ネクサバールによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/09

ネクサバールとは

ネクサバール(Nexavar)とは、癌細胞が増殖するのを抑制するためのお薬です。

主に手術による切除が難しい腎臓がん、肝臓がん、甲状腺がんに対して利用されています。

本剤の主成分は、ソラフェニブトシル酸塩(Sorafenib Tosilate)で、癌細胞の血管生成をブロックする作用(血管新生阻害作用)や、癌細胞の増殖に必要な酵素(キナーゼ)の働きをブロックする作用があります。

この作用により、様々な癌細胞に対して増殖を抑制する効果が期待されます。

適応症は以下の通りです。

・根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
・切除不能な肝細胞癌
・根治切除不能な甲状腺癌

本剤は、バイエル薬品株式会社により製造販売されています。

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主な副作用

ネクサバールの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。

・手足症候群がみられる
・脱毛がみられる
・下痢する
・発疹・皮膚落屑がみられる
・疼痛がする
  ・口内疼痛
  ・腹痛
  ・骨痛
  ・頭痛及びがん疼痛を含む
・高血圧になる
・疲労がみられる
・体重減少がみられる
・リパーゼ値が上昇する
・口内炎ができる(口内乾燥及び舌痛を含む)
・食欲不振になる
・アミラーゼ値が上昇する
・そう痒がみられる
・悪心がある
・ALT(GPT)値が上昇する

