ザイロリック、アロプリノールによる副作用
ザイロリック、アロプリノールとは
ザイロリック(Zyloric)、アロプリノール(Allopurinol)とは、血液中の尿酸を減少させるお薬です。
痛風や高尿酸血症の治療に使用されます。
このお薬は、以前から痛風等の標準薬として利用されております。
但し、予防薬なので、発作時に飲んで即、効果がある薬ではありません。
発作の有無にかかわらず、規則正しく継続して服用する必要があります。
痛風にかかるのは、ほとんどは男性です。初期症状としては、急性関節炎が多く、足の親指に多く発現するとの報告があります。
放置した場合、関節の変形や腎臓への悪影響へと進みますので、疑わしい症状がある方は、まず、医師の診断を受けて下さい。
ザイロリックは、グラクソ・スミスクライン株式会社から販売されております。
また、ザイロリックのジェネリック医薬品である、アロプリノールは、昭和薬品化工株式会社、キョーリンリメディオ株式会社、富士フイルムファーマ株式会社、共和薬品工業株式会社、日本ケミファ株式会社、杏林製薬株式会社など各社から販売されています。
スポンサーリンク
主な副作用
ザイロリック、アロプリノールの副作用で、症例の報告の多いものは、以下の通りです。
・発疹ができる
・食欲不振になる
・胃部不快感がある
・軟便になる
・下痢する
・全身倦怠感がある
・脱毛がみられる
重大・重篤な副作用
重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。
副作用の名称 | 想定される症状等 |
---|---|
紅皮症(剥脱性皮膚炎) | 39度から40度の高熱がでる、顔に発疹ができる、全身の皮膚が赤くなる、皮膚のカスがよく落ちる等 |
過敏症症候群 | 皮膚の広い範囲が赤くなる、高熱(38℃以上)がでる、喉(のど)の痛みがある、全身がだるい、食欲が出ない、リンパ節がはれる、肝障害がある、黄疸がでる、白血球が増加する、発疹(斑状丘疹型ではじまり紅皮症に進展)ができる、顔面の浮腫ができる、関節痛がある、好酸球が増多する、異型リンパ球が出現する、肝脾腫になる、肝機能障害等の臓器障害を伴う遅発性の重篤な過敏症状がでる、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルス再活性化等がみられる(発疹する、発熱がある、肝機能障害等の症状が再燃する、遷延化する可能性あり) |
中毒性表皮壊死融解症(Toxic EpidermalNecrolysis:TEN) | からだがだるい、関節の痛みがある、皮膚が焼けるように痛む、全身の赤い斑点と破れやすい水ぶくれ(水疱)ができる、発熱する、食欲不振になり口内が荒れる等 |
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群) | 高熱がでる、陰部の痛みがある、関節の痛みがある、ひどい口内炎ができる、唇や口内にただれがみられる、発熱する、皮膚がまだら模様に赤くなる、皮膚に水脹れが出る(各種皮膚障害)、中央にむくみをともなった赤い斑点ができる、赤い発疹ができる、まぶたや眼の充血がみられる、結膜のただれがみられる、食欲不振になる、からだがだるい等 |
重篤な皮膚症状(重篤な皮膚障害) | 皮膚粘膜眼症候群になる、中毒性表皮壊死症になる、紅皮症(剥脱性皮膚炎)になる、ウェーバー・クリスチャン症候群になる、SLE様症状になる、強皮症になる、天疱そう様病変になる等 |
アナフィラキシー様症状 | 紅斑ができる、悪寒がする、口腔咽頭浮腫ができる、口内の違和感がある、かゆみがある、くしゃみがでる、顔面紅潮する、熱感がある、吐き気がする、嘔吐する、尿意がある、便意がある、そう痒感がある、全身発赤がみられる、顔面や喉頭浮腫ができる、呼吸困難になる、血圧が低下する、喘鳴(ぜんめい)が聞こえる、血管浮腫ができる、不快感がある、眩暈(めまい)がする、耳鳴(みみなり)がする、発汗する等 |
再生不良性貧血 | 発熱する、悪寒がある、手足に赤い点ができる(点状出血)、赤紫のあざができる、のどの痛みがある、鼻血がでる、歯茎から出血する、貧血症状がでる等 |
過敏性血管炎 | 足や臀部や背中に赤紫のアザが出来る、発熱する、腹痛がある、関節痛になる、紫斑ができる、斑状丘疹がみられる、皮膚生検で白血球破砕性血管炎がみられる等 |
