ジスロマックによる副作用
ジスロマックとは
ジスロマック（ZITHROMAC）とは、抗生物質です。細菌を殺菌するためのお薬です。
原因が細菌の様々な感染症等に利用されています。
主成分は、マクロライド系抗生物質のアジスロマイシン水和物（Azithromycin Hydrate）で、原因菌のタンパク合成を阻害することで菌の増殖を抑制します。
クラミジア感染症等の治療薬として利用されています。
適用菌種は、以下の通り。
・アジスロマイシンに感性のブドウ球菌属
・レンサ球菌属
・肺炎球菌
・淋菌
・モラクセラ（ブランハメラ）・カタラーリス
・インフルエンザ菌
・レジオネラ・ニューモフィラ
・ペプトストレプトコッカス属
・プレボテラ属
・クラミジア属
・マイコプラズマ属
適応症は、以下の通りです。
・深在性皮膚感染症
・リンパ管
・リンパ節炎
・咽頭
・喉頭炎
・扁桃炎（扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍を含む）
・急性気管支炎
・肺炎
・肺膿瘍
・慢性呼吸器病変の二次感染
・尿道炎
・子宮頸管炎
・骨盤内炎症性疾患
・副鼻腔炎
・歯周組織炎
・歯冠周囲炎
・顎炎
ジスロマックは、ファイザー株式会社から製造・販売されています。
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主な副作用
ジスロマックの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。
・下痢する
・好酸球数が増加する
・ALT（GPT）数が増加する
・白血球数が減少する
・AST（GOT）数が増加する
重大・重篤な副作用
重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。
| 副作用の名称 | 想定される症状等 |
|---|---|
| ショック | 血圧低下に伴い失神する、意識消失する、チアノーゼになる、呼吸困難になる、胸内苦悶がある、冷感がある、嘔吐する、顔が赤くなる、痒みがする、蕁麻疹（じんましん）がでる、痺れる（しびれる）、動悸がする、息切れする等 |
| アナフィラキシー様症状 | 紅斑がでる、悪寒がする、口腔咽頭浮腫ができる、口内の違和感がある、かゆみがある、くしゃみする、顔面紅潮がある、熱感がある、吐き気がする、嘔吐する、尿意がある、便意がある、そう痒感がある、全身発赤する、顔面や喉頭浮腫ができる、呼吸困難になる、血圧が低下する、喘鳴（ぜんめい）がきこえる、血管浮腫ができる、不快感がある、眩暈（めまい）がする、耳鳴がする、発汗する等 |
| 中毒性表皮壊死融解症(Toxic EpidermalNecrolysis：TEN) | からだがだるい、関節が痛む、皮膚が焼けるように痛む、全身の赤い斑点と破れやすい水ぶくれができる（水疱）、発熱する、食欲不振になる、口内が荒れる等 |
| 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群) | 高熱がでる、陰部が痛む、関節が痛む、ひどい口内炎になる、唇や口内がただれる、発熱する、皮膚がまだら模様に赤くなる、皮膚に水脹れが出る（各種皮膚障害）、中央にむくみをともなった赤い斑点ができる、赤い発疹ができる、まぶたや眼の充血がある、結膜がただれる、食欲不振になる、からだがだるい等 |
| 肝炎 | 白目や皮膚が黄色くなる、高熱がでる、倦怠感が増大する、黄色い尿がでる、淡黄色の便がでる等 |
| 肝機能障害 | 倦怠感が増大する、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い、黄疸がでる、AST（GOT）値が上昇する、ALT（GPT）値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する等 |
| 黄疸 | 嘔気がある、嘔吐する、食欲不振になる、倦怠感がある、そう痒がある等、皮膚や白目が黄色くなる、下痢する、全身の脱力感がある、38度から39度の発熱がある、ブツブツ状の発疹がでる等 |
| 肝不全 | 黄疸がでる、出血傾向になる、腹水がたまる、脱力感がある、肝性脳症になる、全身の健康状態が悪化する、吐き気がする、食欲不振になる等 |
| 急性腎不全 | 尿量が減少する、尿が赤みがかる、眼がはれぼったい、疲れやすい、からだがだるい、腹痛がする、吐き気がする、下痢する、脱力感がある、関節が痛む、頭痛がする、顔や手足にむくみがある、息苦しくなる、意識が低下する等 |
| 偽膜性大腸炎（クロストリジウム性大腸炎） | 発熱する、頻回の下痢をする、激しい腹痛がある、血液便がでる、下血する等 |
| 出血性大腸炎 | 急激な腹痛がある、下痢が止まらない、血便がでる、血性下痢になる等 |
| 間質性肺炎 | 発熱する、咳嗽（がいそう）が聞こえる、呼吸困難になる、胸部X線異常になる、好酸球が増多する、動悸する、息切れする等 |
| 好酸球性肺炎 | 発熱する、咳嗽（がいそう）が聞こえる、呼吸困難になる、胸部X線異常になる、好酸球が増多する、胸が痛む、から咳がでる、息切れする等 |
| QT延長 | 脈が乱れる、立ち眩みがする、意識を失う等 |
