴(ぜんめい)がきこえる、血管浮腫ができる、不快感がある、眩暈(めまい)がする、耳鳴がきこえる、発汗する、蕁麻疹(じんましん)がでる等 |
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。
重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。
その他の副作用
その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。
副作用の部位名称等 | 副作用の名称、症状 |
---|---|
過敏症 | 発疹ができる、蕁麻疹(じんましん)がでる、顔面浮腫ができる |
口腔並びに呼吸器 | 口腔及び咽喉頭症状がでる(不快感がある、むせる、疼痛がある、刺激感がある、異和感がある)、嗄声がきこえる、口腔及び呼吸器カンジダ症になる、味覚異常がみられる、咳がでる、口内が乾燥する、感染症になる |
消化器 | 悪心がある、腹痛になる、食道カンジダ症になる |
精神神経系 | 睡眠障害がみられる、不安になる、易刺激性がみられる、攻撃性がみられる |
その他 | 鼻炎になる、胸痛がする、浮腫ができる、気管支攣縮がおこる、高血糖になる、皮膚挫傷がみられる(皮下出血等) |
過量投与 | 低血糖になる、及びそれに伴う意識の低下、痙攣(けいれん)する、これらの症状を伴う急性副腎皮質機能不全 |
フルタイドについて
上記にも記載しましたが、本剤は気管支喘息を予防するためのお薬です。
気管支喘息の発作が現れた場合には、速やかに気管支拡張作用のあるお薬をご利用ください。
本剤吸入後は、声のかすれ等を予防するため、うがいを行い口をすすいでください。
持病やアレルギーのある方は、事前に医師とご相談ください。
尚、本剤の減量や中止は自己の判断で勝手に行わない様にしてください。かえって症状が悪化する場合があります。
必ず医師と相談の上、徐々に減量する必要があります。
以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。
・有効な抗菌剤の存在しない感染症の方
・有効な抗菌剤の存在しない深在性真菌症の方
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
以下の方は、原則禁忌です。
・結核性疾患の方
以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。
・感染症にかかっている方
・糖尿病の方
・高齢の方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・授乳婦の方
・小児等
以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。
・CYP3A4阻害作用を有する薬剤
・リトナビル等