ガーダシルによる副反応(副作用)
ガーダシルとは
ガーダシル(GARDASIL)とは、子宮頸がん等を予防するためのワクチンです。
正式名称は、ガーダシル水性懸濁筋注シリンジ(GARDASIL Aqueous Suspension for Intramuscular Injection Syringe)です。
子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因だと言われています。
本ワクチンの主な有効成分は以下の通りです。
・ヒトパピローマウイルス6型L1たん白質ウイルス様粒子
・ヒトパピローマウイルス11型L1たん白質ウイルス様粒子
・ヒトパピローマウイルス16型L1たん白質ウイルス様粒子
・ヒトパピローマウイルス18型L1たん白質ウイルス様粒子
これらの成分を接種することにより、ウィルスの感染を予防します。
適応症は以下の通りです。
・子宮頸癌(扁平上皮細胞癌及び腺癌)及びその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)1、2及び3並びに上皮内腺癌(AIS))
・外陰上皮内腫瘍(VIN)1、2及び3並びに腟上皮内腫瘍(VaIN)1、2及び3
・尖圭コンジローマ
本剤は、MSD株式会社により製造販売されています。
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主な副反応(副作用)
ガーダシルの主な副反応(副作用)を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。
・疼痛がある
・紅斑ができる
・腫脹ができる
・頭痛がする
・発熱する
・そう痒感がある
・悪心がある
・浮動性眩暈(めまい)がする
・血腫ができる
・出血する
・不快感がある
・四肢痛がある
重大・重篤な副反応(副作用)
重大・重篤レベルの副反応(副作用)としては、次の表の症状が想定されます。
副反応(副作用)の名称 | 想定される症状等 |
---|---|
アナフィラキシー様症状 | 紅斑ができる、悪寒がする、口唇浮腫ができる、咽頭浮腫ができる、口内の違和感がある、かゆみがある、くしゃみする、顔面が紅潮する、熱感がある、吐き気がする、嘔吐する、尿意がある、便意がある、そう痒感がある、全身が発赤する、顔面や喉頭浮腫ができる、呼吸困難になる、血圧が低下する、喘鳴(ぜんめい)がきこえる、血管浮腫ができる、不快感がある、眩暈(めまい)がする、耳鳴がきこえる、発汗する等 |
気管支痙攣(きかんしけいれん) | 胸がつまる感じがする、喘鳴(ぜんめい)が聞こえる、呼吸困難になる等 |
蕁麻疹(じんましん)がでる | 皮膚の浅い層に大小様々なむくみやブツブツができる、赤みがかったみみず腫れができる、強いかゆみがある、突発的な湿疹ができる、チクチクする、焼けるような熱さがある、痛みがある等 |
ギラン・バレー症候群 | 末端から順に両手両足の力が入らなくなる、手足が痺れる(しびれる)、腱反射が弱まったり消失したりする、寝たきりになる、呼吸困難になる等 |
血小板減少性紫斑病 | 皮膚や粘膜等の出血症状・紫斑(しはん)・青アザ、歯ぐきからの出血がみられる、鼻血がでる、黒い便がでる、血尿がでる、月経過多になる等 |
急性散在性脳脊髄炎(ADEM) | 発熱する、全身に倦怠感がある、頭痛がする、悪心がある、嘔吐する等、後に、髄膜刺激症状(頭痛がする、悪心がある、嘔吐する、項部硬直する、発熱する、Kernig徴候等)、片麻痺になる、失語する、運動失調になる、四肢麻痺がある、昏睡する等 |
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。
重大・重篤な症状を伴う副反応(副作用)は、通常滅多にあるものではありません。しかし、接種を開始した際の初期症状には、注意が必要です。
その他の副反応(副作用)
その他の副反応(副作用)としては、以下の様な症状が報告・想定されています。
副反応(副作用)の部位名称等 | 副反応(副作用)の名称、症状 |
---|---|
全身症状 | 発熱する、無力症になる、悪寒がする、疲労がある、倦怠感がある |
局所症状(注射部位) | 疼痛がある、紅斑ができる、腫脹ができる、そう痒感がある、出血する、不快感がある、硬結ができる、血腫ができる |
精神神経系 | 頭痛がする、失神する(強直間代運動を伴うことがある)、浮動性眩暈(めまい)がする |
筋・骨格系 | 四肢痛がある、筋骨格硬直がみられる、関節痛がある、筋肉痛がある |
消化器 | 下痢する、腹痛がある、嘔吐する、悪心がある |
血液 | リンパ節症になる |
感染症 | 蜂巣炎になる |
臨床検査 | 白血球数が増加する |
ガーダシルについて
本剤を含め子宮頸がんを予防するために利用されるワクチンは、厚生労働省によって積極的に接種を勧奨していました。
しかし、接種後、体中の痛みを訴えるケースが報告され、接種との因果関係が否定できないと言う理由から、一転、積極的な勧めは控える様になりました。
但し、現在でも子宮頸がんワクチンは、定期接種対象であるため、希望者は無料で接種は可能です。
尚、子宮頸がんの予防方法としては、ワクチン以外の定期的な検診で可能です。
子宮頸がんの進行は細胞の異形成から約5年から10年かかると言われています。
そのため、2年に1回の検診でも十分対応が可能です。自治体により無料で受けられる場合もあります。
以下の方は、基本的に接種不適当者なので、本ワクチンの利用はできません。
・明らかな発熱を呈している方
・重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな方
・本剤の成分に対して過敏症を呈したことがある方
・上記以外に、予防接種を行うことが不適当な状態にある方
以下の方は、このワクチンを利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。
・血小板減少症や凝固障害を有する方
・心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する方
・予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた方、及び、全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある方
・過去に痙攣の既往のある方
・過去に免疫不全の診断がなされている方、及び、近親者に先天性免疫不全症の方がいる方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・授乳婦の方
・高齢の方
・小児等
以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副反応(副作用)を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、飲み合わせ等につきまして医師とご相談ください。
・免疫抑制剤
・コルチコステロイド
・代謝拮抗剤
・アルキル化剤
・細胞毒性剤