エクセグランによる副作用
エクセグランとは
エクセグラン(EXCEGRAN)とは、てんかんの発作を予防するためのお薬です。
本剤の主成分は、ゾニサミド(Zonisamide)で、脳神経の興奮を抑制し、痙攣(けいれん)等の各種てんかん発作を予防する効果が期待されます。
適応症は以下の通りです。
・部分てんかんや全般てんかんの下記の発作
・部分発作
・単純部分発作
・焦点発作(ジャクソン型を含む)
・自律神経発作
・精神運動発作
・複雑部分発作
・精神運動発作
・焦点発作
・二次性全般化強直間代けいれん
・強直間代発作(大発作)
・全般発作
・強直間代発作
・強直間代発作(全般けいれん発作、大発作)
・強直発作
・全般けいれん発作
・非定型欠神発作
・異型小発作
・混合発作
・混合発作
本剤は、てんかんそのものの原因を治療するお薬ではありません。
症状の予防をするための対症療法薬です。
尚、本成分はパーキンソン病に利用する場合もあります。但し、その場合、通常は別のお薬(トレリーフ)を利用します。
本剤は、大日本住友製薬株式会社により製造販売されています。
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主な副作用
エクセグランの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。
【てんかんの場合】
・眠気がする
・食欲不振になる
・γ-GTP値が上昇する
・ALP値が上昇する
・ALT(GPT)値が上昇する
・AST(GOT)値が上昇する
・無気力になる
・自発性低下がみられる
・運動失調がみられる
・悪心がある
・嘔吐する
・倦怠がある
・脱力感がある
・精神活動緩慢化がみられる等
【パーキンソン病(承認外効能・効果) の場合】
・眠気がする
・食欲不振になる
・ジスキネジアがみられる
・悪心がある
・幻覚がみられる
・気力が低下する
・眩暈(めまい)がする
・ふらつく
重大・重篤な副作用
重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。
副作用の名称 | 想定される症状等 |
---|---|
中毒性表皮壊死融解症(Toxic EpidermalNecrolysis:TEN) | からだがだるい、関節の痛み、皮膚が焼けるように痛む、全身の赤い斑点と破れやすい水ぶくれ(水疱)、発熱、食欲不振口内が荒れる等 |
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群) | 高熱、陰部の痛み、関節の痛み、ひどい口内炎、唇や口内のただれ、発熱、皮膚がまだら模様に赤くなる、皮膚に水脹れが出る(各種皮膚障害)、中央にむくみをともなった赤い斑点、赤い発疹、まぶたや眼の充血、結膜のただれ、食欲不振、からだがだるい等 |
紅皮症(剥脱性皮膚炎) | 39度から40度の高熱がでる、顔に発疹ができる、全身の皮膚が赤くなる、皮膚のカスがよく落ちる等 |
過敏症症候群 | 皮膚の広い範囲が赤くなる、高熱(38℃以上)がでる、喉(のど)の痛みがある、全身がだるい、食欲が出ない、リンパ節がはれる、肝障害がある、黄疸がでる、白血球が増加する、発疹(斑状丘疹型ではじまり紅皮症に進展)ができる、顔面の浮腫ができる、関節痛がある、好酸球が増多する、異型リンパ球が出現する、肝脾腫になる、肝機能障害等の臓器障害を伴う遅発性の重篤な過敏症状がでる、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルス再活性化等がみられる(発疹する、発熱がある、肝機能障害等の症状が再燃する、遷延化する可能性あり) |
再生不良性貧血 | 発熱する、悪寒がある、手足に赤い点ができる(点状出血)、赤紫のあざができる、のどの痛みがある、鼻血がでる、歯茎から出血する、貧血症状がでる等 |
無顆粒球症 | 発熱する、咽頭痛になる、倦怠感がある、口内炎ができる等 |
赤芽球癆(せきがきゅうろう) | 全身がだるい、頭重がみられる、頭痛がする、眩暈(めまい)がする、耳鳴りがする、階段や坂を上る際に動悸や息切れがする、貧血になる等 |
