ロキソニンによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/12

ロキソニンとは

ロキソニン(Loxonin)とは、解熱・鎮痛薬です。内服して利用します。

炎症を抑制する効果もあります。これらの作用は強力で、効果が現れるのも速いのが特徴です。

本剤の主成分は、ロキソプロフェンナトリウム水和物(Loxoprofen Sodium Hydrate)で、プロスタグランジン(PG)の合成酵素である「シクロオキシゲナーゼ(COX)」を阻害する作用があります。

この作用により、炎症や発熱させるプロスタグランジン(PG)の合成を抑制し、結果として炎症や腫れ、痛み、熱の諸症状を緩和する効果が期待されます。

関節リウマチや変形性関節症から、歯痛まで、様々な症状に利用されております。

適応症は以下の通りです。

・下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛
  ・関節リウマチ
  ・変形性関節症
  ・腰痛症
  ・肩関節周囲炎
  ・頸肩腕症候群
  ・歯痛
・手術後、外傷後並びに抜歯後の鎮痛・消炎
・急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)

但し、他の薬剤との併用に際して、それぞれの効能や副作用を増減させる場合があるため、持病などで、お薬を服用されている方は、医師や薬剤師と相談してください。

本剤は、第一三共株式会社により製造販売されています。

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主な副作用

ロキソニンの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。

・胃部不快感がある
・腹痛がする
・悪心がある
・嘔吐する
・食欲不振になる
・浮腫ができる
・むくみがでる
・発疹ができる
・蕁麻疹(じんましん)がでる
・眠気がする

ロキソニンを服用した際の主な副作用に、胃腸障害があります。

ロキソニンは、解熱・鎮痛効果として、強い効果が期待される反面、副作用も強く出る可能性が高いお薬です。

これまでに個人差はありますが、胃腸の激痛により、起き上がることも出来ない状況になった方もいらっしゃいます。

特に、胃潰瘍、消化潰瘍の方や、普段から胃腸が弱い方は、注意が必要です。

空腹時を避け、必要ならば、胃薬と一緒に服用すると良いでしょう。

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
無顆粒球症 発熱する、咽頭痛になる、倦怠感がある、口内炎ができる等
小腸・大腸の狭窄・閉塞 小腸・大腸の潰瘍に伴い、狭窄・閉塞があらわれる、悪心がある、嘔吐する、腹痛がする、腹部膨満がみられる等
横紋筋融解症 手足肩を中心とした筋肉痛・こわばりがある、手足が痺れる(しびれる)、赤褐色の尿がでる、脱力感がある、CK(CPK)値が上昇する、血中及び尿中ミオグロビン値が上昇する等、急激な腎機能悪化を伴う場合がある
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群) 関節に痛みがある、発熱する、皮膚に水脹れができる(各種皮膚障害)、皮膚がまだら模様に赤くなる、目が充血する等
アナフィラキシー様症状 悪寒がする、紅斑が出る、そう痒感がある、眩暈がする、口腔咽頭浮腫が出る、口内に違和感がある、血管に浮腫が発生する、かゆみがある、くしゃみをする、顔面が紅潮する、熱感がある、吐き気がする、嘔吐する、尿意がある、便意がある、全身に発赤する、顔面、喉頭に浮腫が発生する、呼吸が困難になる、血圧が低下する、喘鳴がする、不快感がある、耳鳴がする、発汗する等
中毒性表皮壊死症(Lyell症候群もしくはToxic Epidermal Necrolysis:TEN) 皮膚が赤くなる、皮膚が焼けるように痛む、皮膚に水脹れができる(各種皮膚障害)、発熱する、口内が荒れる等
ショック 呼吸困難になる、意識がなくなる、血圧低下による失神を起こす、胸が苦しくなる、チアノーゼが発生、顔が赤くなる、冷感がする、嘔吐する、痒みを感じる、蕁麻疹(じんましん)が出る、動悸がする、しびれる、息切れがする等
間質性肺炎 呼吸が困難になる、発熱がある、咳嗽がある、胸部X線に異常がある、好酸球が増多する、動悸がする、息切れがある等
ネフローゼ症候群 高度の浮腫が発生する、大量のたんぱく尿が出る、尿が泡立っている、まぶたや下肢がむくむ、胸水がある、腹水がある、心嚢水がある、息切れがする、呼吸が困難になる、吐き気がする、嘔吐する、体重が増加する、免疫力が低下する
喘息発作 せきがでる、喉に異変が生じる、息切れする、胸が締めつけられるような感じがする、ヒューヒュー鳴る、息苦しい等
溶血性貧血 皮膚や白目が黄色くなる、赤い尿が出る、発熱する、貧血を起こす等
肝機能障害 吐き気がする、倦怠感が増大する、食欲が低下する、呼吸が困難になる、常に眠い、黄疸がある、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、総ビリルビン等の臨床値が上昇する等
白血球減少 風邪等が治りにくい、風邪等の感染症になりやすい
間質性腎炎 間接が痛む、発熱がある、吐き気がある、下痢する、尿が濁っている等
血小板減少 あざができる、鼻血が出る、手足に赤い点(点状出血)が現れる、歯茎の出血がある等
急性腎不全 尿量が減少する、尿が赤みがかる、腹痛がする、吐き気がする、下痢する、脱力感がある、関節が痛む、顔や手足がむくむ等
うっ血性心不全 心臓の収縮力が低下する、血液の送出量が低下する、心臓や肺等の静脈にうっ血がある、動悸がする、息切れする、就寝中に咳をする、呼吸が困難になる等
消化管出血 血を吐く(吐血)、黒いタール便がでる(メレナ)、貧血を起こす、疲れやすい、顔が青白い、脈が速くなる、低血圧になる、尿量が減少する、手足が汗ばむ、手足が冷たくなる、意識が混濁する、見当識障害がある、眠気がある等
再生不良性貧血(類薬で) 赤紫のあざがでる、発熱する、のどに痛みがある、悪寒がある、手足に赤い点(点状出血)がでる、鼻血がでる、歯茎から出血する、貧血の症状がでる等
消化管穿孔(しょうかかんせんこう) ショック症状を起こす、急激な腹痛が発生する、遊離ガスが横隔膜直下に溜まる、腹膜炎になる、大量出血がある、敗血症になる等
黄疸 嘔気がある、嘔吐する、食欲不振になる、倦怠感がある、そう痒がある、皮膚や白目が黄色くなる、下痢する、全身の脱力感がある、38~39度の発熱がある、ブツブツ状の発疹が発生する等
無菌性髄膜炎 嘔吐する、発熱する、頭痛がする、髄膜刺激症候(悪心がある、項部硬直がある、意識障害がある、膝関節を屈曲できても伸ばせなくなる)がある、大泉門の膨隆がある、痙攣(けいれん)する、不機嫌になる、無呼吸発作がある、哺乳力が低下する、易刺激性がある、筋緊張が低下するなど

