ステロイドによる副作用
ステロイドとは
ステロイド(Steroid)とは、副腎皮質ホルモンの1つです。
ステロイドには、炎症や免疫力を抑制する作用があり、古くから皮膚炎や気管支喘息を含むアレルギー性疾患、リウマチ、腎疾患、心疾患などに幅広く利用されております。
本来、ステロイドとは、体内に2つある副腎と言う内臓の外側にある皮質部分から分泌されるホルモンのことを指します。
副腎皮質ホルモンには、上記にも記載した通り、炎症を強力に抑える作用や、免疫作用、止血作用、免疫抑制作用等、身体の様々な反応をコントロールする作用があります。
この副腎皮質ホルモンを化学合成したお薬のことを、副腎皮質ホルモン剤と言います。
歴史は古く、1946年に酢酸コルチゾンが開発されてから、これまでの間に、様々なステロイドホルモン剤が開発されています。
効果の強い薬もあり、その場合、副作用も比例して多く、重くなる傾向があります。
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主な副作用
ステロイドの副作用としては、満月様顔貎(ムーンフェイス)が最も多く報告されています。
これは、食欲が増進し、なおかつ、脂肪に関する代謝の障害により発生すると言われています。通常、ステロイド薬の使用を減少させることで改善します。また、食欲が増進しますので、適切にカロリーを制限し、お菓子などの間食は、控えることが重要です。
主な副作用として、易感染性があります。これは、ステロイドが身体の免疫力を抑制するため、風邪やインフルエンザなどにかかり易くなることを言います。
対策としては、日頃から、風邪などに掛からない様、予防に努めることがポイントです。外出時には、人ごみを避け、マスクを着用する等して、ウィルスの感染を防ぎます。
また、外から帰宅した際には、手洗い、うがいなどを行い、予防に徹します。
但し、ステロイドの投与量が多い場合には、感染予防薬を飲む場合もあります。この辺りにつきましては、個人差もありますので、医師と相談する必要があります。
骨粗しょう症(ステロイド骨粗鬆症)の副作用も、比較的多い様です。骨がもろくなり、骨折しやすくなります。対応としては、骨を保護する薬(ビスホスホネート)がありますので、ご心配な方は、医師と相談しましょう。
糖尿病(ステロイド糖尿病)の副作用も、よく聞きます。これは、ステロイドの量が多くなると、血糖値が上昇する傾向があるためです。対策としては、一般的な糖尿病と同様に、食事療法、および、薬を利用する形になります。
消化性潰瘍(ステロイド潰瘍)の副作用が発生し易くなります。これは、消化管の粘膜が弱まるためです。通常、胃腸薬により、胃の粘膜等を保護することで予防します。
血栓症の副作用も、よく報告されています。これは、血小板の働きが強くなるためで、血管の中で血液が固まり、血栓が作られます。対応策としては、血液をサラサラにするための薬(抗血小板薬)を服用します。
精神症状(ステロイド精神病)も、比較的多く報告される副作用です。これは、軽度なものが多く、不眠症や、うつ等です。対策としては、通常、ステロイドの投与量を減らすことで、改善されますので、症状がある方は、医師と相談してください。
以上が、ステロイドの副作用に関する主要なものです。
以下に、参考例として、ステロイド薬の代表的なお薬に関する副作用のページを示します。