血小板減少(血小板減少症) | 手足に赤い点(点状出血)ができる、あざができる、鼻血がでる、歯茎の出血がみられる等、死亡例あり |
急性腎不全 | 尿量が減少する、尿が赤みがかる、眼がはれぼったい、疲れやすい、からだがだるい、腹痛がある、吐き気がある、下痢する、脱力感がある、関節が痛む、頭痛がする、顔や手足が浮腫む、息苦しい、意識が低下する等 |
間質性肺炎 | 発熱する、咳嗽(がいそう)がみられる、呼吸困難になる、胸部X線異常がみられる、好酸球が増多する、動悸がする、息切れする等 |
肝機能障害 | 倦怠感の増大がみられる、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い状態、黄疸がみられる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する、劇症肝炎になる等 |
黄疸 | 嘔気がある、嘔吐する、食欲不振である、倦怠感がある、そう痒がある、皮膚や白目が黄色くなる、下痢する、全身の脱力感がある、38度~39度の発熱、ブツブツ状の発疹がでる等 |
横紋筋融解症 | 手足肩を中心とした筋肉痛やこわばりがみられる、手足が痺れる(しびれる)、赤褐色の尿がでる、脱力感がある、CK(CPK)値が上昇する、血中及び尿中ミオグロビン値が上昇する等、急激な腎機能悪化を伴う場合がある |
腎・尿路結石 | 排尿時の痛みがある、下腹部や横腹・腰・背中の激しい痛みがある、尿の濁りがある、血尿がでる、結晶尿がでる、頻尿になる、残尿感がある、乏尿になる等 |
発汗減少に伴う熱中症 | 体温が上昇する、吐き気がする、意識がうすれる、顔面紅潮がみられる、発汗減少がみられる、意識障害がみられる、熱中症になる等 |
悪性症候群(Syndrome malin) | 無動緘黙(むどうかんもく:無言症。無動無言状態のこと)がみられる、強度の筋強剛(きんきょうごう:筋肉のこわばり)がみられる、嚥下困難になる、頻脈になる、血圧の変動がみられる、発汗等の症状が現れ、その後、発熱する場合がある。高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎不全へと移行し、死亡した例の報告がある |
幻覚 | 実在しないものが聴こえる(幻聴)、見える(幻視)、感じる(体感幻覚)等 |
妄想 | 現実では間違っていることを事実と思い込む等 |
錯乱 | 外部状況に対し適した対応が出来ない状態、話や動作にまとまりがない |
譫妄(せんもう) | イライラする、疲れが取れない、不眠になる、強い倦怠感がある、下痢する、動悸がする等 |
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。
重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。
その他の副作用
その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。
【てんかんの場合】
副作用の部位名称等 | 副作用の名称、症状 |
---|---|
過敏症 | 発疹ができる、そう痒感がある |
皮膚 | 多形紅斑がみられる、脱毛がみられる |
精神神経系 | 眠気がする、無気力になる、自発性が低下する、精神活動緩慢化がみられる、易刺激性がみられる、焦燥がみられる、記銘・判断力低下がみられる、頭痛がする、頭重になる、運動失調がみられる、眩暈(めまい)がする、意識障害がみられる、睡眠障害がみられる、抑うつになる、不安になる、心気がみられる、幻覚がみられる、妄想状態になる、幻視がみられる、幻聴がある、精神病様症状がみられる、被害念慮がある、不随意運動がある、振戦がみられる、感覚異常がある、しびれ感がある、構音障害がある、平衡障害がある、不機嫌になる、離人症になる |
眼 | 複視になる、視覚異常がみられる、眼振がみられる、眼痛がある |
消化器 | 食欲不振になる、悪心がある。嘔吐する、胃痛になる、腹痛がする、下痢する、流涎がみられる、口が渇く、口内炎ができる、しゃっくりがでる、便秘する |
