モディオダールによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/05

モディオダールとは

モディオダール(MODIODAL)とは、昼間に発現する強力な眠気を取るためのお薬です。

ナルコレプシー(過眠症)や睡眠時無呼吸症候群に伴う昼間の眠気の改善に使われています。

本剤の主成分は、モダフィニル(Modafinil)で、脳の神経を活性化し、精神活動を高める興奮剤の1つです。

適応症は以下の通りです。

・ナルコレプシー
・持続陽圧呼吸(CPAP)療法等による気道閉塞に対する治療を実施中の閉塞性睡眠時無呼吸症候群

但し、睡眠時無呼吸症候群等を根本的に治療するお薬ではありません。

あくまで対症療法薬です。

本剤は、アルフレッサ ファーマ株式会社、田辺三菱製薬株式会社により製造販売されています。

スポンサーリンク

主な副作用

モディオダールの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。

・頭痛がする
・悪心がある
・不眠になる
・口が渇く
・不安になる
・眩暈(めまい)がする
・下痢する
・神経過敏になる
・食欲不振になる
・動悸がする

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
中毒性表皮壊死融解症(Toxic EpidermalNecrolysis:TEN) からだがだるい、関節の痛み、皮膚が焼けるように痛む、全身の赤い斑点と破れやすい水ぶくれ(水疱)、発熱、食欲不振口内が荒れる等
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群) 高熱、陰部の痛み、関節の痛み、ひどい口内炎、唇や口内のただれ、発熱、皮膚がまだら模様に赤くなる、皮膚に水脹れが出る(各種皮膚障害)、中央にむくみをともなった赤い斑点、赤い発疹、まぶたや眼の充血、結膜のただれ、食欲不振、からだがだるい等
多形紅斑(たけいこうはん) 手の甲・足の甲・肘・膝などの四肢伸側に左右対称に多発する円形の紅斑がみられる、発熱する、痛みがある等
薬剤性過敏症症候群 発疹ができる、発熱する、肝機能障害がおこる、リンパ節腫脹がみられる、白血球が増加する、好酸球が増多する、異型リンパ球が出現する等。ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多いため、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃したり遷延化することがある
ショック 血圧低下に伴い失神する、意識が消失する、チアノーゼがみられる、呼吸困難になる、胸内苦悶がある、冷感がある、嘔吐する、顔が赤くなる、痒みがある、蕁麻疹(じんましん)がでる、痺れる(しびれる)、動悸がする、息切れする等
アナフィラキシー様症状 紅斑ができる、悪寒がする、口唇浮腫ができる、咽頭浮腫ができる、口内の違和感がある、かゆみがある、くしゃみする、顔面が紅潮する、熱感がある、吐き気がする、嘔吐する、尿意がある、便意がある、そう痒感がある、全身が発赤する、顔面や喉頭浮腫ができる、呼吸困難になる、血圧が低下する、喘鳴(ぜんめい)がきこえる、血管浮腫ができる、不快感がある、眩暈(めまい)がする、耳鳴がきこえる、発汗する等

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
過敏症 発疹ができる、そう痒になる、血管浮腫ができる
肝臓 AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ−GTP値た上昇する、Al−P値が上昇する、LDH値が上昇
精神神経系 頭痛がする、不眠になる、眩暈(めまい)がする、傾眠になる、いらいら感がある、カタプレキシーの増悪がみられる、痺れる(しびれる)、神経過敏になる、振戦がみられる、ジスキネジーがみられる、不安になる、うつ状態になる、躁状態になる、錯感覚がある、幻覚を見る、妄想がある、攻撃性がある、興奮する、思考異常がある
循環器 動悸がする、血圧が上昇する、頻脈になる、胸痛がある
消化器 口が渇く、食欲不振になる、胃部不快感がある、悪心がある、嘔吐する、下痢する、便秘になる、胃炎になる、腹痛がする、口内炎ができる、食欲亢進がみられる、舌炎になる、鼓腸がでる、消化不良になる
その他 鼻咽頭炎になる、肩こりになる、発汗がみられる、発熱がみられる、倦怠感がある、トリグリセリド値が上昇する、コレステロール値が上昇する、白血球数が減少する、熱感がある、体重が減少する、耳鳴がする、体重が増加する、背部痛がある、鼻炎になる、咳嗽(がいそう)が聞こえる、血管拡張(潮紅)がみられる、尿臭が異常になる、末梢性浮腫ができる
過量投与 不眠症になる、中枢神経系症状が発現する(落ち着きのなさ、失見当識になる、錯乱がみられる、激越がみられる、不安になる、興奮する、幻覚が見える)、消化器系症状(悪心がある、下痢する)、心血管系症状(頻脈になる、徐脈になる、高血圧になる、胸痛がする)、海外で過量投与に伴う死亡例が報告されている

 

モディオダールについて

持病やアレルギーのある方は事前に医師とご相談ください。

重い不整脈のある方や循環器系の病気のある方(心臓病、高血圧等)、精神系疾患症状のある方(うつ病、躁病、てんかん等)は、利用できない場合がありますので、医師とご相談ください。

アルコール(飲酒)は控えてください。

また元の症状の性質上、車の運転や危険を伴う作業等は控えてください。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・重篤な不整脈のある方
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方。

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・心障害、又はその既往歴のある方
・高血圧の方
・うつ病の方、又はその既往のある方
・躁病の方、又はその既往のある方
・上記以外の精神系疾患のある方、又はその既往のある方
・てんかんの方、又はその既往歴のある方
・重篤な肝機能障害のある方
・重篤な腎機能障害のある方
・高齢の方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・授乳婦の方
・小児等

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。

・経口避妊薬
  ・エチニルエストラジオール
・シクロスポリン
・トリアゾラム
・昇圧剤
・MAO阻害剤
・ワルファリン
・フェノバルビタール
・CYP2C19により代謝される薬剤
  ・プロトンポンプ阻害剤等

 

シェアありがとうございます

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
PAGE TOP ↑