レミニールによる副作用
レミニールとは
レミニール(REMINYL)とは、認知症の症状を軽減するためのお薬です。
通常、アルツハイマー型認知症に利用されています。
アルツハイマーの原因としては、アセチルコリン系の神経が弱まっているためと考えられています。
本剤の主成分は、ガランタミン臭化水素酸塩(Galantamine Hydrobromide)で、アセチルコリン分解酵素の活動を阻害することでアセチルコリンを増加させる作用があります。
また、アセチルコリンの受容体を一部ブロックする作用もあり、一定のアセチルコリン量を保持することが可能で、これらの作用により認知症の症状を改善すると言われています。
適応症は以下の通りです。
・軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制
尚、本剤は、認知症の進行を抑制するための対症療法薬であり、認知症の原因そのものを治療するお薬ではありません。
本剤は、ヤンセンファーマ株式会社、武田薬品工業株式会社により製造販売されています。
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主な副作用
レミニールの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。
・悪心がある
・嘔吐する
・食欲不振になる
・下痢する
・食欲が減退する
・頭痛がする
重大・重篤な副作用
重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。
副作用の名称 | 想定される症状等 |
---|---|
失神 意識消失(意識喪失) |
眩暈(めまい)がする、立ちくらみがある、顔面が蒼白になる、動悸が高まる、胸の痛みがある、胸部不快感がある等 |
徐脈 | 脈が飛ぶ、脈拍数が平均値より低い(1分間に60回以下)、動悸がする、数秒以上の心臓の停止がある等 |
心ブロック | 心拍数が低下する、自覚症状がない、心房から心室への電気信号伝達が遅滞、心拍リズムが不正になる等 |
QT延長 | 意識を失った、脈が乱れる、立ち眩みがする等 |
急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP) | 高熱がでる(38℃以上)、皮膚の広い範囲が赤くなる、赤くなった皮ふ上に小さな白いブツブツ(小膿疱)が出る、全身がだるい、食欲がない等 |
肝炎 | 高熱がでる、黄色い尿がでる、白目や皮膚が黄色くなる、倦怠感が増大する、淡黄色の便がでる等 |
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。
重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。
その他の副作用
その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。
副作用の部位名称等 | 副作用の名称、症状 |
---|---|
感染症および寄生虫症 | 鼻咽頭炎になる、膀胱炎になる、尿路感染がおこる |
血液およびリンパ系障害 | 貧血になる |
過敏症 | 発疹ができる、そう痒症になる、顔面浮腫ができる、薬疹がでる、全身性皮疹がみられる、蕁麻疹(じんましん)がでる |
代謝および栄養障害 | 食欲不振になる、食欲が減退する、脱水になる |
精神障害 | 不眠症になる、激越がみられる、怒りがみられる、攻撃性がみられる、不安になる、譫妄がみられる、落ち着きのなさ、幻覚がみられる、うつ病になる、幻視がある、幻聴がある |
神経系障害 | 頭痛がする、浮動性眩暈(めまい)がする、意識消失がみられる、傾眠がみられる、痙攣(けいれん)する、体位性眩暈(めまい)がする、振戦がみられる、アルツハイマー型認知症の悪化がみられる、パーキンソニズムがみられる、嗜眠がみられる、味覚異常になる、過眠症になる、錯感覚がみられる、錐体外路障害がみられる |
眼障害 | 霧視がみられる |
耳および迷路障害 | 耳鳴がする |
心臓障害 | 心室性期外収縮がみられる、上室性期外収縮がみられる、心房細動がみられる、動悸がする |
血管障害 | 高血圧になる、低血圧になる、潮紅がみられる |
呼吸器、胸郭および縦隔障害 | 咳嗽(がいそう)がみられる |
胃腸障害 | 悪心がある、嘔吐する、下痢する、腹痛になる、便秘をする、上腹部痛がある、胃不快感がある、胃炎になる、腹部膨満がみられる、消化不良になる、胃潰瘍になる、腸炎になる、萎縮性胃炎になる、腹部不快感がある、レッチングがみられる |
肝胆道系障害 | 肝機能異常がみられる |
皮膚および皮下組織障害 | 湿疹ができる、皮下出血がみられる、多汗症になる、紅斑ができる |
筋骨格系および結合組織障害 | 背部痛がある、筋力が低下する、筋痙縮(けいれん)がみられる |
腎および尿路障害 | 頻尿になる、尿失禁する、血尿がみられる |
全身障害および投与局所様態 | 倦怠感がある、異常感がある、無力症になる、発熱する、胸痛がある、疲労がある、歩行障害がある |
臨床検査 | 体重が減少する、肝機能検査値の異常がある、CK(CPK)値が増加する、尿中白血球が陽性になる、血圧が上昇する、血中のブドウ糖が増加する、尿中血陽性になる、血中トリグリセリド値が増加する、尿中赤血球陽性になる、白血球数が増加する、血中コレステロール値が増加する、LDH値が増加する、血中カリウム値が減少する、血圧が低下する、血中尿酸値が増加する、心電図異常がみられる、総蛋白減少がみられる |
傷害、中毒および処置合併症 | 転倒する、転落する |
過量投与 | 筋力低下がみられる、筋線維束収縮がみられる、重度の悪心がある、嘔吐する、消化管痙攣(けいれん)がみられる、流涎がみられる、流涙がみられる、排尿がみられる、排便がみられる、発汗がみられる、徐脈になる、低血圧になる、虚脱する、痙攣(けいれん)する、呼吸筋の弛緩がみられる(死に至る場合あり)等 |
レミニールについて
国内では2011年に発売されたお薬です。
持病やアレルギーのある方は事前に医師とご相談ください。
眠気や眩暈(めまい)が発現する可能性があるため、車の運転や危険を伴う作業等は控えてください。
本人や家族の勝手な判断で、服用を中止するとかえって症状が悪化する場合がありますので、何らかの原因で服用を中止したい場合には医師とご相談ください。
以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。
・洞不全症候群の方
・心房内及び房室接合部伝導障害等の心疾患のある方
・消化性潰瘍の既往歴のある方
・非ステロイド性消炎鎮痛剤を投与中の方
・消化管閉塞のある方
・消化管手術直後の方
・下部尿路閉塞のある方
・膀胱手術直後の方
・てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある方
・気管支喘息又は閉塞性肺疾患の既往歴のある方
・錐体外路障害(パーキンソン病、パーキンソン症候群等)のある方
・肝障害のある方
・腎障害のある方
以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。
・コリン作動薬
・アセチルコリン
・ベタネコール
・アクラトニウム等
・コリンエステラーゼ阻害剤
・ネオスチグミン等
・スキサメトニウム
・ジゴキシン
・β遮断剤
・プロプラノロール
・アテノロール
・カルベジロール等
・抗コリン剤
・アトロピン
・ブチルスコポラミン
・トリヘキシフェニジル
・ビペリデン等
・アミトリプチリン
・フルボキサミン
・パロキセチン
・キニジン等
・イトラコナゾール
・エリスロマイシン等