ヒブワクチンによる副反応(副作用)

公開日:  最終更新日:2017/08/12

ヒブワクチンとは

ヒブワクチン(Hib Vaccine)とは、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)b型の免疫を付け、感染を予防するためのワクチンです。

Hib(ヒブ)とは、真正細菌のインフルエンザ菌b型の略称です。ややこしいのですが、冬場に流行するインフルエンザウィルスとは全く別ものです。

Hibは主に、乳幼児が感染し、肺炎や敗血症、喉頭蓋炎等の感染症の原因となる菌で、特に細菌性髄膜炎(Hib髄膜炎)が重篤な感染症として知られています。

これまでのデータから、Hib髄膜炎になった場合、約5%の方が死亡し、約25%の方に知能障害、聴力障害等の重い後遺症が残ります。

感染のピークは、生後8か月頃であるため、なるべく早く予防接種を受ける必要があります。

ヒブワクチンは、世界100か国以上で14年間に約1億5000万回の接種実績があり、その効果は劇的なものとして、世界保健機構(WHO)も、ワクチンの接種を推奨しています。

尚、日本では、2013年から定期接種となり、無償で受けられる様になっております。

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主な副反応(副作用)

ヒブワクチン(アクトヒブ:ActHIB)の主な副反応(副作用)を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。

・注射部位が発赤する
・注射部位が腫脹する
・注射部位が硬結する
・不機嫌になる
・不眠になる
・食欲不振になる
・下痢する
・注射部位に疼痛がある
・嘔吐する
・傾眠する
・発熱する
・異常号泣する

重大・重篤な副反応(副作用)

重大・重篤レベルの副反応(副作用)としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副反応(副作用)リスト
副反応(副作用)の名称 想定される症状等
ショック 血圧低下に伴う失神、意識が消失する、チアノーゼ(皮膚や粘膜が紫色になる)がみられる、呼吸困難になる、胸内苦悶がある、冷感がある、嘔吐する、顔が赤くなる、痒み(かゆみ)がある、蕁麻疹(じんましん)がでる、痺れ(しびれ)がある、動悸がする、息切れする等
アナフィラキシー様症状 紅斑がでる、悪寒がする、口腔咽頭浮腫ができる、口内の違和感がある、かゆみがある、くしゃみをする、顔面紅潮する、熱感がある、吐き気がする、嘔吐する、尿意がある、便意がある、そう痒感がある、全身が発赤する、顔面や喉頭の浮腫ができる、呼吸困難になる、血圧が低下する、喘鳴(ぜんめい)がきこえる、血管浮腫ができる、不快感がある、眩暈(めまい)がする、耳鳴(みみなり)がする、発汗する等
痙攣(けいれん) 全身の筋肉がピクピクする、痺れ(しびれ)がある、チクチクと痛む、瞬間うとうとと眠くなる、失神する、錯乱する、脱力する、膀胱の調節機能が消失する、興奮状態が継続する、怒りっぽい、ぼんやりする、よろめく、吐き気がする、眩暈(めまい)がする、下肢コントロールが不能になる、筋肉の付随現象がおこる等
血小板減少性紫斑病 皮膚や粘膜等の出血症状や紫斑(しはん)や青アザがでる、歯ぐきからの出血がある、鼻血がでる、黒い便がでる、血尿がでる、月経過多になる等

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副反応(副作用)は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副反応(副作用)

その他の副反応(副作用)としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副反応(副作用)リスト
副反応(副作用)の部位名称等 副反応(副作用)の名称、症状
過敏症 蕁麻疹(じんましん)がでる、発疹がでる、過敏症反応がでる、そう痒症になる、浮腫(顔面、喉頭等)ができる
局所症状(注射部位) 紅斑(発赤)がでる、腫脹する、硬結する、疼痛がある等、注射部位の炎症症状がでる
精神神経系 易刺激性(不機嫌)になる、不眠になる、傾眠になる、神経過敏になる、異常号泣する
消化器 食欲不振になる、下痢する、嘔吐する、口唇が変色する
呼吸器 咳がでる、鼻炎になる、鼻出血がある
その他 発熱する、血色不良になる、結膜炎になる、皮膚が肥厚する、下肢浮腫ができる

 

ヒブワクチンについて

以下の方は、基本的に禁忌(接種不適当者)です。

・明らかな発熱を呈している方
・重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな方
・本剤の成分または破傷風トキソイドによってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな方
・上記以外の方でも,予防接種を行うことが不適当な状態にある方

ヒブの感染者は、0歳~1歳が7割を占め、生後8か月前後がピークとなっております。

6歳以上になると、発症例は、ほとんどありません。

通常、ヒブに感染した場合、体外へ自然に排除されるため、髄膜炎等になるケースは極めて稀です。

1994年当時の調査によると、乳幼児の細菌性髄膜炎の原因菌として、ヒブが43%と突出していることが判明しました。

ヒブの初期症状は、発熱や嘔吐、元気がない等、風邪の症状と似ており、早期診断が難しいのが現実です。

また、ヒブの病状は、急速に進行するため、治療も難しく、さらに抗生剤に対する耐性のある菌が多くなり、ワクチンによる予防が、最適と言われています。

 

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