ウルティブロによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/05

ウルティブロとは

ウルティブロ(ultibro)とは、気管支を広げるためのお薬です。

主に慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に利用される吸入薬です。

本剤の主成分は、グリコピロニウム臭化物(Glycopyrronium Bromide)とインダカテロールマレイン酸塩(Indacaterol Maleate)です。

何れも気管支拡張薬で、効果が早く出て、かつ、長時間効果が持続する特徴があります。

グリコピロニウム臭化物は、抗コリン薬で、神経伝達物質であるアセチルコリンの受容体(M3)をブロックする作用があります。

この作用により、副交感神経の亢進を阻害し、気管支の収縮を緩和する効果が期待されます。

インダカテロールマレイン酸塩は、β2刺激薬で、気管支平滑筋にある交感神経β2受容体に作用し、気管支を広げる作用が期待されます。

作用の異なる2つの成分による相乗効果により、効果的な気管支拡張作用が期待されます。

適応症は以下の通りです。

・慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解(長時間作用性吸入抗コリン剤及び長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)

本剤は、ノバルティスファーマ株式会社、Meiji Seika ファルマ株式会社により、製造販売されています。

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主な副作用

ウルティブロの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。

(慢性閉塞性肺疾患)
・咳嗽等

(慢性閉塞性肺疾患)
・口内乾燥等

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
重篤な血清カリウム値の低下 高血圧になる、疲労がみられる、筋力が低下する、神経機能の低下がみられる、不安がある、イライラする、抑うつがみられる、睡眠障害がみられる、虚弱になる、便秘になる、乾燥肌になる、不整脈がみられる、筋力の低下がみられる、筋肉痛がある、痙攣(けいれん)する、麻痺する、自律神経失調になる、強度の筋肉痙攣がみられる等
心房細動 突然始まる動悸、胸がモヤモヤする、胸が痛い、眩暈(めまい)がする、集中力がなくなる等

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
感染症 鼻咽頭炎になる、鼻炎になる、副鼻腔炎になる、上気道感染がみられる、尿路感染がみられる
代謝及び栄養障害 高血糖になる、糖尿病になる
精神障害 不眠症になる
神経系障害 感覚鈍麻がみられる、錯感覚がある、眩暈(めまい)がする、頭痛がする
眼障害 緑内障になる
心臓障害 頻脈になる、動悸がする、虚血性心疾患がみられる
呼吸器障害 鼻出血がみられる、鼻漏がみられる、副鼻腔うっ血がみられる、気管支痙攣(けいれん)になる、発声障害がおこる、咳嗽・湿性咳嗽がみられる、口腔咽頭痛・咽喉刺激感がみられる
胃腸障害 消化不良になる、嘔吐する、齲歯がみられる、口内乾燥がみられる、胃腸炎になる
過敏症 血管浮腫ができる、蕁麻疹(じんましん)がでる、そう痒症になる、発疹ができる
筋骨格系障害 筋肉痛がする、筋骨格痛がする、四肢痛がする、頚部痛がする、筋痙縮がみられる
腎及び尿路障害 膀胱閉塞がみられる、尿閉がみられる
全身障害 疲労する、無力症になる、胸部不快感がある、胸痛がする、発熱する、末梢性浮腫ができる
過量投与 頻脈になる、振戦がみられる、動悸がする、頭痛がする、悪心がある、嘔吐する、傾眠がみられる、心室性不整脈がみられる、代謝性アシドーシスがみられる、低カリウム血症及び高血糖になる、心室性期外収縮が増加する、非持続性心室頻拍がみられる等

 

ウルティブロについて

長時間効果が持続するため、1日1回の吸入で済みます。

持病やアレルギーのある方は事前に医師とご相談ください。

特に緑内障や前立腺肥大症等の場合、注意が必要です。

タバコ(喫煙)は、慢性閉塞性肺疾患の原因でもあるため、禁煙してください。

本剤は、飲み薬ではありません。吸入剤です。専用の吸入器具で吸入してください。

吸入の際、目に入らない様、注意が必要です。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・閉塞隅角緑内障の方
・前立腺肥大等による排尿障害がある方
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・甲状腺機能亢進症の方
・心血管障害(冠動脈疾患、急性心筋梗塞、不整脈、高血圧等)のある方
・心不全、心房細動、期外収縮の方、又は、これらの既往歴のある方
・糖尿病の方
・てんかん等の痙攣性疾患のある方
・重度の腎機能障害のある方
・前立腺肥大のある方
・高齢の方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・小児等

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。

・CYP3A4を阻害する薬剤
  ・エリスロマイシン等
・P糖蛋白を阻害する薬剤
  ・ベラパミル等
・リトナビル
・QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤
  ・MAO阻害剤
  ・三環系抗うつ剤等
・交感神経刺激剤
・キサンチン誘導体
・ステロイド剤
・利尿剤
  ・サイアザイド系利尿剤
  ・サイアザイド系類似利尿剤
  ・ループ利尿剤
・β遮断剤(点眼剤を含む)

 

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