上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
循環器 動悸がする、血圧が上昇する
肝臓 ALT(GPT)値が上昇する、AST(GOT)値が上昇する、ALP値が上昇する
精神神経系 頭痛がする、眠気がある、しびれる、めまいがする
過敏症 そう痒感がある、発疹ができる、蕁麻疹(じんましん)がでる、発熱する
泌尿器 血尿がでる、蛋白尿がでる、排尿困難になる
消化器 消化不良をおこす、腹痛がある、胃部不快感がある、消化性潰瘍ができる、食欲不振になる、悪心がある、嘔吐する、下痢する、便秘になる、胸やけをおこす、口内炎ができる、口が渇く、腹部膨満がみられる、小腸・大腸の潰瘍ができる
血液 好酸球が増多する、貧血になる、白血球が減少する、血小板が減少する
その他 顔面に熱感がある、浮腫が発生する、胸痛がある、倦怠感がある

 

ロキソニンについて

持病やアレルギーのある方は事前に医師とご相談ください。

特に、胃腸や肝臓、腎臓の良くない方は医師とのご相談が必要です。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・消化性潰瘍のある方
・重篤な血液の異常のある方
・重篤な肝障害のある方
・重篤な腎障害のある方
・重篤な心機能不全のある方
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
・アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある方
・妊娠末期の方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・消化性潰瘍の既往歴のある方
・非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある方で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている方
・血液の異常又はその既往歴のある方
・肝障害又はその既往歴のある方
・腎障害又はその既往歴のある方
・心機能異常のある方
・過敏症の既往歴のある方
・気管支喘息の方
・潰瘍性大腸炎の方
・クローン病の方
・高齢の方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・授乳婦の方
・小児等

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。

・クマリン系抗凝血剤
  ・ワルファリン
・スルホニル尿素系血糖降下剤
  ・トルブタミド等
・ニューキノロン系抗菌剤
  ・エノキサシン水和物等
・メトトレキサート
・リチウム製剤
  ・炭酸リチウム
・チアジド系利尿薬
  ・ヒドロフルメチアジド
  ・ヒドロクロロチアジド等
・降圧剤
  ・ACE阻害剤
  ・アンジオテンシンII受容体拮抗剤等

 

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