タキソールによる副作用

公開日:  最終更新日:2015/06/23

タキソールとは

タキソール(TAXOL)とは、卵巣がん等の治療薬です。

通常、タキソール注射液(TAXOL INJECTION)として利用されている、植物アルカロイド系の抗がん剤です。

主な成分は、パクリタキセル(Paclitaxel)で、がん細胞の分裂を抑制します。

適応となる癌は、以下の通りです。

・卵巣癌
・非小細胞肺癌
・乳癌
・胃癌
・子宮体癌
・頭頸部癌
・食道癌
・血管肉腫
・子宮頸癌
・胚細胞腫瘍(精巣腫瘍、卵巣腫瘍、性腺外腫瘍)

本剤は、同様の成分薬が以下の商品名で各社から製造販売されています。

・タキソール
   ブリストル・マイヤーズ株式会社

・アブラキサン
   大鵬薬品工業株式会社

・パクリタキセル
   ホスピーラ・ジャパン株式会社
   持田製薬株式会社
   日本化薬株式会社
   沢井製薬株式会社
   サンド株式会社
   マイラン製薬株式会社
   ファイザー株式会社
   ニプロ株式会社

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主な副作用

タキソールの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。

・脱毛症になる
・感覚が減退する
・疲労する
・筋痛がある
・関節痛がある
・悪心がある
・発疹ができる
・下痢する
・便秘する
・食欲不振になる
・爪の障害がおこる
・嘔吐する
・鼻咽頭炎になる
・口内炎ができる
・浮腫ができる
・味覚異常になる
・体重が減する少
・高血圧になる
・発熱する
・浮動性めまいがする
・体重が増加する