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
手足症候群 手足の皮膚が硬くなる、皮膚がはがれる、手や足がチクチクしたりヒリヒリしたりする、手や足が痺れたり痛んだりする感覚の異常がみられる、手や足や皮膚が赤くなったり浮腫んだり角化したりひび割れたり水脹れになったりする、爪が変形したり色素沈着がみられたりする等
剥脱性皮膚炎(紅皮症) 39度から40度の高熱がでる、顔に発疹ができる、全身の皮膚が赤くなる、皮膚のカスがよく落ちる等
中毒性表皮壊死融解症(Toxic EpidermalNecrolysis:TEN) からだがだるい、関節の痛み、皮膚が焼けるように痛む、全身の赤い斑点と破れやすい水ぶくれ(水疱)、発熱、食欲不振口内が荒れる等
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群) 高熱、陰部の痛み、関節の痛み、ひどい口内炎、唇や口内のただれ、発熱、皮膚がまだら模様に赤くなる、皮膚に水脹れが出る(各種皮膚障害)、中央にむくみをともなった赤い斑点、赤い発疹、まぶたや眼の充血、結膜のただれ、食欲不振、からだがだるい等
多形紅斑(たけいこうはん) 手の甲・足の甲・肘・膝などの四肢伸側に左右対称に多発する円形の紅斑がみられる、発熱する、痛みがある等
ケラトアカントーマ 小丘疹ができる、主に顔、前腕部、手の甲等に硬化した角質が凝縮された腫瘍がみられる、急激に大きくなる、その後徐々に縮む等
皮膚有棘細胞癌 比較的大きくふぞろいな形の紅色をした皮膚の盛り上がりができる、表面にびらんや潰瘍を伴って出血しやすい、大きくなるとカリフラワーの様になる、表面にびらんや潰瘍を伴って出血しやすい等
出血 消化管出血,気道出血,脳出血,口腔内出血,鼻出血,爪床出血,血腫,腫瘍出血等がみられ、死亡に至る例が報告されている
消化管出血 血を吐く(吐血)、黒いタール便(メレナ)がでる、貧血になる、疲れやすい、顔が青白い、脈が速くなる、低血圧になる、尿量が減少する、手足が汗ばむ、手足が冷たい、意識混濁がみられる、見当識障害がみられる、眠気がある等
劇症肝炎 白眼や皮膚が黄色くなる、発熱する、吐き気がする、全身がだるい、AST(GOT)値の著しく上昇する、ALT(GPT)値が著しく上昇する、γ-GTP値が著しく上昇する、Al-P値が著しく上昇する等
肝機能障害 倦怠感が増大する、食欲が低下する、呼吸が困難になる、吐き気がする、常に眠い状態、黄疸になる等
黄疸 嘔気がある、嘔吐する、食欲不振になる、倦怠感がある、そう痒がある等、皮膚や白目が黄色くなる、下痢する、全身の脱力感がある、38度から39度の発熱がある、ブツブツ状の発疹がでる等
肝不全 黄疸がでる、出血傾向になる、腹水がでる、脱力感がある、肝性脳症になる、全身の健康状態が悪化する、吐き気や食欲不振がある等
肝性脳症 脳機能低下の諸症状がみられる、覚醒レベルの低下や錯乱が生じる、発症初期では論理的思考や人格・行動に微妙な変化が現れる、気分が変化する、判断力が鈍る、正常な睡眠パターンが崩れる、息がカビ臭く甘ったるいにおいになる、疾患が進行すると腕を伸ばしたときに手を静止させていることができずバタバタと羽ばたくような動きをする(羽ばたき振戦)、眠気や錯乱がみられる、動作や発語が緩慢になる、見当識障害もよくみられる、まれに激昂したり興奮したりする、痙攣(けいれん)発作になる、意識を失い昏睡に陥る
急性肺障害(ALI) 呼吸困難になる、咳がでる、胸痛がする、頻呼吸になる、頻脈になる、補助呼吸筋を使用している、チアノーゼ性または斑状の皮膚所見がある、異常な呼吸音(断続性ラ音、いびき音、は喘鳴)がする等
間質性肺炎 発熱する、咳嗽(がいそう)がでる、呼吸困難になる、胸部X線異常がある、好酸球増多になる、動悸がする、息切れする等
高血圧クリーゼ 急激な血圧の上昇がみられる、合併症として脳出血になる、心不全になる、腎不全になる等
可逆性後白質脳症症候群(RPLS) 高血圧になる、頭痛がする、覚醒低下になる、意識障害になる、精神状態が変化する、痙攣(けいれん)する、皮質盲を含む視力障害がある、後頭及び頭頂葉領域を中心に広範囲な浮腫性病変等がある
心筋虚血
心筋梗塞 突然の左前胸部圧迫感、狭心痛、嘔吐、吐き気、ショック状態等
うっ血性心不全 心臓の収縮力が低下する、血液送出量が低下する、心臓や肺等の静脈がうっ血する、動悸がする、息切れする、就寝中に咳がでる、呼吸困難になる等
消化管穿孔(しょうかかんせんこう) 急激な腹痛がある、ショック症状になる、遊離ガスが横隔膜直下に溜まる、腹膜炎になる、大量出血する、敗血症になる等
消化管潰瘍 食後の腹痛が長い、腹部が張る、吐き気がする、嘔吐する、下痢する等
出血性腸炎 激しい腹痛がおこる、血が混ざった便がでる、吐き気がする、嘔吐(おうと)する、発熱する等
虚血性腸炎 突然の腹痛がある、下血する、下痢する、左下腹部の腹痛がある、新鮮血の下血がみられる、悪心(おしん)がみられる、嘔吐する、直前に便秘になっている、発熱S状結腸や下行結腸に発赤がみられる、出血する、浮腫ができる、縦走(じゅうそう)潰瘍(消化管の縦方向に沿ってできる細長い潰瘍)がみられる、注腸造影検査で母指圧痕像(ぼしあっこんぞう)という粘膜の浮腫による変化がみられる、白血球が増加する、炎症反応がみられる等
白血球減少 風邪等の感染症にかかりやすい、風邪等が治りにくい
好中球減少 感染症が発現するまでは無症状。発熱する、口や肛門の周りが痛みを伴うびらん(潰瘍)になる、細菌性肺炎等の重症感染症にかかる等
リンパ球減少 ウイルスや細菌、寄生虫に感染しやすくなる、脱毛症になる、湿疹ができる、皮膚の異常により蒼白や黄疸がみられる、リンパ節腫脹がみられる等
血小板減少(血小板減少症) 手足に赤い点(点状出血)ができる、あざができる、鼻血がでる、歯茎の出血がみられる等、死亡例あり
貧血 眩暈(めまい)がする、立ちくらみがする、動悸がする、息切れする、肩がこる、頭痛がする、食欲不振になる、倦怠感がある、肌荒れになる、抜け毛がある、爪の変形がある、むくみがある等
膵炎 胃周辺が急に激しく痛む、吐き気がする、背中の痛みがある、嘔吐(おうと)する等
腎不全 むくみがある、尿が出にくい、尿毒症になる、クレアチニン値が上昇する等
ネフローゼ症候群 高度の浮腫が発生する、大量のたんぱく尿が出る、尿が泡立っている、まぶたや下肢がむくむ、胸水がある、腹水がある、心嚢水がある、息切れがする、呼吸が困難になる、吐き気がする、嘔吐する、体重が増加する、免疫力が低下する
蛋白尿 自覚症状がない、腎機能が低下する、高血圧になる、浮腫ができる等
低ナトリウム血症 顔面蒼白になる、食欲が低下する、吐き気がする、筋力が低下する、活動力が低下する、倦怠感がある、喉が渇く等
ショック 血圧低下に伴い失神する、意識が消失する、チアノーゼがみられる、呼吸困難になる、胸内苦悶がある、冷感がある、嘔吐する、顔が赤くなる、痒みがある、蕁麻疹(じんましん)ができる、痺れる(しびれる)、動悸がする、息切れする等
アナフィラキシー様症状 紅斑ができる、悪寒がする、口唇浮腫ができる、咽頭浮腫ができる、口内の違和感がある、かゆみがある、くしゃみする、顔面が紅潮する、熱感がある、吐き気がする、嘔吐する、尿意がある、便意がある、そう痒感がある、全身が発赤する、顔面や喉頭浮腫ができる、呼吸困難になる、血圧が低下する、喘鳴(ぜんめい)がきこえる、血管浮腫ができる、不快感がある、眩暈(めまい)がする、耳鳴がきこえる、発汗する等
横紋筋融解症 手足肩を中心とした筋肉痛・こわばりがある、手足が痺れる(しびれる)、赤褐色の尿がでる、脱力感がある、CK(CPK)値が上昇する、血中及び尿中ミオグロビン値が上昇する等、急激な腎機能悪化を伴う場合がある
低カルシウム血症 痙攣(けいれん)する、テタニーがみられる、痺れる(しびれる)、失見当識がみられる、QT延長がみられる等

