ボナロンによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/09

ボナロンとは

ボナロン(Bonalon)とは、骨を丈夫にする骨粗鬆症のお薬です。

本剤の主成分は、アレンドロン酸ナトリウム水和物(Alendronate Sodium Hydrate)で、破骨細胞に作用し骨を壊し吸収する働きを抑制します。

この作用により骨のカルシウムが血液中へ放出されるのを防ぐ効果(骨吸収抑制作用)が期待されます。

結果として骨密度や骨強度を高め骨を丈夫にします。

適応症は以下の通りです。

・骨粗鬆症

骨折に対する予防効果もありますので、重度の骨粗鬆症に良く利用されています。

本剤は第二世代ビスホスホネート製剤であり、安全域が広くなっており、骨軟化等の副作用も生じにくいと言われています。

本剤は、帝人ファーマ株式会社により製造販売されています。

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主な副作用

ボナロンの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。

・腹部不快感がある
・上腹部痛がある
・悪心がある
・消化不良になる
・下痢する
・胃不快感がある
・胃潰瘍になる
・胃炎になる
・γ-GTP値が上昇する
・AST(GOT)値が上昇する
・ALT(GPT)値が上昇する

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
食道・口腔内障害 食道障害(食道穿孔)、食道狭窄、食道潰瘍、食道炎、食道びらんが発現し出血を伴う場合がある、口腔内潰瘍ができる、吐血する、下血する、貧血になる、嚥下困難になる、嚥下痛がある、胸骨下痛がある、胸やけする、口腔内異和感がある、口内痛の発現・悪化等
胃・十二指腸障害 (出血性)胃・十二指腸潰瘍、出血性胃炎が発現する、吐血する、下血する、貧血になる、上腹部痛がある、心窩部痛がある、上腹部不快感の発現・悪化がみられる等
肝機能障害 倦怠感の増大がみられる、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い状態、黄疸がみられる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する、劇症肝炎になる等
黄疸 嘔気がある、嘔吐する、食欲不振である、倦怠感がある、そう痒がある、皮膚や白目が黄色くなる、下痢する、全身の脱力感がある、38度~39度の発熱、ブツブツ状の発疹がでる等
低カルシウム血症 痙攣(けいれん)する、テタニーがみられる、痺れる(しびれる)、失見当識がみられる、QT延長がみられる等
中毒性表皮壊死融解症(Toxic EpidermalNecrolysis:TEN) からだがだるい、関節の痛み、皮膚が焼けるように痛む、全身の赤い斑点と破れやすい水ぶくれ(水疱)、発熱、食欲不振口内が荒れる等
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群) 高熱、陰部の痛み、関節の痛み、ひどい口内炎、唇や口内のただれ、発熱、皮膚がまだら模様に赤くなる、皮膚に水脹れが出る(各種皮膚障害)、中央にむくみをともなった赤い斑点、赤い発疹、まぶたや眼の充血、結膜のただれ、食欲不振、からだがだるい等
顎骨壊死・顎骨骨髄炎 口の中の痛みがある、特に抜歯後の痛みがなかなか治まらない、歯ぐきに白色あるいは灰色の硬いものが出てきた、あごが腫れてきた、下くちびるがしびれた感じがする、歯がぐらついてきて自然に抜けた、歯肉腫脹など歯周組織の変化がみられる、原因が不明瞭な歯肉の感染がみられる、治癒傾向が認められない口腔粘膜潰瘍ができる、膿瘍または瘻孔形成がみられる、義歯性潰瘍ができる、周囲軟組織の炎症を伴った骨露出がみられる、歯の動揺がみられる、歯肉の修復機能が低下する、顎骨の知覚異常がみられる、倦怠感がある、発熱する等
大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折 特に2年以上使用の場合には骨が老朽化し骨折等の発現頻度が高くなる、X線検査時に骨皮質の肥厚がみられる、本剤の通過部位に炎症や潰瘍がみられる等

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
消化器 鼓腸放屁がみられる、口内が乾燥する、嚥下困難になる、歯肉腫脹がみられる、胃痛がする、心窩部痛がある、胃不快感がある、胃重感がある、腹部不快感がある、腹痛がする、嘔吐する、食欲不振になる、腹部膨満感がある、口内炎ができる、胃酸逆流がみられる、咽喉頭痛がある、咽喉頭不快感がある、おくびがでる、嘔気がある、便秘になる、下痢する、胃炎になる、消化不良になる
皮膚・皮膚付属器 紅斑がみられる、湿疹ができる、発疹ができる、かゆみがある、脱毛がみられる、蕁麻疹(じんましん)がでる
血液 貧血になる(赤血球数が減少する、ヘモグロビンが低下する等)、白血球数が減少する、血小板数が減少する
肝臓 肝機能異常がみられる(AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する等
腎臓 頻尿になる、排尿困難になる、BUN値が上昇する
中枢・末梢神経系 回転性めまいがする、知覚減退がみられる、浮動性めまいがする、頭痛がする
筋・骨格系 <関節痛がする、背(部)痛がある、筋肉痛になる、骨痛がある、筋痙攣がみられる/td>
精神・神経系 不眠(症)になる
電解質代謝 血清リン値が低下する、血清カリウム値が上昇する
ぶどう膜炎になる、上強膜炎になる、眼症状がみられる(かすむ、異和感がある等)、強膜炎になる
その他 血管浮腫ができる、LDH値が上昇する、総コレステロール値が上昇する、血清アルブミン値が低下する、下肢痛がある、胸痛がある、倦怠(感)がある、味覚倒錯がみられる、末梢性浮腫ができる、顔面浮腫ができる、動悸がする、脱力(感)がみられる、発熱する、気分不良になる、ほてりがみられる(顔面紅潮する、熱感がある等)、CK(CPK)値が上昇する、血圧が上昇する
過量投与 低カルシウム血症になる、低リン酸血症になる、上部消化管障害(胃不調になる、胸やけがする、食道炎になる、胃炎や潰瘍になる等)が発現する

 

ボナロンについて

骨は通常、新陳代謝により、生成と破壊が繰り返されています。

しかし、骨粗鬆症等の病気になると、このバランスが崩れ、破壊の方が進行し、骨がスカスカになってしまいます。

本剤は、骨を破壊する作用を抑えることにより、骨を強化し、骨粗鬆症が原因となる骨折等を防ぐためのお薬です。

本剤の種類には、週に1回の服用で済むタイプもあります。

持病やアレルギーのある方は事前に医師とご相談ください。

胃腸や食道の病気のある方、又は、胃腸薬などを別途服用されている方も医師とご相談ください。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・食道狭窄又はアカラシア(食道弛緩不能症)等の食道通過を遅延させる障害のある方
・30分以上上体を起こしていることや立っていることのできない方
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
・他のビスホスホネート系薬剤に対して過敏症の既往歴のある方
・低カルシウム血症の方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・嚥下困難な方
・食道炎のある方
・胃炎のある方
・十二指腸炎のある方
・潰瘍等の上部消化管障害のある方
・重篤な腎機能障害のある方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・授乳婦の方
・小児等

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。

・カルシウム、マグネシウム等の金属を含有する経口剤
  ・カルシウム補給剤
  ・制酸剤
  ・マグネシウム製剤等

 

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