ヴィキラックスによる副作用
ヴィキラックスとは
ヴィキラックス(VIEKIRAX)とは、C型慢性肝炎(1型)を治療するためのお薬です。
本剤の主成分は、オムビタスビル水和物(Ombitasvir Hydrate)、パリタプレビル水和物(Paritaprevir Hydrate)、リトナビル(Ritonavir)の3つが配合された配合錠です。
オムビタスビルは、「HCV NS5A複製複合体阻害薬」と呼ばれ、ウィルスの複製や細胞内シグナル伝達に関与している多機能タンパクである「NS5A複製複合体」を選択的に阻害する作用が期待されます。
パリタプレビルは、「HCV NS3-4Aプロテアーゼ阻害薬」と呼ばれ、ウィルスの複製に関与している「NS3-4Aプロテアーゼ」と呼ばれる酵素を阻害する作用が期待されます。
この様に作用機序の異なる2つの成分により、相乗的にウィスルの増殖を抑制し、耐性についても抑制すると言われています。
さらに配合されている、リトナビルには、パリタプレビルを分解するための「CYP3A酵素」を選択的に阻害する作用があるため、パリタプレビルの血中濃度を維持する役割が期待されます。つまり作用増強剤(ブースター)の役割があると言われています。
副作用が軽いのも特徴で、これらの薬剤の配合により、インターフェロンなしでC型慢性肝炎の治療が可能になり、治癒率も90%以上と言われています。
本剤は、腎疾患や心疾患への影響も少ないため、程度にもよりますが、これらの疾患により、他剤で治療を受けられない方も、本剤で治療を受けられる可能性が高いと言われています。
適応症は以下の通りです。
・セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善
本剤は、アッヴィ合同会社により製造販売されています。
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主な副作用
ヴィキラックスの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。
・末梢性浮腫ができる
・頭痛がする
・悪心がある
重大・重篤な副作用
重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。
副作用の名称 | 想定される症状等 |
---|---|
体液貯留 | 末梢性浮腫ができる、浮腫ができる、顔面浮腫ができる、肺水腫になる、低血圧になる、無尿になる等。特にCa拮抗剤を併用している方に多くみられる |
肝機能障害 | 倦怠感の増大がみられる、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い状態、黄疸がみられる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する、劇症肝炎になる等 |
肝不全 | 黄疸がでる、出血傾向になる、腹水がでる、脱力感がある、肝性脳症になる、全身の健康状態が悪化する、吐き気や食欲不振がある等 |
急性腎不全 | 尿量が減少する、尿が赤みがかる、眼がはれぼったい、疲れやすい、からだがだるい、腹痛がある、吐き気がある、下痢する、脱力感がある、関節が痛む、頭痛がする、顔や手足が浮腫む、息苦しい、意識が低下する等 |
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。
重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。
その他の副作用
その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。
副作用の部位名称等 | 副作用の名称、症状 |
---|---|
消化器 | 腹部不快感がある、便秘になる、心窩部不快感がある、胃炎になる、悪心がある、口内炎ができる |
循環器 | 動悸がする |
精神神経 | 頭痛がする |
血液 | 貧血になる |
皮膚 | 脱毛症になる、皮脂欠乏性湿疹ができる、紅斑ができる、そう痒になる、発疹ができる |
呼吸器 | 鼻咽頭炎になる |
過敏症 | 過敏症反応がみられる(舌や口唇腫脹を含む) |
臨床検査 | AST(GOT)値が上昇する、ALP値が上昇する、血圧が低下する、クレアチニンクリアランスが減少する、尿中蛋白が陽性になる、尿比重が減少する、尿中白血球エステラーゼ陽性がみられる |
過量投与 | 記載されている副作用の症状が発現する場合がある |
