サイレース、フルニトラゼパムによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/11

サイレース、フルニトラゼパムとは

サイレース(Silece)、フルニトラゼパム(Flunitrazepam)とは、睡眠薬です。

主成分がフルニトラゼパムのお薬で、睡眠導入剤としての効果も高く、比較的安全なお薬です。

不安、緊張感等を緩和することにより、リラックスさせ、自然な眠りに導く作用があります。

持続時間も中間型(半減期間が7時間)で、最初に利用する睡眠薬として広く活用されています。

適応症は、以下の通りです。

・不眠症
・麻酔前投薬

サイレースは、エーザイ株式会社により製造販売されています。

また、サイレースのジェネリック医薬品である、フルニトラゼパムは、日本ジェネリック株式会社、辰巳化学株式会社、共和薬品工業株式会社等により製造販売されています。

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主な副作用

サイレース、フルニトラゼパムの主な副作用は、以下の通りです。

・眠気が残る
・ふらつく
・倦怠感がある

尚、本剤を長期間利用した場合、耐性や依存を生じる可能性がありますので、ダラダラと利用するのではなく、必要最小限の利用に留める様にしてください。

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
刺激興奮 興奮する、不眠になる、もうろう状態がみられる、取り乱す等
錯乱 外部状況に対し適した対応が出来ない状態、話や動作にまとまりがない
肝機能障害 倦怠感が増大する、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い状態、黄疸がでる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する等
黄疸 嘔気がある、嘔吐する、食欲不振になる、倦怠感がある、そう痒がみられる等、皮膚や白目が黄色くなる、下痢する、全身の脱力感がある、38度から39度の発熱がある、ブツブツ状の発疹がでる等
呼吸抑制 頭痛がする、眩暈(めまい)がする、動悸がする、息切れする、不安感がある、判断力の鈍化がみられる
炭酸ガスナルコーシス(CO2ナルコーシス) 頭痛がする、振戦がみられる、痙攣(けいれん)する、傾眠がみられる、発汗する、意識障害がある、ふるえがみられる、呼吸不全になる、高カリウム血症になる、しびれ感がある、灼熱感がある、筋脱力感がある、倦怠感がある、異常言動がみられる、錯乱する等
横紋筋融解症 手足肩を中心とした筋肉痛やこわばりがある、手足が痺れる(しびれる)、赤褐色の尿がでる、脱力感がある、CK(CPK)値が上昇する、血中及び尿中ミオグロビン値が上昇する等、急激な腎機能悪化を伴う場合がある
悪性症候群 無動緘黙(むどうかんもく:無言症。無動無言状態のこと)がみられる、強度の筋強剛(きんきょうごう:筋肉のこわばり)がみられる、嚥下困難になる、頻脈になる、血圧の変動がある、発汗する等の症状が現れ、その後、発熱する場合がある。抗精神病剤と併用した際に現れることが多い
一過性前向性健忘(もうろう状態) 服薬後入眠までの出来事を覚えていない、途中覚醒時の出来事を覚えていない、翌朝起床後の一定時間の行動を覚えていない
意識障害 吐き気がする、食欲不振になる、腹痛になる、下痢する、強い倦怠感がある、意識レベルが低下する、意識が消失する等
依存性 連用により薬物依存になる、薬をやめられない
離脱症状 痙攣発作をおこす、譫妄(せんもう)がみられる、振戦がみられる、不眠になる、不安になる、幻覚がある、妄想する等

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
精神神経系 眠気がする、眩暈(めまい)がする、ふらつく、運動失調になる、頭痛がする、頭重がみられる、頭がボーッとする、失調性歩行がみられる、不快感がある、焦躁感がある、不安感がある、構音障害がみられる、しびれ感がある、耳鳴がする、動作が緩慢になる、記憶力が低下する、酩酊感がある、振戦がみられる
腎臓 BUN値が上昇する
循環器 動悸がする、血圧が低下する
肝臓 AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、LDH値が上昇する、Al-P値が上昇する
消化器 口が渇く、腹痛がする、嘔吐する、胃不快感がある、食欲不振になる、下痢する、便秘する、舌のあれがある、胸やけする、流涎がみられる、口の苦みがある
血液 貧血になる、白血球が減少する、血小板が減少する
過敏症 発疹ができる
その他 倦怠感がある、脱力感がある、いびきをかく、顔面潮紅がみられる、顔面浮腫ができる、尿失禁する、発汗する、排尿困難になる、頻尿になる
過量投与 うとうと状態から昏睡等の中枢神経抑制作用に基づく症状になる

 

サイレース、フルニトラゼパムについて

サイレースは、依存や乱用の恐れがあるため、米国では使用や持ち込みが禁止されています。(Ⅳ級指定薬物)

旅行等で持ち込むことも禁止されていますので、ご注意ください。

持病やアレルギーのある方は、事前に医師とご相談ください。

アルコール(お酒)は控えてください。

睡眠時間が比較的短い(6時間未満等)方は、起床後、眠気が残る場合があります。その際には、短時間型の他のお薬に変更する等の方法がありますので、医師とご相談ください。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・本剤の成分に対して、過敏症の既往歴のある方
・急性狭隅角緑内障の方
・重症筋無力症の方

以下の方は、原則禁忌です。

・肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期等で呼吸機能が高度に低下している方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・衰弱している方
・高齢の方
・心障害のある方
・肝障害のある方
・腎障害のある方
・脳に器質的な障害のある方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・小児等

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、医師とご相談ください。

・アルコール(飲酒)
・中枢神経抑制剤
  ・フェノチアジン誘導体
  ・バルビツール酸誘導体
  ・鎮痛薬
  ・麻酔薬等
・モノアミン酸化酵素阻害剤
・シメチジン

 

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