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
ショック 血圧低下に伴い失神する、意識が消失する、チアノーゼが見られる、呼吸困難になる、胸内苦悶がある、冷感がある、嘔吐する、顔が赤くなる、痒みがある、蕁麻疹(じんましん)がでる、痺れる(しびれる)、動悸がする、息切れする等
アナフィラキシー様症状 紅斑ができる、悪寒がする、口腔咽頭浮腫ができる、口内に違和感がある、かゆみがある、くしゃみがでる、顔面が紅潮する、熱感がある、吐き気がする、嘔吐する、尿意がある、便意がある、そう痒感がある、全身発赤する、顔面や喉頭浮腫ができる、呼吸困難になる、血圧が低下する、喘鳴(ぜんめい)が聴こえる、血管浮腫ができる、不快感がある、眩暈(めまい)がする、耳鳴がする、発汗する等
骨髄抑制 白血球が減少する、好中球が減少する、血小板が減少する、貧血になる、ヘモグロビンが減少する、赤血球が減少する、出血する、発熱する、悪寒がする、口中に白い斑点ができる、点状出血(手足の赤い点)がある、紫斑がある、鼻血がでる、歯茎の出血がある、水便がでる、脱力感がある等
末梢神経障害 手足が痺れる(しびれる)、手足が痛む、灼熱感がある、筋力が低下する、筋萎縮がある等
麻痺 麻痺する、片麻痺になる、不全麻痺になる等
間質性肺炎 発熱する、咳嗽(がいそう)がでる、呼吸困難になる、胸部X線に異常がある、好酸球増多になる、動悸する、息切れする等
肺線維症(肺胞炎) 息切れする、呼吸困難になる、空咳がでる、発熱する、倦怠感がある、食欲不振になる、疲れやすくなる、チアノーゼがみられる等
成人呼吸促迫症候群(急性呼吸窮迫症候群)(ARDS) 頻呼吸になる、1回換気量が低下する、肺水腫になる、胸部X線上に著明な滲出液がみられる、酸素飽和度と動脈血酸素分圧の急激な低下がみられる等
心筋梗塞 突然の左前胸部圧迫感がある、狭心痛がある、嘔吐する、吐き気がする、ショック状態になる等
うっ血性心不全 心臓の収縮力が低下する、血液送出量が低下する、心臓や肺等の静脈がうっ血する、動悸がする、息切れする、就寝中に咳がでる、呼吸困難になる等
心伝導障害 無症候性のこともある、動悸(脈の欠滞、速い脈、激しい脈の感覚)がする、血行動態不全症状になる(例:呼吸困難、胸部不快感、前失神状態、失神)、心停止する、多尿になる等
肺塞栓症 突然起こる息切れがある、呼吸が速くなる、落ち着かない、鋭い胸の痛みがある、眩暈(めまい)がする、失神する、痙攣(けいれん)する、不整脈がある、血痰がでる、発熱する、足首や脚のむくみがある、脱力感がある、チアノーゼがみられる等
血栓性静脈炎 索状の発赤がある、浮腫ができる、痛みを伴う硬結がある、発熱する、悪寒(おかん)がする、急激に現れる浮腫がある、浮腫性の腫れがある、チアノーゼ(皮膚や粘膜が紫色になる)がみられる、強い痛みがある等
脳卒中 頭痛がする、麻痺(半身不随)がある、感覚障害がある、言語障害がある、視野障害がある、眩暈(めまい)がする、失調(ぎこちなさ)になる、意識障害がある、痴呆(ぼけ)になる、手のふるえ(振戦)がある等
肺水腫 急激な呼吸困難になる、胸部痛がある、嘔吐する、不整脈がある、下痢する、発汗がある、ピンク又は白い泡状の痰がでる等
難聴 耳鳴りがする、耳が詰まった感じになる、眩暈(めまい)がする、顔がほてる、口周辺に痺れ(しびれ)がある等
消化管潰瘍 食後の腹痛が長い、腹部が張る、吐き気がする、嘔吐する、下痢する等
消化管穿孔(しょうかかんせんこう) 急激な腹痛がある、ショック症状になる、遊離ガスが横隔膜直下に溜まる、腹膜炎になる、大量出血がある、敗血症になる等
消化管出血 血を吐く(吐血)、黒いタール便(メレナ)がでる、貧血になる、疲れやすくなる、顔が青白く見える、脈が速くなる、低血圧になる、尿量が減少する、手足が汗ばむ、手足が冷たくなる、意識が混濁する、見当識障害がある、眠気がある等
消化管壊死 急激な腹痛がある、食道や胃、小腸等の腐食がある、便潜血がある、白血球が増加する、血性腹水がある等
重篤な腸炎 出血性大腸炎になる、偽膜性大腸炎になる、虚血性大腸炎になる、激しい腹痛がある、下痢する等
腸管閉塞 激しい腹痛がある、排便が停止する、腹部膨満感がある、食欲不振になる、吐き気がする、嘔吐する等
腸管麻痺 強い腹痛がある、腹部弛緩がある、腸内容物のうっ滞がある、腸管壁の浮腫ができる、腸音の消失がある等
肝機能障害 倦怠感が増大する、食欲が低下する、呼吸が困難になる、吐き気がする、常に眠い、黄疸がでる、AST(GOT)値、ALT(GPT)値、γ-GTP値、総ビリルビン値等の上昇がみられる等
黄疸 嘔気がある、嘔吐する、食欲不振になる、倦怠感がある、そう痒がある等、皮膚や白目が黄色くなる、下痢する、全身の脱力感がある、38度~39度の発熱がある、ブツブツ状の発疹がある等
膵炎 胃周辺の急な激しい痛みがある、吐き気がする、背中の痛みがある、嘔吐(おうと)する等
急性腎不全 尿量が減少する、尿が赤みがかる、眼がはれぼったい、疲れやすい、からだがだるい、腹痛がある、吐き気がある、下痢する、脱力感がある、関節の痛みがある、頭痛がする、顔や手足のむくみがある、息苦しい、意識が低下する等
中毒性表皮壊死融解症(Toxic EpidermalNecrolysis:TEN) からだがだるい、関節の痛みがある、皮膚が焼けるように痛む、全身の赤い斑点と破れやすい水ぶくれ(水疱)ができる、発熱する、食欲不振で口内が荒れる等
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群) 高熱がでる、陰部の痛みがある、関節の痛みがある、ひどい口内炎になる、唇や口内のただれがある、発熱する、皮膚がまだら模様に赤くなる、皮膚に水脹れが出る(各種皮膚障害)、中央にむくみをともなった赤い斑点ができる、赤い発疹がでる、まぶたや眼が充血する、結膜が爛れる(ただれる)、食欲不振になる、からだがだるい等
播種性血管内凝固症候群(DIC)(はしゅせい けっかんない ぎょうこ しょうこうぐん) 微小血栓による循環不全になる(腎不全、肺塞栓による呼吸困難・チアノーゼ、ショックなど)、凝固因子や血小板減少や線溶活性化による出血症状がおこる(粘膜出血、止血不良、脳出血、皮膚出血性、血尿、消化管出血など)、中枢神経症状がおこる(意識障害、痙攣、昏睡)、臓器虚血(多臓器不全)になる等