ヴィキラックスについて
新しく承認されたC型慢性肝炎の治療薬です。
腎臓や心臓への負担が軽いため、腎疾患や心疾患のある方でも利用可能であると言われています。
持病やアレルギーのある方は事前に医師とご相談下さい。
妊娠中の方や授乳中の方も医師とご相談下さい。
肝臓への負担が想定されるため、中等度以上の肝機能障害のある方は利用できません。
以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
・中等度以上の肝機能障害のある方(Child-Pugh分類B又はC)
・以下の薬剤を利用中の方
・アゼルニジピン
・トリアゾラム
・ミダゾラム
・ブロナンセリン
・ピモジド
・エルゴタミン酒石酸塩
・ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩
・エルゴメトリンマレイン酸塩
・メチルエルゴメトリンマレイン酸塩
・シルデナフィルクエン酸塩(レバチオ)
・タダラフィル(アドシルカ)
・リバーロキサバン
・バルデナフィル塩酸塩水和物
・リオシグアト
・シンバスタチン
・アトルバスタチンカルシウム水和物
・カルバマゼピン
・フェニトイン
・フェノバルビタール
・リファンピシン
・エファビレンツ
・セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
・エチニルエストラジオール含有製剤
以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。
・B型肝炎ウィルスに感染している方、又は、既往感染者の方
・高齢の方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・授乳婦の方
・小児等
以下の薬剤等との併用は、基本的に禁忌です。ご利用されている方は、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。
・アゼルニジピン
・カルブロック等
・トリアゾラム
・ハルシオン等
・ミダゾラム
・ドルミカム
・ミダフレッサ等
・ブロナンセリン
・ロナセン
・ピモジド
・オーラップ
・エルゴタミン酒石酸塩
・クリアミン
・ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩
・ジヒデルゴット等
・エルゴメトリンマレイン酸塩
・エルゴメトリン
・メチルエルゴメトリンマレイン酸塩
・メテルギン等
・シルデナフィルクエン酸塩(肺高血圧症に適応される製剤)
・レバチオ
・タダラフィル(肺高血圧症に適応される製剤)
・アドシルカ
・リバーロキサバン
・イグザレルト
・バルデナフィル塩酸塩水和物
・レビトラ
・リオシグアト
・アデムパス
・シンバスタチン
・リポバス等
・アトルバスタチンカルシウム水和物
・リピトール等
・カルバマゼピン
・テグレトール等
・フェニトイン
・アレビアチン等
・フェノバルビタール
・フェノバール等
・リファンピシン
・リファジン等
・エファビレンツ
・ストックリン
・セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
・エチニルエストラジオール含有製剤
・オーソ
・ルナベル等
以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。
・Ca拮抗剤(アゼルニジピンを除く)
・アムロジピンベシル酸塩
・ニフェジピン等
・フロセミド
・シルデナフィルクエン酸塩
・バイアグラ
・タダラフィル
・シアリス
・ザルティア
・エレトリプタン臭化水素酸塩
・ロスバスタチンカルシウム
・プラバスタチンナトリウム
・ピタバスタチンカルシウム
・フルバスタチンナトリウム
・オメプラゾール
・アルプラゾラム
・ジアゼパム
・クロラゼプ酸二カリウム
・クエチアピンフマル酸塩
・アミオダロン塩酸塩
・ベプリジル塩酸塩水和物
・キニジン硫酸塩水和物
・プロパフェノン塩酸塩
・ジゴキシン
・フルチカゾンプロピオン酸エステル
・サルメテロールキシナホ酸塩
・アゾール系抗真菌薬
・ケトコナゾール(経口剤:国内未発売)
・イトラコナゾール等
・アゾール系抗真菌薬
・ボリコナゾール
・シクロスポリン
・タクロリムス水和物
・ダルナビルエタノール付加物(1日1回投与)
・ダルナビルエタノール付加物/リトナビル(1日2回投与)
・アタザナビル硫酸塩
・アタザナビル硫酸塩/リトナビル
・リトナビル含有製剤
・リルピビリン塩酸塩
・リファブチン