血液 | 白血球が減少する、貧血になる、血小板が減少する、好酸球が増多する |
腎・泌尿器 | 排尿障害がみられる、失禁する、蛋白尿がでる、BUN値が上昇する、クレアチニン値が上昇する、血尿がでる、結晶尿がでる、頻尿になる |
その他 | 体重減少がみられる、倦怠感がある、脱力感がある、発汗が減少する、発熱する、胸部圧迫感がある、免疫グロブリン低下がみられる(IgA、IgG等)、動悸がする、喘鳴(ぜんめい)がきこえる、乳腺腫脹がみられる、抗核抗体の陽性例がみられる、血清カルシウムが低下する、高アンモニア血症になる、代謝性アシドーシスがみられる、尿細管性アシドーシスがみられる、味覚異常がある |
過量投与 | 昏睡状態になる、ミオクローヌスがみられる、眼振がみられる等 |
【パーキンソン病(承認外効能・効果)の場合
副作用の部位名称等 | 副作用の名称、症状 |
---|---|
過敏症 | 発疹ができる、湿疹ができる、そう痒感がある |
精神神経系 | 眠気がする、ジスキネジアがみられる、気力が低下する、抑うつになる、眩暈(めまい)がする、ふらつく、睡眠障害がみられる、頭痛がする、頭重になる、幻視がある、幻聴がある、精神活動緩慢化がみられる、不安になる、不穏になる、無気力になる、自発性が低下する、興奮する、しびれ感がある、異常な夢をみる、異常感がある、感覚異常がある、行動異常がある、自殺企図がみられる |
循環器 | 血圧が低下する、動悸がする、起立性低血圧になる、血圧が上昇する、上室性期外収縮がみられる、心室性期外収縮がみられる |
消化器 | 食欲不振になる、悪心がある、口が渇く、胃不快感がある、便秘になる、胸やけがする、嘔吐する、下痢する、腹部不快感がある、腹部膨満感がある、胃炎になる、胃痛がする、味覚異常がみられる、流涎がみられる、口内炎ができる、嚥下障害がみられる、胃潰瘍ができる |
血液 | 白血球が減少する、ヘモグロビンが減少する、赤血球が減少する、ヘマトクリットが減少する、貧血になる、白血球が増加する、血小板が減少する、顆粒球が減少する、好酸球が増多する |
肝臓 | AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、ALP値が上昇する、LDH値が上昇する、γ-GTP値が上昇する、肝機能異常がみられる |
腎・泌尿器 | BUN値が上昇する、排尿障害がみられる、頻尿になる、クレアチニン値が上昇する、尿失禁がみられる、尿中蛋白陽性がみられる |
その他 | 体重減少がみられる、立ちくらみがする、CK(CPK)値が上昇する、浮腫ができる、倦怠感がある、脱力感がある、発熱する、視覚障害がある、脱水する、呼吸困難になる、四肢痛がある、転倒する、打撲する、骨折する、腰痛がある、汗疹ができる、顔面潮紅がみられる、トリグリセリド値が上昇する、血中コレステロール値が上昇する、血中尿酸値が上昇する、血糖値が上昇する、血中カリウムが減少する、気管支炎になる、脱毛がみられる |
エクセグランについて
眠気に襲われたり、注意力等が低下する場合がありますので、車の運転や危険を伴う作業等は控えてください。
持病やアレルギーのある方は事前に医師とご相談ください。
妊婦の方は、事前に医師とご相談ください。
利用に際しては自分の判断で急激に減量したり中止したりしないでください。
以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。
・重篤な肝機能障害のある方、又は、その既往歴のある方
・高齢の方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある
・授乳婦の方
・小児等
以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。
・抗てんかん剤
・フェニトイン
・カルバマゼピン
・フェノバルビタール
・バルプロ酸等
・フェニトイン
・三環系抗うつ剤
・アミトリプチリン等
・四環系抗うつ剤
・マプロチリン等