ゼチーアによる副作用
ゼチーアとは
ゼチーア(Zetia)とは、血液中にあるコレステロールを減少させるお薬です。
通常、高コレステロール血症等の治療に利用されます。
主成分のエゼチミブ(Ezetimibe)は、小腸内でコレステロールの吸収に使用される物質をブロックし、胆汁性および食事性のコレステロールを体内へ取り込まない様にする作用があります。
この作用により、LDL(悪玉)コレステロールが減少し、HDL(善玉)コレステロールが増加します。
さらに、中性脂肪(トリグリセリド)を低下させる作用もあると言われています。
適応症は以下の通りです。
・高コレステロール血症
・家族性高コレステロール血症
・ホモ接合体性シトステロール血症
下記の症状にも利用されています。
・高脂血症
・動脈硬化性網膜症
・脂質異常症
・閉塞性動脈硬化症
本剤は、MSD株式会社により製造販売されています。
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主な副作用
ゼチーアの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。
・便秘になる
・発疹ができる
・下痢する
・腹痛がある
・腹部膨満がある
・悪心がある
・嘔吐する
主な臨床検査値の異常は以下の通りです。
・γ-GTP値が上昇する
・CK(CPK)値が上昇する
・ALT(GPT)値が上昇する
重大・重篤な副作用
重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。
副作用の名称 | 想定される症状等 |
---|---|
過敏症 | 蕁麻疹(じんましん)がでる、全身発赤がみられる、顔や喉の腫れがある、アナフィラキシーがみられる、息苦しい、血管神経性浮腫ができる、発疹を含む過敏症状がある等 |
横紋筋融解症 | 手足肩を中心とした筋肉痛やこわばりがみられる、手足が痺れる(しびれる)、赤褐色の尿がでる、脱力感がある、CK(CPK)値が上昇する、血中及び尿中ミオグロビン値が上昇する等、急激な腎機能悪化を伴う場合あり |
ミオパシー | 手足のしびれ感がある、手足が痛む、足がだるい、椅子から立てない、転びやすい、腕を上げにくい等 |
肝機能障害 | 倦怠感が増大する、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い状態、黄疸がでる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する等 |
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。
重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。
その他の副作用
その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。
副作用の部位名称等 | 副作用の名称、症状 |
---|---|
精神神経系 | 頭痛がする,しびれる,眩暈(めまい)がする,坐骨神経痛になる、抑うつがみられる,錯感覚がみられる |
消化器 | 便秘になる,下痢する,腹痛がある,腹部膨満がみられる,悪心がある、嘔吐する、アミラーゼ値が上昇する,食欲不振になる,消化不良がある,逆流性食道炎になる,鼓腸放屁がある,口内炎ができる,胃炎になる、膵炎になる,胆石症になる,胆のう炎になる,口内乾燥がみられる |
肝臓 | ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、AST(GOT)値が上昇する、ビリルビン値が上昇する、肝炎になる |
腎臓 | 蛋白尿がでる、BUN値が上昇する |
循環器 | 期外収縮がみられる、動悸がする、血圧が上昇する、胸痛がある、ほてりがある |
筋肉 | CK(CPK)値が上昇する、関節痛がある、背部痛がある、四肢痛がある、筋肉痛がある、筋力が低下する、筋痙縮がみられる |
血液 | 白血球が減少する、血小板が減少する |
皮膚 | 発疹がでる、そう痒がある、蕁麻疹(じんましん)がでる,多形紅斑がみられる |
その他 | コルチゾール値が上昇する、テストステロン値が低下する、TSH値が上昇する、尿酸値が上昇する、リン値が上昇する、疲労する、浮腫(顔面・四肢)ができる、帯状疱疹がでる、単純疱疹がでる、結膜炎になる、咳嗽(がいそう)がみられる、無力症になる、疼痛がある |
ゼチーアについて
セチーアは、「小腸コレステロールトランスポーター阻害薬」と呼ばれる比較的新しいコレステロール低下薬です。
効果は比較的長く継続するため、1日1回の服用で済みます。
作用的に、脂溶性ビタミンの吸収を阻害せず、他薬剤との相互作用も少ないのが特徴です。
持病やアレルギーのある方は、事前に医師とご相談ください。
以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
・本剤とHMG-CoA還元酵素阻害剤を併用する可能性のある方
・重篤な肝機能障害のある方
以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。
・シクロスポリンを利用している方
・肝機能障害のある方
・糖尿病の方
以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、医師とご相談ください。
・陰イオン交換樹脂
・コレスチミド
・コレスチラミン等
・シクロスポリン
・クマリン系抗凝血剤
・ワルファリン等
コレステロール値が高い状態を放置すると、自覚症状はなくてもやがて動脈硬化が進行し、ある日突然、狭心症、心筋梗塞、脳卒中を引き起こす可能性が高まります。
高コレステロール血症等の改善には、まず、食事療法や運動療法を行い、禁煙も行い、バランスの取れた生活習慣が必要です。