| 心室性頻拍（Torsades de Pointesを含む） | 脈が抜ける、脈が跳ぶ、動悸がする、胸痛がある、胸部不快感がある、心拍数が増大する、血圧が低下する、脳虚血（のうきょけつ）症状（めまい、ふらつき、失神）がおこる等 |
| 白血球減少 | 風邪等の感染症にかかりやすい、風邪等が治りにくい |
| 顆粒球減少 | 寒気がする、身震いする、高熱がでる、頭痛がする、筋肉痛になる、のどの痛みがある、肺炎や敗血症との合併症状が発現する等 |
| 血小板減少 | 手足に赤い点（点状出血）ができる、アザができる、鼻血がでる、歯茎から出血する等 |
| 横紋筋融解症 | 手足肩を中心とした筋肉痛やこわばりがある、手足が痺れる（しびれる）、赤褐色の尿がでる、脱力感がある、CK（CPK）値が上昇する、血中及び尿中ミオグロビン値が上昇する等、急激な腎機能悪化を伴う |
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。
重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。
その他の副作用
その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。
| 副作用の部位名称等 | 副作用の名称、症状 |
|---|---|
| 皮膚 | 発疹ができる、そう痒症になる、皮膚が変色する、蕁麻疹（じんましん）がでる、アトピー性皮膚炎が増悪する、光線過敏性反応をする、水疱ができる、皮膚剥離がみられる、多形紅斑になる、寝汗をかく、多汗症になる、皮膚乾燥がみられる、脱毛がみられる、紅斑ができる |
| 血液 | ヘモグロビンが減少する、血小板数が減少する、白血球数が減少する、顆粒球数が減少する、好酸球数が増加する、血小板数が増加する、好塩基球数が増加する、貧血になる、リンパ球数が減少する、白血球数が増加する、プロトロンビン時間延長がみられる |
| 血管障害 | 潮紅がみられる、血栓性静脈炎になる |
| 循環器 | 血圧が低下する、動悸がする |
| 肝臓 | AST（GOT）値が増加する、ALT（GPT）値が増加する、ALP値が増加する、LDH値が増加する、γ-GTP値が増加する、肝機能異常になる、肝機能検査が異常になる、血中ビリルビン値が増加する |
| 腎臓 | BUN値が増加する、尿中蛋白が陽性になる、クレアチニンが増加する、腎臓痛になる、排尿困難になる、尿潜血陽性になる、頻尿になる |
| 消化器 | 下痢する、腹痛になる、悪心がある、鼓腸放屁がみられる、嘔吐する、消化不良になる、食欲不振になる、舌が変色する、胃炎になる、腹部に不快感がある、腹部が膨満する、便秘になる、腹鳴がきこえる、口内炎ができる、口唇が荒れる、黒毛舌になる、舌炎になる、舌苔ができる、口や舌にしびれ感がある、おくびがでる、口内が乾燥する、唾液が増加する、膵炎になる、アフタ性口内炎になる、口腔内不快感がある、消化管障害になる、口唇炎ができる |
| 精神・神経系 | 眩暈（めまい）がする、頭痛がする、味覚異常になる、不眠症になる、傾眠がみられる、感覚が鈍麻する、失神する、痙攣（けいれん）する、振戦（しんせん）がみられる、激越する、嗅覚異常になる、無嗅覚になる、神経過敏になる、不安になる、錯感覚がある、攻撃性がみられる、灼熱感がある |
| 感染症 | カンジダ症になる、膣炎になる、真菌感染する、胃腸炎になる、咽頭炎になる、皮膚感染する、肺炎になる、β溶血性レンサ球菌に感染する |
| 眼 | ぶどう膜炎になる、視力障害になる、結膜炎になる、眼瞼浮腫ができる、霧視する、眼痛がある |
| 筋骨格系 | 関節痛になる、筋肉痛になる、頚部痛になる、背部痛になる、四肢痛になる、関節が腫脹する |
| 呼吸器 | 咳嗽（がいそう）がきこえる、呼吸困難になる、鼻出血がみられる、アレルギー性鼻炎になる、くしゃみがでる、ラ音が聞こえる、気管障害がある、低音性連続性ラ音が聞こえる、鼻部障害がある、鼻閉になる、鼻漏になる、羊鳴性気管支音がきこえる、痰貯留する、嗄声がきこえる |
| 耳 | 耳鳴がする、聴力が低下する、難聴になる、耳痛がする、耳の障害がある |
| 生殖器 | 精巣痛がある、不正子宮出血がある |
| 代謝 | 脱水する、血中カリウムが減少する、血中カリウムが増加する、血中重炭酸塩が減少する、低カリウム血症になる |
| その他 | 発熱する、疲労する、倦怠感がある、口が渇く、無力症になる、疼痛がある、胸痛がある、浮腫ができる、気分が不良になる、浮遊感がある、低体温になる、不整脈がみられる、咽喉頭異物感がある、局所腫脹がある、粘膜異常感覚がある |
ジスロマックについて
以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。
・他のマクロライド系、又は、ケトライド系の薬剤に対して過敏症の既往歴のある方
・高度な肝機能障害のある方
・心疾患のある方
以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり注意が必要なので、医師とご相談ください。
・制酸剤（水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム）
・ワルファリン
・シクロスポリン
・メシル酸ネルフィナビル
・ジゴキシン