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

本剤は、癌細胞が増殖する際の指令系統に対し、分子レベルで阻害する分子標的薬です。

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
過敏症 過敏性反応がみられる(皮膚反応及び蕁麻疹を含む)
血液 プロトロンビン時間延長がみられる、INR値が上昇する
皮膚 脱毛がみられる、発疹ができる、皮膚落屑がみられる、そう痒がみられる、皮膚乾燥がみられる、紅斑ができる、潮紅がみられる、ざ瘡がみられる、過角化がみられる、湿疹ができる、白血球破砕性血管炎になる
精神神経系 末梢感覚神経障害がみられる、浮動性めまいがする、うつになる、耳鳴がする
筋・骨格系 関節痛になる、筋痛がある、筋痙縮がみられる
呼吸器 嗄声がきこえる、鼻漏がみられる
循環器 高血圧になる、QT延長がみられる
消化器 下痢する、リパーゼ値が上昇する、口内炎ができる(口内乾燥及び舌痛を含む)、食欲不振になる、アミラーゼ値が上昇する、悪心がみられる、便秘になる、嘔吐する、消化不良になる、嚥下障害がみられる、胃食道逆流性疾患になる、胃炎になる
肝臓 ALT(GPT)値が上昇する、AST(GOT)値が上昇する、Al-P値が上昇する、ビリルビン値が上昇する、胆のう炎になる、胆管炎になる、LDH値が上昇する
その他 疼痛がする(口内疼痛、腹痛、骨痛、頭痛及びがん疼痛を含む)、疲労する、体重減少がみられる、感染する、発熱する、低リン酸血症になる、浮腫ができる、味覚異常がみられる、粘膜の炎症がみられる、低カリウム血症になる、インフルエンザ様症状がみられる、無力症になる、甲状腺機能低下がみられる、勃起不全になる、毛包炎になる、脱水がみられる、甲状腺機能亢進がみられる、高カリウム血症になる、女性化乳房がみられる、放射線照射リコール反応がみられる
過量投与 下痢する、皮膚障害がみられる

 

ネクサバールについて

持病やアレルギーのある方は事前に医師とご相談ください。

動物実験で奇形がみられますので、妊娠している方は利用できません。

また、服用中や服用をやめてから2週間は避妊が必要です。

傷口が治りにくくなったり、出血しやすくなる場合があります。

鼻血や血痰等がみられた場合、医師とご相談ください。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・本剤の成分に対して重篤な過敏症の既往歴のある方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある方
・高血圧症の方
・血栓塞栓症の既往のある方
・脳転移のある方
・高齢の方
・授乳婦の方
・小児等

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。

・イリノテカン
・ドキソルビシン
・CYP3A4誘導薬
  ・リファンピシン
  ・フェノバルビタール
  ・フェニトイン
  ・カルバマゼピン
  ・デキサメタゾン等
・セイヨウオトギリソウ含有食品
  ・セント・ジョーンズ・ワート
・ワルファリン
・ドセタキセル
・パクリタキセル
・カルボプラチン
・カペシタビン
・フラジオマイシン(経口剤:国内未発売)

 

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