ショック | 血圧低下に伴い失神する、意識が消失する、チアノーゼがみられる、呼吸困難になる、胸内苦悶がある、冷感がある、嘔吐する、顔が赤くなる、痒みがある、蕁麻疹(じんましん)がでる、痺れ(しびれ)がある、動悸がする、息切れする等 |
汎血球減少 | 全身がだるい、階段等を上る際に息切れする、動悸がする、頭重がある、頭痛がする、眩暈(めまい)がする、鼻血がでる、耳鳴りがする、皮下出血がある、歯茎の出血がある等 |
間質性腎炎等の腎障害 | 発熱する、間接の痛みがある、吐き気がする、下痢する、尿が濁る等 |
間質性肺炎 | 発熱する、咳嗽(がいそう)がある、呼吸困難になる、胸部X線異常がある、好酸球が増多する、動悸がする、息切れする等 |
横紋筋融解症 | 手足肩を中心とした筋肉痛やこわばりがある、手足が痺れる(しびれる)、赤褐色の尿がでる、脱力感がある、CK(CPK)値が上昇する、血中及び尿中ミオグロビン値が上昇する等、急激な腎機能悪化を伴う場合がある |
無顆粒球症 | 発熱する、咽頭痛がある、倦怠感がある、口内炎ができる等 |
肝機能障害 | 倦怠感が増大する、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い、黄疸がみられる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する等 |
黄疸 | 嘔気がある、嘔吐する、食欲不振になる、倦怠感がある、そう痒がある等、皮膚や白目が黄色くなる、下痢する、全身の脱力感がある、38度から39度の発熱がある、ブツブツ状の発疹ができる等 |
血小板減少 | 手足に赤い点(点状出血)ができる、痣(あざ)ができる、鼻血がでる、歯茎から出血する等 |
劇症肝炎 | 白眼や皮膚が黄色くなる、発熱する、吐き気がする、全身がだるい、AST (GOT)値が上昇する、ALT (GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、Al-P値が上昇する等 |
腎不全、腎不全の増悪 | むくみがある、尿が出にくい、尿毒症がみられる等 |
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。
重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。
その他の副作用
その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。
副作用の部位名称等 | 副作用の名称、症状 |
---|---|
腎臓 | 腎機能異常がみられる |
全身症状 | 全身倦怠感がある、浮腫ができる、脱力感がある |
消化器 | 食欲不振になる、胃部不快感がある、軟便になる、下痢する、口内炎ができる |
過敏症 | 発疹ができる、そう痒がある、関節痛になる |
血液 | 貧血になる、白血球が減少する、紫斑ができる、好酸球が増多する、リンパ節症になる |
その他 | 味覚障害がある、女性化乳房になる、脱毛がみられる、CK(CPK)値が上昇する、末梢神経障害がある |
ザイロリック、アロプリノールについて
以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。
・本剤の成分に過敏症の既往歴のある方
以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。(服用量の調節が必要です)
・腎臓の悪い方
・高齢の方
・肝臓の悪い方
以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり注意が必要なので、医師とご相談ください。
・メルカプトプリン(ロイケリン)
・アザチオプリン(イムラン)
・テオフィリン(テオドール)
・ワルファリン(ワーファリン)
・シクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)
・フェニトイン(アレビアチン、ヒダントール)
・ジダノシン(ヴァイデックス)
・ビダラビン
・クロルプロパミド
・シクロホスファミド
・ペントスタチン
・カプトプリル
・ヒドロクロロチアジド
・アンピシリン
尚、飲酒は基本的には止めてください。
アルコールは、痛風にも本薬にも悪影響があります。