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
過敏症 発疹がdる、発赤になる
循環器 低血圧になる、不整脈がある、頻脈になる、徐脈になる、期外収縮がある、高血圧になる、心悸亢進がある、心電図に異常がある、心房細動がある、心室細動がある、心肥大になる、狭心症になる
消化器 悪心がある、嘔吐する、下痢する、食欲不振になる、口内炎ができる、便秘する、消化不良になる、鼓腸放屁がある、胃炎になる、腹部膨満感がある、直腸疼痛がある、嚥下障害になる、歯肉炎になる、直腸障害がある、口唇炎になる、舌苔がある、歯肉痛になる等
肝臓 AST(GOT)値が上昇する、Al-P値が上昇する、LDH値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、ビリルビン値が上昇する
泌尿器 電解質異常がある、BUN値が上昇する、クレアチニン値が上昇する、蛋白尿がでる、排尿困難になる、血尿がでる、尿失禁する、尿閉になる、出血性膀胱炎になる等
皮膚 脱毛がある、斑状丘疹性皮疹になる、強皮症様変化がある、そう痒がある、皮膚疾患がある、爪の障害がある、皮膚潰瘍がある、蕁麻疹(じんましん)がでる、皮膚炎になる、色素沈着がある、皮膚乾燥がある、表皮剥離がある、皮膚腫脹になる、爪変色する等
精神神経系 眩暈(めまい)がする、不眠になる、不安になる、うつ病になる、傾眠になる、思考異常がある、振戦(ふるえ)がでる、失神する、激越する、神経学的疾患になる、痙攣(けいれん)する、運動失調になる、健忘症になる、緊張が低下する、意識障害がある、寡動がある、言語障害になる、緊張亢進する、精神症状がある、譫妄(せんもう)がある、眼振がある、不随意運動がある、嗄声がある、気分変動がある等
感覚器 暗点がある、味覚倒錯がある、味覚喪失がある、視力異常がある、眼疾患がある、結膜炎になる、耳痛がする、眼痛がある、霧視する、流涙が増加する、眼精疲労になる、飛蚊症になる、眼乾燥がある、角膜炎になる、舌異常感がある、結膜出血がある、光視症になる等
呼吸器 呼吸困難になる、低酸素症になる、咳が増加する、喀痰が増加する、咽頭不快感がある等
全身症状 無力症になる、腹痛がある、倦怠感がある、頭痛がする、浮腫ができる、疼痛がある、インフルエンザ様症候群になる、腹部腫脹がある、さむけがする、体重が増加する、体重が減少する
筋骨格 関節痛になる、筋肉痛になる、筋力が低下する、骨痛がある、背部痛がある、頸部痛がある、腰痛がある等
その他 発熱する、潮紅がある、胸痛がある、出血する、注射部反応がある、末梢性浮腫ができる、総蛋白が減少する、アルブミンが減少する、骨盤痛がある、発汗する、吃逆がある、口渇がある、不正出血がある、無月経になる、注射部痛がある、酩酊感がある、高血糖になる、低血糖になる、脱水になる

 

タキソールについて

タキソールは、抗がん剤として、化学療法で利用されるお薬です。

利用に際しては、骨髄抑制により、感染症にかかりやすくなりますので、もし、発熱等の症状が発現した場合には、速やかに医師に相談してください。

シスプラチン、ドキソルビシン、ビタミンAを含む食品や薬を併用した場合、相互作用の結果、副作用が強く出る可能性がありますので、ご注意ください。

次の方は禁忌ですので、利用できません。

・重篤な骨髄抑制のある方
・感染症を合併している方
・本剤の成分に対してアレルギーのある方
・ポリオキシエチレンヒマシ油含有製剤(例えばシクロスポリン注射液等)に対して過敏症の既往歴のある方
・妊娠しているか、その可能性のある方
・薬剤として、ジスルフィラム、シアナミド、カルモフール、プロカルバジン塩酸塩を利用している方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・骨髄抑制のある方
・肝障害のある方
・腎障害のある方
・高齢の方
・アルコールに過敏な方
・間質性肺炎の方
・肺線維症の方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・授乳婦の方
・小児等

以下の薬剤との併用は、基本的に禁忌です。ご利用されている方は、医師とご相談ください。

・ジスルフィラム
・シアナミド
・カルモフール
・プロカルバジン塩酸塩

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、医師とご相談ください。

・放射線照射
・抗悪性腫瘍剤
・シスプラチン
・ドキソルビシン塩酸塩
・ビタミンA
・アゾール系抗真菌剤
  ・ミコナゾール等
・マクロライド系抗生剤
  ・エリスロマイシン等
・ステロイド系ホルモン剤
  ・エチニルエストラジオール等
・ジヒドロピリジン系カルシウムチャンネルブロッカー
  ・ニフェジピン等
・シクロスポリン
・ベラパミル塩酸塩
・キニジン硫酸塩水和物
・ミダゾラム
・フェナセチン
・ラパチニブトシル酸塩水和物
・N-メチルテトラゾールチオメチル基を有するセフェム系抗生物質
  ・セフメノキシム塩酸塩
  ・セフォペラゾンナトリウム
  ・セフブペラゾンナトリウム
  ・セフミノクスナトリウム水和物
  ・セフメタゾールナトリウム
  ・ラタモキセフナトリウム
・メトロニダゾール

 

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