クロミッドによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/12

クロミッドとは

クロミッド(Clomid)とは、古くから利用されている排卵誘発剤です。

通常、排卵障害のある方の不妊治療に利用されます。

作用は強力で、排卵の成功率は70~80%以上との報告があります。

医師の判断により、男性が原因の不妊に対して利用される場合もあります。

尚、乳ガンや子宮内膜ガンのある方、妊婦の方、及び、卵巣の腫大がある方は、使用できません。

また、肝障害や肝疾患のある方も、利用できません。

子宮や乳に何らかの症状のある方は、慎重に服用する必要がありますので、医師と相談してください。

本剤は、医師の指示に従って、規則正しく服用する様にしましょう。尚、何か気になる症状が発生した場合には、医師に相談してください。

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主な副作用

クロミッドの主な副作用は、虚血性視神経症、発疹、精神変調などがあります。

もし、視覚に関する症状が発現した場合には、眼科の検査を受けてください。

一般的な副作用は、少ないお薬です。

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
卵巣過剰刺激症候群(OHSS) スカートやズボンが入らない、おなかが張る、下腹部痛がする、下腹部に緊迫感がある、尿の出が悪い、むくみがでる、息切れがする、のどが渇く、下痢する、気持ちが悪い、体重が一日で1kg以上増加する、卵巣茎捻転がおこる、卵巣が腫大する、血管透過性亢進による腹水の貯留や胸水の貯留がおこる等

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
精神神経系 精神変調がおこる、情動不安がおこる、頭痛になる等
霧視等の視覚症状がでる、虚血性視神経症になる等
肝臓 ALT(GPT)値の上昇、AST(GOT)値の上昇、γ-GTP値の上昇、ビリルビン値の上昇、5%以上のBSP排泄遅延
過敏症 発疹がでる等
消化器 嘔吐する、悪心がある、食欲不振になる等
その他 尿量が増加する、口が渇く、顔面が潮紅する、疲労感がある

 

クロミッドについて

クロミッドは、古くから利用されている、排卵誘発剤で、不妊症の治療に利用される、代表的なお薬です。

このページの最初の所でも記載しましたが、排卵の成功率は高く、このデータを見る限り、妊娠できる可能性が高まるのは、確かです。

しかし、反面、本剤の服用に伴い、以下の作用が働き、折角排卵が誘発しても、妊娠しにくい状況になっていらっしゃる方もいます。

・頚管粘液の減少
頚管粘液は、排卵日前後に分泌量が増加し、精子が子宮へ入りやすくする働きがあります。しかし、人によっては、本剤の服用に伴い、この分泌量が減少し、精子が卵子までたどり着けない環境になってしまう場合があります。

・子宮内膜の厚みの減少
本剤を6周期以上の長期間に渡って服用した方の場合、子宮内膜の厚みが減少することが報告されております。
つまり、卵が着床する場所が、そのタイミングで余り良いコンディションではないため、着床しにくくなる場合があります。

・卵胞が破裂しない
卵胞は、通常、徐々に大きくなり、20~24ミリで破裂し排卵します。しかし、クロミッドの排卵周期の場合、24ミリ以上になり、30ミリになることもあります。
大きくなった卵胞は破裂しないことが多く、つまり、排卵しないことになります。

以上は、抗エストロゲン作用(女性ホルモンの効果を減少させる作用)によるもので、全ての方に起こる訳では、ありません。

クロミッドを利用する場合、上記の事項に注意し、観察する様にしましょう。もし、これらの症状が発生した場合には、かえって妊娠し辛くなる場合がありますので、医師と相談し、他の排卵誘発方法を検討してください。

6周期以上使用して、妊娠しない場合にも、医師と相談して、他の方法を検討してください。

通常、月経があり、排卵のある方の場合、クロミッドを服用する必要は、ありません。

 

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