ゼチーアによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/11

ゼチーアとは

ゼチーア(Zetia)とは、血液中にあるコレステロールを減少させるお薬です。

通常、高コレステロール血症等の治療に利用されます。

主成分のエゼチミブ(Ezetimibe)は、小腸内でコレステロールの吸収に使用される物質をブロックし、胆汁性および食事性のコレステロールを体内へ取り込まない様にする作用があります。

この作用により、LDL(悪玉)コレステロールが減少し、HDL(善玉)コレステロールが増加します。

さらに、中性脂肪(トリグリセリド)を低下させる作用もあると言われています。

適応症は以下の通りです。

・高コレステロール血症
・家族性高コレステロール血症
・ホモ接合体性シトステロール血症

下記の症状にも利用されています。

・高脂血症
・動脈硬化性網膜症
・脂質異常症
・閉塞性動脈硬化症

本剤は、MSD株式会社により製造販売されています。

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主な副作用

ゼチーアの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。

・便秘になる
・発疹ができる
・下痢する
・腹痛がある
・腹部膨満がある
・悪心がある
・嘔吐する

主な臨床検査値の異常は以下の通りです。

・γ-GTP値が上昇する
・CK(CPK)値が上昇する
・ALT(GPT)値が上昇する

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
過敏症 蕁麻疹(じんましん)がでる、全身発赤がみられる、顔や喉の腫れがある、アナフィラキシーがみられる、息苦しい、血管神経性浮腫ができる、発疹を含む過敏症状がある等
横紋筋融解症 手足肩を中心とした筋肉痛やこわばりがみられる、手足が痺れる(しびれる)、赤褐色の尿がでる、脱力感がある、CK(CPK)値が上昇する、血中及び尿中ミオグロビン値が上昇する等、急激な腎機能悪化を伴う場合あり
ミオパシー 手足のしびれ感がある、手足が痛む、足がだるい、椅子から立てない、転びやすい、腕を上げにくい等
肝機能障害 倦怠感が増大する、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い状態、黄疸がでる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する等

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
精神神経系 頭痛がする,しびれる,眩暈(めまい)がする,坐骨神経痛になる、抑うつがみられる,錯感覚がみられる
消化器 便秘になる,下痢する,腹痛がある,腹部膨満がみられる,悪心がある、嘔吐する、アミラーゼ値が上昇する,食欲不振になる,消化不良がある,逆流性食道炎になる,鼓腸放屁がある,口内炎ができる,胃炎になる、膵炎になる,胆石症になる,胆のう炎になる,口内乾燥がみられる
肝臓 ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、AST(GOT)値が上昇する、ビリルビン値が上昇する、肝炎になる
腎臓 蛋白尿がでる、BUN値が上昇する
循環器 期外収縮がみられる、動悸がする、血圧が上昇する、胸痛がある、ほてりがある
筋肉 CK(CPK)値が上昇する、関節痛がある、背部痛がある、四肢痛がある、筋肉痛がある、筋力が低下する、筋痙縮がみられる
血液 白血球が減少する、血小板が減少する
皮膚 発疹がでる、そう痒がある、蕁麻疹(じんましん)がでる,多形紅斑がみられる
その他 コルチゾール値が上昇する、テストステロン値が低下する、TSH値が上昇する、尿酸値が上昇する、リン値が上昇する、疲労する、浮腫(顔面・四肢)ができる、帯状疱疹がでる、単純疱疹がでる、結膜炎になる、咳嗽(がいそう)がみられる、無力症になる、疼痛がある

 

ゼチーアについて

セチーアは、「小腸コレステロールトランスポーター阻害薬」と呼ばれる比較的新しいコレステロール低下薬です。

効果は比較的長く継続するため、1日1回の服用で済みます。

作用的に、脂溶性ビタミンの吸収を阻害せず、他薬剤との相互作用も少ないのが特徴です。

持病やアレルギーのある方は、事前に医師とご相談ください。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
・本剤とHMG-CoA還元酵素阻害剤を併用する可能性のある方
・重篤な肝機能障害のある方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・シクロスポリンを利用している方
・肝機能障害のある方
・糖尿病の方

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、医師とご相談ください。

・陰イオン交換樹脂
  ・コレスチミド
  ・コレスチラミン等
・シクロスポリン
・クマリン系抗凝血剤
  ・ワルファリン等

コレステロール値が高い状態を放置すると、自覚症状はなくてもやがて動脈硬化が進行し、ある日突然、狭心症、心筋梗塞、脳卒中を引き起こす可能性が高まります。

高コレステロール血症等の改善には、まず、食事療法や運動療法を行い、禁煙も行い、バランスの取れた生活習慣が必要です。

 

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