リボトリール、ランドセンによる副作用
リボトリール、ランドセンとは
リボトリール（RIVOTRIL）、ランドセン（Landsen）とは、てんかんの発作を予防するためのお薬です。
主成分はどちらもクロナゼパム（Clonazepam）で、脳のベンゾジアゼピン受容体に作用する抗不安薬です。
痙攣（けいれん）や意識消失等の発作を抑制します。また、パニック障害や身体の震え等にも利用されております。
作用的には強い方で、作用時間も長い方に分類されます。（24時間以上）
副作用につきましては少ない方に分類されるお薬です。
適応症は、以下の通りです。
・小型（運動）発作
（ミオクロニー発作、失立（無動）発作、
点頭てんかん（幼児けい縮発作、BNS痙攣等））
・精神運動発作
・自律神経発作
脳の神経を鎮静化させる作用があるため、上記とは別に、応用例として、以下の様な症状にも利用されております。
・パニック障害
・体の不随意運動（無意識な体の動き・ふるえ）
・レストレスレッグ症候群（むずむず脚症候群）
・不安神経症
・各種不安障害
・躁病
・うつ病
・神経痛（鎮痛補助薬として）
リボトリールは、中外製薬株式会社により、また、ランドセンは、大日本住友製薬株式会社により製造販売されております。
スポンサーリンク
主な副作用
リボトリール、ランドセンの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。
・眠気がする
・ふらつく
・喘鳴（ぜんめい）が聞こえる
・AST（GOT）値が上昇する
・ALT（GPT）値が上昇する
重大・重篤な副作用
重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。
| 副作用の名称 | 想定される症状等 |
|---|---|
| 依存性 | 連用により薬物依存、薬をやめられない、 |
| 呼吸抑制 | 頭痛がする、眩暈（めまい）がする、動悸がする、息切れする、不安感がある、判断力が鈍化する |
| 睡眠中の多呼吸発作 | 呼吸回数が増える、睡眠中の呼吸が速くなる、翌朝に頭痛がする、頭が重い等 |
| 刺激興奮 | 興奮する、不眠になる、もうろう状態になる、取り乱す等 |
| 錯乱 | 外部状況に対し適した対応が出来ない状態、話や動作にまとまりがない |
| 肝機能障害 | 倦怠感が増大する、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い状態、黄疸がでる、AST（GOT）値が上昇する、ALT（GPT）値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する等 |
| 黄疸 | 嘔気がする、嘔吐する、食欲不振になる、倦怠感がある、そう痒がある等、皮膚や白目が黄色くなる、下痢する、全身の脱力感がある、38度から39度の発熱がある、ブツブツ状の発疹ができる等 |
| 離脱症状 | 大量投与や連用中の急激な投与量の減少、投与の中止に伴い、痙攣（けいれん）発作をおこす、せん妄が生じる、振戦がみられる、不眠になる、不安になる、幻覚がある、妄想する等 |
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。
重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。
その他の副作用
その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。
| 副作用の部位名称等 | 副作用の名称、症状 |
|---|---|
| 精神神経系 | 眠気がする、ふらつく、意識障害がある、眩暈（めまい）がする、運動失調になる、神経過敏（不機嫌になる、興奮する等）になる、無気力になる、情動が不安定になる、筋緊張低下がみられる、頭痛がする、構音障害がみられる、寡動（活動低下、運動抑制等）になる、運動過多になる、不眠になる、頭重になる、もうろう感がある、注意力が低下する、眩暈（めまい）がする、振戦になる、痺れ（しびれ）がみられる、行動異常がみられる、歩行異常がみられる、不安になる、幻覚がある、筋緊張亢進がみられる、知覚異常がみられる、うつ状態になる、攻撃的反応をする |
| 呼吸器 | 喘鳴（ぜんめい）が聞こえる、呼吸困難になる、気道分泌過多になる、喀痰が増加する、咳がでる |
| 眼 | 複視になる、目がかすむ、羞明（しゅうめい）を感じる |
| 消化器 | 唾液増加（流涎等）がみられる、食欲不振になる、悪心がある、嘔吐する、口が渇く、嚥下障害がみられる、口内炎ができる、腹痛になる、便秘する、下痢する、吃逆（きつぎゃく：しゃっくり）がみられる、食欲が亢進する |
| 泌尿器 | 尿失禁する、排尿困難になる |
| 血液 | 血小板が減少する、好酸球が増多する、白血球が減少する、貧血をおこす |
| 肝臓 | AST（GOT）値が上昇する、ALT（GPT）値が上昇する、Al-P値が上昇する、LDH値が上昇する、γ-GTP値が上昇する |
| 過敏症 | 過敏症状がでる、発疹ができる |
| その他 | 性欲が減退する、脱力する、けん怠感がある、体重が減少する、疲労する、ほてり（熱感、顔面潮紅）がある、発熱する、体重が増加する、いびきをかく、月経不順になる |
| 過量投与 | 傾眠がみられる、錯乱する、昏睡になる、反射性低下がみられる、呼吸抑制がみられる、血圧が低下する等 |
リボトリール、ランドセンについて
リボトリールも、ランドセンも、同じ成分のお薬です。なので、基本的に作用は同じです。
主に抗てんかん薬として利用されておりますが、脳を静める作用から、広く様々な治療に応用されております。
持続時間が長いので、１日１～２回の服用で済みます。
持病やアレルギーのある方は、医師と相談してください。
また、副作用として眠気を生じたり、ふらつくことがあるため、念のため、車の運転や危険を伴う作用等は控えてください。
お酒（アルコール）は、中枢神経抑制作用を増強させることがあるため控えてください。
このお薬は、作用を見つつ医師の判断で服用量を徐々に増加させたり減少させる必要があります。
そのため、自分の判断で、勝手に服用量を増減させたり、中止したりすることはやめてください。痙攣（けいれん）発作等が強く発現したりする場合があります。
以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
・急性狭隅角緑内障の方
・重症筋無力症の方
以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。
・心障害のある方
・肝障害のある方
・腎障害のある方
・脳に器質的障害のある方
・呼吸機能の低下している方
・高齢の方
・衰弱している方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・授乳中の方
・小児
以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、医師とご相談ください。
・抗てんかん剤（ヒダントイン誘導体）
・抗てんかん剤（バルビツール酸誘導体等）
・中枢神経抑制剤（フェノチアジン誘導体等）
・アルコール（飲酒）
・モノアミン酸化酵素阻害剤
・バルプロ酸
