マーベロンによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/11

マーベロンとは

マーベロン(MARVELON)とは、避妊するためのお薬です。

経口避妊剤で低用量ピルとして避妊薬として利用されていますが、その他にも生理痛等を緩和する効果も期待されます。

主な成分は、黄体ホルモン薬のデソゲストレル(Desogestrel)と、卵胞ホルモン薬のエチニルエストラジオール(Ethinylestradiol)で、排卵を抑制し受精を極力させない作用があります。

また、性腺刺激ホルモンの分泌を抑制する作用もありますので、これにより卵胞の成長を抑え排卵を起こしにくくします。

子宮の頚管粘液の粘度を高める作用があり、精子の子宮への侵入を防止する効果もあります。

さらに、万が一、排卵して受精した場合でも受精卵が着床し辛い状態が保持されます。

適応症は以下の通りです。

・避妊

その他にも以下の症状に対する効果が報告されています。

・生理痛の抑制
・生理不順の解消
・卵巣がんの予防
・月経困難症
・子宮内膜症

本剤は、MSD株式会社により製造販売されています。

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主な副作用

マーベロンの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。

・不正性器出血がみられる
・悪心がある
・頭痛がする
・乳房痛がある
・月経過多になる
・嘔吐する
・倦怠感がある
・下痢する
・腹痛がある

また主な臨床検査値の異常は以下の通りです。

・AST(GOT)値が上昇する
・ALT(GPT)値が上昇する
・白血球数が減少する
・アルドステロンが上昇する

血栓症リスクが高くなる傾向があるため、十分な注意が必要です。

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
血栓症(四肢、肺、心、脳、網膜等の異常) 手足のマヒや痺れ(しびれ)がある、しゃべりにくい(構語障害)、急性視力障害がおこる、胸の痛みがある、突然の息切れや呼吸困難になる、激しい頭痛がする、片方の足の急激な痛みや腫れ等がおこる、

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
過敏症 発疹ができる
網膜血流障害による視力障害がおこる、視力障害がおこる
肝臓 黄疸がでる、肝機能異常がある、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する
電解質代謝 ナトリウムや体液の貯留による浮腫ができる、体重が増加する
子宮 不正性器出血がみられる(破綻出血、点状出血)、月経過多になる、帯下がみられる、月経痛がある、性交痛がある
乳房 乳房痛がある、乳房緊満(感)がある
循環器 血圧が上昇する、動悸がする、期外収縮がみられる
消化器 悪心がある、嘔吐する、下痢する、腹痛がある、便秘する、食欲が減退する、胸やけがする、口が渇く、腹部膨満感がある
呼吸器系 咽頭痛がある、咳嗽(がいそう)がある
精神神経系 頭痛がする、倦怠感がある、眩暈(めまい)がする、眠気がある、抑うつになる、いらいら感がある
皮膚 ざ瘡がある、湿疹ができる、そう痒感がある、色素沈着がある、紅斑ができる
その他 腰痛がある、性感減退がみられる、下肢痛がある、顔面浮腫ができる、性欲が減退する、胸痛がある、肩こりがある、手指のこわばりがある、白血球が減少する、アルドステロンが上昇する

 

マーベロンについて

持病やアレルギーのある方は事前に医師とご相談ください。

また、本剤を利用している状態で病院(歯科含む)に行く場合には、本剤(ピル)を利用している旨、お伝えください。

血栓症の初期症状には十分な注意を行い、もし上記に記載した様な症状が発現した場合には速やかに病院で診断を受けてください。

経口避妊剤は、HIV感染(エイズ)及び他の性感染症(例えば梅毒、性器ヘルペス、淋病、クラミジア感染症、尖圭コンジローマ、腟トリコモナス症、B型肝炎等)を防止するものではありません。

これらの防止にはコンドームの利用が有効です。

海外の疫学調査によると、静脈血栓症のリスクは経口避妊剤を服用している女性の場合、服用していない女性と比較して最大4.0倍程、高くなる報告があります。

同様に乳癌や子宮頸癌になるリスクも高くなるとの報告があります。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・本剤の成分に対して過敏症素因のある方
・エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば乳癌、子宮内膜癌)のある方
・エストロゲン依存性悪性腫瘍の疑いのある方
・子宮頸癌の方
・子宮頸癌の疑いのある方
・診断の確定していない異常性器出血のある方
・血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患の方
・血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患の既往歴のある方
・35歳以上で1日15本以上の喫煙をする方
・前兆(閃輝暗点、星型閃光等)を伴う片頭痛のある方
・肺高血圧症又は心房細動を合併する心臓弁膜症の方
・亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の方
・血管病変を伴う糖尿病の方(糖尿病性腎症、糖尿病網膜症等)
・血栓性素因のある方
・抗リン脂質抗体症候群の方
・手術前4週以内、術後2週以内、産後4週以内の方
・長期間安静状態の方
・重篤な肝障害のある方
・肝腫瘍のある方
・脂質代謝異常のある方
・高血圧のある方(軽度の高血圧の患者を除く)
・耳硬化症の方
・妊娠中に黄疸、持続性そう痒症又は妊娠ヘルペスの既往歴のある方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・授乳婦の方
・骨成長が終了していない可能性がある方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・40歳以上の方
・子宮筋腫のある方
・乳癌の既往歴のある方
・乳癌の家族歴又は乳房に結節のある方
・喫煙している方
・肥満している方
・血栓症の家族歴を持つ方
・前兆を伴わない片頭痛のある方
・心臓弁膜症の方
・軽度の高血圧(妊娠中の高血圧の既往も含む)のある方
・耐糖能の低下している方
・ポルフィリン症の方
・肝障害のある方
・心疾患のある方、又はその既往歴のある方
・腎疾患のある方、又はその既往歴のある方
・てんかんのある方
・テタニーのある方

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、医師とご相談ください。

・副腎皮質ホルモン
  ・プレドニゾロン等
・三環系抗うつ剤
  ・イミプラミン等
・セレギリン塩酸塩
・シクロスポリン
・テオフィリン
・オメプラゾール
・リファンピシン
・バルビツール酸系製剤
  ・フェノバルビタール等
・ヒダントイン系製剤
  ・フェニトインナトリウム等
・カルバマゼピン
・グリセオフルビン
・ボセンタン
・モダフィニル
・トピラマート
・テトラサイクリン系抗生物質
  ・テトラサイクリン等
・ペニシリン系抗生物質
  ・アンピシリン等
・テルビナフィン塩酸塩
・Gn-RH誘導体
  ・ブセレリン酢酸塩等
・血糖降下剤
  ・インスリン製剤
  ・スルフォニル尿素系製剤
  ・スルフォンアミド系製剤
  ・ビグアナイド系製剤等
・ラモトリギン
・モルヒネ
・サリチル酸
・HIV感染症治療薬
・HIVプロテアーゼ阻害剤
  ・ネルフィナビルメシル酸塩
  ・リトナビル
  ・ダルナビル
・非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤
  ・ネビラピン
・フルコナゾール
・ボリコナゾール
・アセトアミノフェン
・セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

 

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