デルモベートによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/10

デルモベートとは

デルモベート(Dermovate)とは、湿疹や皮膚炎に伴う痒みや赤み等の症状を緩和するためのお薬です。

ステロイド外用薬で、アトピー性皮膚炎をはじめ、さまざまな湿疹や皮膚疾患を原因とする症状を改善するために利用されています。

本剤の主成分は、クロベタゾールプロピオン酸エステル(Clobetasol Propionate)で、最も強力な副腎皮質ホルモン剤の1つです。

抗炎症作用も最強で、外用薬として直接患部に作用するため、主に重い症状に対して利用されています。

適応症は以下の通りです。

・湿疹
・皮膚炎群
  ・進行性指掌角皮症
  ・ビダール苔癬
  ・日光皮膚炎等を含む
・痒疹群
  ・蕁麻疹様苔癬
  ・ストロフルス
  ・固定蕁麻疹等を含む
・掌蹠膿疱症
・乾癬
・虫さされ
・薬疹
・中毒疹
・ジベルばら色粃糠疹
・慢性円板状エリテマトーデス
・扁平紅色苔癬
・紅皮症
・肥厚性瘢痕
・ケロイド
・肉芽腫症
  ・サルコイドーシス
  ・環状肉芽腫
・アミロイド苔癬
・天疱瘡群
・類天疱瘡(ジューリング疱疹状皮膚炎を含む)
・悪性リンパ腫(菌状息肉症を含む)
・円形脱毛症(悪性を含む)

但し、本剤は対症療法薬であり、病気の根本的な原因を治療するものではありません。

本剤は、グラクソ・スミスクライン株式会社により製造販売されています。

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主な副作用

デルモベートの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。

・皮膚萎縮がみられる
・毛のう炎・せつ、がみられる
・毛細血管拡張がみられる

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
眼圧亢進 緑内障になる、白内障になる、激しい頭痛がする、吐き気がする等
緑内障 光が輪になって見える、かすむ、にじむ、眼が充血する、眼が乾く、眼が痛む等
白内障 目が霞む、ぼやけて見辛い、モノが二重三重に見える、光が眩しく感じる、目の水晶体が白く濁る等
大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により 緑内障、白内障等の症状が発現する

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
皮膚の感染症 皮膚の真菌症(カンジダ症、白癬等)がみられる、細菌感染症(伝染性膿痂疹、毛のう炎等)がみられる、稀にウイルス感染症がみられる
その他の皮膚症状 長期連用により、ざ瘡様発疹、ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張、紫斑)、色素脱失、まれに酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎(ほほ、口囲等に潮紅、丘疹、膿疱、毛細血管拡張)、多毛等が発現する、魚鱗癬様皮膚変化、一過性の刺激感、乾燥が発現する
過敏症 塗布部に紅斑、発疹、蕁麻疹、そう痒、皮膚灼熱感、接触性皮膚炎等の過敏症状が発現する
下垂体・副腎皮質系機能 大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により、下垂体や副腎皮質系機能抑制が発現する

 

デルモベートについて

本剤は、ステロイド薬の中でも最強のカテゴリに属するお薬です。

速効性がありますので、取り急ぎ症状を改善するためには効果的です。

患部に直接作用させるため、服用した際の全身性の副作用は、ほとんど発現しません。

但し、最強のステロイド剤であるため、長期に渡って利用した場合、副作用や免疫力の低下に伴う感染症に注意が必要です。

通常は短期間での利用に留めてください。

持病やアレルギーのある方は事前に医師とご相談ください。

使用部位は、医師から指示のあった範囲内でご利用ください。

本剤の利用を自分の判断で中断した場合、反動で症状が悪化する場合があります。

使用量を減らしたり中止する場合には、必ず医師とご相談ください。

顔や陰部は皮膚が薄く、有効成分が吸収されやすいため、できれば利用は避けてください。

目の周辺は可能であれば利用しない様にしてください。利用する場合には、目に入らない様、注意が必要です。

目に入った場合、眼圧が上昇して緑内障になる場合があります。

また感染症による湿疹や炎症に利用すると免疫力が低下し、感染症がさらに悪化する場合がありますので感染症に伴う皮膚の症状には利用しないでください。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・細菌・真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症のある方
・動物性皮膚疾患(疥癬・けじらみ等)のある方
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
・鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎のある方
・潰瘍(ベーチェット病は除く)のある方
・第2度深在性以上の熱傷・凍傷のある方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・高齢の方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・授乳婦の方
・小児等

 

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