アビガンによる副作用

公開日:  最終更新日:2014/11/05

アビガンとは

アビガン(AVIGAN)とは、インフルエンザウィルスの治療薬です。

まだ一般には出回っていませんが、パンデミック等、世界的なインフルエンザの流行が発生し、タミフルなどの既存のお薬が効かない事態になった場合に利用される位置づけになっています。

アビガンの主成分は、ファビピラビル(favipiravir)です。

タブレット形状で、1錠中、200mgの有効成分が含まれています。

アビガンは、細胞内で、酵素のRNAポリメラーゼに作用し、ウィルスの複製を抑止する形でインフルエンザウィルスの増殖を防ぎます。

タミフルなどの既存のお薬が、細胞内で増殖したウィルスが細胞外へ出るのを抑制する作用とは異なります。

但し、動物実験等で、催奇形性が確認されているため、妊婦や妊娠する可能性のある方は禁忌となっております。

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主な副作用

アビガンは、まだ、一般に利用されているお薬ではありませんので、主に臨床試験段階や類薬による副作用情報等を掲載させて頂きます。

主な副作用としては、以下の様なものがあると推測されます。

・血中尿酸値の増加
・下痢をする
・好中球数の減少
・AST(GOT)値の増加
・ALT(GPT)値の増加

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
ショック 顔が赤くなる、痒みがある、蕁麻疹(じんましん)がでる、しびれがある、動悸がする、息切れがする等
アナフィラキシー様症状 口内に違和感がある、かゆみがある、くしゃみをする、顔面が紅潮する、熱感がある、吐き気がする、嘔吐する、尿意がある、便意がある、顔面や喉頭に浮腫ができる、呼吸が困難になる、血圧が低下する等
肺炎 咳がでる、発熱する、喉が痛む、喉が腫れる、息切れする等
劇症肝炎 白眼や皮膚が黄色くなる、発熱する、吐き気がする、全身がだるくなる、AST (GOT)値、ALT (GPT)値、γ-GTP値、Al-P値が著しく上昇する等
肝機能障害 倦怠感がの増大する、食欲が低下する、呼吸が困難になる、吐き気がする、常に眠い状態になる、黄疸がでる等
黄疸 皮膚や白目が黄色くなる、下痢する、全身に脱力感がある、38度から39度の発熱がある、ブツブツ状の発疹がでる等
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN) 発熱する、皮膚が赤くなる、皮膚が焼けるように痛む、皮膚に水脹れ(みずぶくれ)ができる(各種皮膚障害が発生する)、口内が荒れる等
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群) 皮膚に水脹れ(みずぶくれ)ができる(各種皮膚障害が発生する)、皮膚が斑(まだら)模様に赤くなる、目が充血する、発熱する、関節が痛む等
急性腎不全 尿量が減少する、尿が赤みがかって見える、腹痛になる、吐き気がする、下痢する、脱力感がある、関節が痛む、顔や手足にむくみが出る等
白血球減少 風邪等の感染症になりやすい、風邪等が治りにくい
好中球減少 発熱する、発疹ができる、過敏反応からリンパ節が腫脹する等
血小板減少 手足に赤い点(点状出血)がある、あざができる、鼻血がでる、歯茎から出血する等
意識障害 吐き気がする、食欲不振になる、腹痛になる、下痢する、強い倦怠感がある等
異常行動 転落する、飛び降りる等
譫妄(せんもう) イライラする、疲れが取れない、眠れない、強い倦怠感がある、下痢する、動悸がする等
幻覚(げんかく) 現実に本来実在しえないものが聴こえたり(幻聴)、見えたり(幻視)、感じたり(体感幻覚)する等
妄想(もうそう) 現実ではありえないこと、間違っていることを事実と思い込んでしまう等
痙攣(けいれん) 興奮状態が継続する、怒りっぽくなる、よろめく、ぼんやりする、吐き気がする、めまいがする、下肢のコントロールが不能になる、筋肉の付随現象がおこる等

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
皮膚 そう痒症になる、発疹や湿疹ができる
肝臓 ALT (GPT)値の増加、γ – GTP値の増加、Al-P値の増加、AST(GOT)値の 増加、血中ビリルビン値の増加
消化器 十二指腸潰瘍、胃炎になる、血便がでる、下痢する、腹痛がおこる、悪心がある、嘔吐する、腹部不快感がある
血液 好中球数が減少する、白血球数が減少する、白血球数が増加する、赤血球数が減少する、単球数が増加する
代謝異常 血中尿酸値が増加する、血中トリグリセリド値が増加する、尿中ブドウ糖が陽性になる、血中カリウムが減少する
呼吸器 喘息になる、口腔咽頭痛になる、鼻炎になる、鼻咽頭炎がある
その他 血中CK(CPK)値が増加する、尿中血陽性、扁桃腺ポリープができる、色素沈着がおこる、味覚異常になる、挫傷ができる、霧視になる、眼痛がある、回転性眩暈(めまい)がする、上室性期外収縮がおこる

 

アビガンについて

アビガンは、日本では、インフルエンザの治療薬として承認されたお薬ですが、世界的なエボラ出血熱に対する治療薬として、急速に期待が高まっているお薬でもあります。

ここで、アビガンが注目されているのは、その作用機序にあります。

既存のインフルエンザ治療薬であるタミフル等は、細胞内で増殖したインフルエンザウィルスが、その細胞内から外へ出て拡散するのを抑制する様に作用します。

その作用機序(NA阻害薬)から、A型、及びB型にのみ作用します。また、なるべく早く投与(48時間以内)しないと、効果が得られません。また、耐性を持ったウィルスに対しては、理論上作用しなくなります。

実際、最近になって、数は少ないものの、耐性を持ったインフルエンザウィルスの発生が世界から報告されております。

これに対して、アビガンは、ウィルスそのものの増殖を阻害する形(RNAポリメラーゼ阻害剤)で作用します。そのため48時間を過ぎてからも一定の効果が期待されます。

また、その作用機序から、インフルエンザウィルスの型に関係なく作用し、上記の耐性を持ったウィルスにも効果があると言われています。

さらに、インフルエンザだけではなく、同じ様な増殖システムのウィルスに対しても効果があると推測されております。

そこで今回、エボラ出血熱にも効果があるのではないかとの推測の元、利用されている訳です。

ケンブリッジ大学からは、ノロウィルスにも効果があるのでは、との指摘もあります。

但し、アビガンの臨床試験は、まだそれほど多くなく、動物実験による胎児の奇形リスクが懸念されていることもあり、日本国内でもその承認が、慎重になされているのも事実です。

今後の臨床試験の充実と、安全性の証明が期待されているお薬です。

 

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